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原型:みんなが心躍る世界を■■したいですが(多少)手こずっています。  作者: アイティ
五章:ナゼ タタカワナケレバナラヌノダ?
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エドヘヨウコソ。ソレデハスタート


江戸を見渡せるほどの丘に立つ彼女ら。

そこから見えるのは江戸の景色と謎のオーラを放つ巨人。

漫画の江戸の背景に巨人が襲っているようなそんな景色。


遠目からでも分かる残虐状態。

火を噴き民家を襲い、大きな足で人をつぶしまくっている。

辺りに響くは阿鼻叫喚。時代が違えば世界が違う異質なものに対して怯える人々。


「なんだ、あれは……!?」


風吹もあんな化け物を見たことがない。

正体不明の相手に恐怖を感じてしまう彼女。

人間の形をした化け物。薄紅の皮膚に白い模様が走っている。

見るからに図体が硬そうで、普通の攻撃では歯が立たなそうだ。


「風吹さん……あの紫、もしかして……」


彼女も恐怖を感じているのか、声を震わせながらそう言う彼女。


「ああ、あの鎧から出ていたものとそっくりだ。」


「じゃぁ、あの巨人もそれで変に……」


紫のオーラを放つ何かを取り除けば治まるのだろうか。

そもそも先ほどの少年の父親が紫のオーラでああなったとは限らない。

自ら望んで母親を殺したのかもしれないし、少年を襲ったのかもしれない。

情報が少ないために、正しい対処法が分からないので何とも言えないのだが、

なんであれ、まずは周りの人々の身の安全を確保しなければ。


「行くぞハジメ!! まずは住民を避難だ!!」


「は、はい!!」


丘を降り、江戸の町に向かう彼女ら。

目の前にいる脅威に足をすくめず、やるべきことだけを考えて先を急ぐ。

その後ろで、彼女らの後をつける人物が一人、二人、三人……


そのうちの一人である紫髪の少女以外、全員忍者であった。



そしてその後ろに、レイピアを構え、おむすびを手に持った少女が……



<>



「……」


「あ、愁ちゃん。やっと起きましたか。」


「ここは……?」


「いやぁ、大変な目に遭いましたね。

 寝起きドッキリ、起きたらそこは牢獄でしたー……」


起きてすぐ目に入ったのは、牢の外を見ていたカテラの姿であった。

ひんやりした床にうつぶせに寝ているせいか90度景色が回転しているが。


「……」


「シャレになりませんね、すいません。」


うつぶせの態勢から起き上がり、少し薄暗い辺りを見回す。

そこは木造の牢屋であった。床も壁も全部木造。

牢の隅にはそれぞれ、木造の和式便所と、二枚の薄い敷布団に置かれていた。

木造の細い格子の外を見る限り、

廊下を挟むかのように対にも同じ牢屋があるようだ。

灯りは……どうやら廊下に均等に置かれているロウソクだけみたいだ。


「すいません、なんで私はここに居るんです?」


そう言うとカテラ振り返り、やけくそ笑いをしながらこう言う。


「ゼロ率いる忍者御一行に引き連れて、ですね。

 愁ちゃんを誘拐している姿を見てしまったら、

 私もその忍者たちに眠らされてこの通りです。

 しかも持ち物まで全部剥ぎ取られましたとも、まったく。ははは。」


「へぇ……そうですか。」


彼女はため息をつき、背中を壁につけその場に座り込んだ。

そして自分の胸に手を当てながら、だるそうな表情を顔に出す。


「まったく。アイツは何がしたいんですか……」


「ええ、私にもさっぱり。ですがそれが作戦だと私は思いますけどね。」


「敵味方を混乱させて、味方の目的を地道に進めようと?

 私の眼からはただバカやっているだけにしか見えないのですが……」


「……へぇ。」


カテラは彼女を意味深な目で見る。

そして再び牢の外を見て、愁に近づき手を差し伸べる。


「さて愁ちゃん。今のところ兵士は近くにいません。

 さっさとこの檻をぶっ壊して外に出てしまいましょう。」


「そうですね。じっとはしてはいられませんし。創さんも心配ですし。」


そう言いながら微笑み、立ち上がる。

カテラはこっくりと頷き、檻の前まで愁を手で引っ張った。

そして、彼女は微笑みながら愁を見始めた。


「……? どうしたんですか……?」


「はやく。今のうちにやらないと兵士が来ちゃいますよ?」


「……あ、壊すの私なんですね……、ん”ん”」


彼女は木造の格子を両手で引っ張り、無理やり壊そうとする。

眉間にしわができたりと必死ではあったが、格子はびくともしない。


「はぁ、はぁ、無理ですね。壊せそうにないです。」


「えー? ファイトです愁ちゃん。あなたならできますよ!」


目をキラつかせながら、手を右手を上に上げて応援をし始める彼女。

愁はそれを見てため息を吐き、再び格子を両手を持ち、呼吸を整える。


「むぅ……、ふんっ……! んぐ、んぐぐ……たはっ……。」

「気を抜いてはいけません! 頑張って!」

「ふんぬっ……!! んごごく、だはっ……、む、無理……。」


後ろにバタンと倒れ、息を吐く彼女。

それを見たカテラは慌て、彼女の元に近寄ってしゃがみ、手を握る。


「大丈夫ですか愁ちゃん!」


「ああ、うん大丈夫……、大丈夫です。」


「むぐぐ、愁ちゃんの怪力ならいけると思ったのですが……!

 どうしましょう、このままじゃ助けを待つしかなくなってしまいます……!」


「というか、他のメンバーは何を……?」


愁がそう言うと ハッ、という顔をしてカテラは立ち上がる。

急にどうしたという顔をしながら彼女を見守っていると、

急にカテラは牢の外を見回し、息を整えて、ある言葉を叫ぶ。


「らりるれろ! らりるれろ! らりるれろぉー!」


「うるせぇ! 黙ってろ!」


近くの牢にいた男から罵声を浴びる。

それに反応してカテラはしょぼんとしてしまう。


「……っ、なんですかそれ……。」


愁は上体を起こし、不思議そうにしながら謎の言葉についてを聞く。


「……あぃ? ああ、(咳払い)特殊コードです。

 30秒後、返事が返ってくれば近くに仲間がいます。」


「ああ、合言葉ですか……。変な合言葉ですね……。

 えっと、らりるれろって何の意味があるんです……?」


「言葉自体に意味はないです。

 あるゲームから抜き取っただけなので。」


『らりるれろ』ってなんなんだろうか、そう思いつつ、

彼女らは無言になり、『らりるれろ』の返事を待っていると……?


「そこでディスクを変えてくださーい!」


「うるせぇ! さっきから何言ってやがる!」


幼い少女のような声の何者かが返答をすると、

さっきと同じ男が再び、大きな声を発した人物に罵声を浴びせた。


「ディスク? 今のが合言葉ですか?」


「そうです! というかこの声は!」


カテラは格子にできるだけ顔を出し、その人物の名前を叫ぶ。

そして、その人物にやってもらいたいことをそのまま伝えた。

神堕 愁は彼女が言った名前に驚き、カテラと同じように格子に顔を出した。


彼女が叫んだその名前は……。



「神(・)堕(・) 聖(・)! あの炎で格子を焼いてください!」


そう言うとすぐに、明るい青い炎が蛇のように床を這いずり、

近くに来たと思えば格子全体に炎が燃え移り、そこから数歩ほど彼女らは離れる。

すると、近くの木は燃え移らずに、格子だけが燃え尽きて炎が鎮火した。

青い炎に関心しながらも、彼女らは牢屋だったところから外に出る。

ふと横を見ると廊下に、アホ毛が二本生えているピンク髪の子が。

右手にさっきの青い炎を構えながら、にっこりと笑っている小学生ぐらいの子。


「君がカミダ シュウなんだね~。 思ってた通り不思議ちゃんだぁ!」


「え、聖さん……なんですか……?」


いろいろ驚きながら、カテラは彼女の肩を掴み、淡々とこう言う。


「うん、神堕 聖だよ。

 なんかよく分からない邪神の力を持っている不思議ちゃんでーす。」


「え、ええ……?」


状況が理解できないのか言葉を失う彼女。

幼くなった神堕 聖は急に廊下を走り出し、彼女らを手招きする。


「ほら! ここからでないと! 創も待ってるよ!」


カテラは驚く神堕 愁にこっくりと頷き、神堕 聖について行った。

まだ整理がつかなさそうなのか不思議そうにしながら、彼女も聖について行った。


『らりるれろ』とか、ディスク入れ替えの元ネタは、たぶん調べたら出てくる。



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