コンニチハ
王国騎士団本部にて
私は相手と戦う前に『観察』『調査』は重要だと思ってる。
その相手の動き、どのように戦っていたかを知ると戦いやすくなるからね。
アイツ弱いからダイジョブでしょ(笑)、ハッ、所詮雑魚じゃねぇかよぉ!
なんて思っていたりする敵、よくやられてるよねぇ。
恐怖という感情がないのもそうですけど、頭悪すぎませんかね彼ら。
直感に頼りすぎ。なんであんなに適当になっちゃうんですかねぇ。
人間弱いのが当たり前ってこと、理解してるんですかねまったく。
赤ん坊が生まれてすぐ最強になんてならないでしょ?
~が強そうに見える? ~なんか弱そう? フラグ建築ですか?
「今日は」とか、「いつもと違って」とか、
限定的な言葉をつけたせばフラグ回避できると思うのでお勧めですよ?
ま、その人物を知ってないと使えない言葉なんですけどね。ハハハ、調べろ。
「……『フォート』、落ち着け。」
……ごめん、最近そう言う兵士が多くてむしゃくしゃしてた。
この後でいいから全兵にマナーとか心とか教えてやって。
「心か……」
真剣に考えてくれてありがとう団長。胸に手を当てなくていいよ。
それで、創や神堕 愁、神堕 聖やロゼについての調査結果を述べるとだね__
「やはり、彼女らは我々の敵になってしまうのか。」
そういう事になるね。どの人物も世界を壊しかねない。
スペルの連絡も取れなくなったし、いよいよ動き出そうとしてるのかも。
しかも、守護神であるゼロス変なことをしていてね。
どうやら私たちがいる世界ではない、他の世界を徹底的に侵略してんだよね。
理由は分かんないけど、現状協力者のノウンさん調べてもらってるところだ。
「……それでだ、カイングはどこにいる。」
顔怖いなぁ。気持ちは分らんでもないけどね。急にいなくなったし。
今はブリタニアにいるね、相も変わらずウェドと旅してる。
にしても彼ら、(資料をペラペラとめくる)いろいろと功績残してるね。
盗賊を懲らしめたり、お尋ね者のソウムを捕まえたり、サテラノドンを倒したり。
いろいろやっているようでっ……いない。 あのシスコン団長めが……
話は最後まで終わってないんだけどなぁー、なんで行っちゃうんだろうなぁ。
転移者の精神状態が変って言うアレもあるし、赤ん坊の成長率が……
はぁ……まぁいいや。私が何とかしますよーだ。
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森を抜けたり川の橋を渡ったり、走り続けて一時間程。
彼女らは若干の疲れを見せながらも、江戸の町の目前まで来ていた。
休憩がてら、近くの木に背になり、木陰の涼しさで疲れをいやしていた。
「まさか、ここまで速度が落ちずについてこれるとはな。
お前、神堕 愁と一緒に走って鍛練でもしていたのか?」
「え……? ま、まぁ、一緒に走っていたりしていましたね……」
そう言いながら、彼女は疲れながらも微笑みを見せる。一緒に走っていたと言っているが、その一緒には空菜を追いかけている時である。中学時代では愁と一緒に走るなんてことはなかった。つい最近、併走したばかりなのだ。なんせ彼女は記録を更新しようと常にフルスロットルでとても追いつけそうにない。
だが、その彼女の記録は空菜を追いかける時に創に抜かれそうになっている。
気づかぬうちに、彼女は愁と同じレベルの足になっているのだ。
「なるほど……足はそれなりに鍛えているようだな。
すると、お前は刀の鍛練も神堕 愁としていたりするのか?」
「刀は無いです。というか、刀を使う機会がそもそもありませんし。」
「……そうか。刀を振るう機会が無いと……」
創の言葉を聞いて、彼女はうつむき、少し悲しそうな表情をする。
どうしたのだろうと首をかしげる創。
武士の精神的なアレで、刀を振るえないなんてかわいそうと思ってるのだろうか。
それとも二刀流を使うと聞いていたのに鍛練が足らなさそうと失望しているのか。
そう考えながら彼女を見ていると、横から強い風が吹いてきた。
創はその強い風で目をつぶってしまうが、すぐに風は治まった。
「またお前か。いったい私に何の用だ?」
風吹のその声で創は目を開ける。
木陰の外、彼女らが歩いてきた道にその少女は立っていた。
キツネの耳のような物を白い髪の上に生やしており、
片目は包帯で覆われており、もう片方は赤く虚ろな目をしていた。
彼女は巫女服と洋服を着ており、どこかおしゃれに感じる。
それとは裏腹に、彼女の両手は醜くく黒い大きな手をしていた。
「……あの子、どっかで……」
どこか懐かしいような、どこかで会ったような。
あの子の事を知っている訳ではないのに、何故だかそんな気がする。
気のせいかもしれないけど、気のせいじゃいられない。
変な胸騒ぎがして、創は立ち上がり彼女をじっと見つめ始めた。
「……」
何もしゃべる様子はない。ただ見つめてきているだけだ。
悲しそうとか、楽しそうな表情もなしに真顔でただじーっと。
「何も言わないのならこちらから問おう、お前は何者だ?」
風吹がそう言うと、少女は耳をピコピコ動かし、
その場でしゃがみ込み、大きな手の人差し指で地面にこう書いた。
『 神 』
至近距離からでも見えたその文字をみて、彼女らは首を傾げた。
少女は立ち上がり、虚ろでの目をしたまま緩いドヤ顔をしていた。
……頑張ってかけれてうれしいのだろうか。それとも自慢しようとしているのか。
「なるほどな。神であれば目の前に現れるのは当然だな。
目的は復讐か? 一応言っておくが、私は戦う気はないぞ。」
「……」
少女は顔を緩めながら、『違う』と言いたいのか手を横に振る。
そして少女は空を指さし、彼女らにも空を見上げるように体を動かす。
(か、可愛い……)
喋らないけど逆にそれが良い。
いちいちの動きや若干の表情の変化を見て創はニマニマとする。
しかし、あの少女が神なのかと思うといろいろ疑問に浮かぶ。
とりあえず、少女は空を見上げてほしそうなので、創は上を向いた。
同様に、風吹も上を向く。何者かもわからないあの少女を警戒しながら。
「……?」
青空が綺麗、鳥が飛んでる、それだけ。
あのイカが飛んでいる訳でもなく、特にラ〇ュタがあるわけでもない。
なにもないのですが、そう思いながら創は少女の方を向く。
(また、何か書いて……)
少女は大きな人差し指で魔法陣のような物を書いていた。
どことなく楽しそうにしている少女であったが、
書いている魔法陣が小さく、小さなラインを引くのにとても時間がかかっている。
その姿を見た創は『頑張れ』と心の中で応援してしまう。
「……ん、空に何か……」
風吹が空を見上げていると、彼女はある一点の物に対して目線を向けていた。
やっぱり空に何かあるのかと、創は再び空を見上げようと思ったその時。
黒い刀(抜き身)が一瞬にして空から落ちてきて、
少女の脳天に刀の先っぽが刺さってしまう。
血などは出てないが、少女は目を見開きその場で固まってしまった。
少女の刺さり具合にびっくりして、その後に落ちてきた鞘に気づかなかった。
創は少女の心配をしていたが、風吹はただ茫然とその光景を見ていた。
頭に刀が刺さると、痛いよね。




