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原型:みんなが心躍る世界を■■したいですが(多少)手こずっています。  作者: アイティ
五章:ナゼ タタカワナケレバナラヌノダ?
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戦ハセズトモ腹ハ減ル


……? え? 戦うんです?

今までロクに戦うような描写もなかったのに、戦うんですか?

いやいやいや……今回はオムライス回ですから。

変な争いなんてやりとうないわ! 今日はオムライスじゃ!


異端世界秩序(?) 食堂(?)にて


「「……」」


食堂の扉を開けるとそこはカフェレストランのような場所。

オシャレな雰囲気を醸し出そうとしているのか、

廊下やさっきまでいた部屋と比べて若干薄暗い……? というか、ここって……


「扉を開けるとそこは職場であったぁ……」


「ですよね愁ちゃん。私たちが働いてたところですよね。」


薄暗くて分かりずらかったが、改めてみると見覚えのある場所だった。

とはいっても夜のこの場所の景色を見るのは初めてであったが。

お客が座る席には誰もおらず、やけに静かで違和感を感じる。

白いカーテン越しに窓の外を見るに、キラキラと賑わう繁華街の様子が見えた。

夜のカフェってこんな感じなんだぁ、とか思いつつ、

とりあえず近場にあったファミリー席に対になるように座り、顔を見合わせた。

そんな事をしても現状況の違和感を解消できるわけではない。

ただ単に、二人は『なんで』と、気持ちを共感したかったのである。


「創さん、今私たちどこから出てきました?」


「控室のとこから出てきましたよね。」


「ですよね。あと、厨房に誰かいますよね。」


「厨房……?」


チュウボウ? どこそこ? そう思っていると、

愁の席の後ろ側にある、『創が調理場と呼んでいるところ』を指さした。

厨房って言うんだなぁ、と関心していると、

そこで誰か料理をしているのか、パチパチ、シャワシャワと言う音と、

カンカン、ガチンという軽い金属音が聞こえてきた。

誰か調理しているんだろうと、厨房の方を興味津々に見始めた。

すると、厨房の出入り口からコックハットをかぶったメイドが、

オムライスとお冷が乗ったオボンを二つ持ち、こちらに歩み寄ってきた。

なお、神堕 愁はそのメイドを軽蔑した目で見ていた。


「らっしゃい。」


そのメイドはやはりというか、ロゼであった。

やる気のない口調で創たちに言葉をかけ、

ひっそりと目の前にオムライスとお冷を置いて一言。


「ごゆっくりどうぞ~」


「いや待ってくださいロゼさん。」


そのまま厨房に戻ろうとしていたところを焦って創が引き留める。


「なんでしょうお客様ぁ、なにかお気に障る事でも。」


「いや、なんでここに私たちが働いていたカフェがあるんです?」


「簡単でございます。

 私たちが働いていたカフェと異端世界秩序は繋がっているからでございます。」


「つ、繋がっている……?」


ロゼがそう言うと、控え室のドアから助手が入ってくる。


「いらっしゃいませ~、開いているお席へどうぞ~」


その様子を見た彼女は苦笑いをし、ロゼをチラチラと見ながら愁の横に座る。

すると彼女は手を前に組み、うつむきながら深いため息を吐く。

不機嫌なのだろうかと心配して創たちは汗を垂らす。


「説明します。」


「え、あ、はい。」


そう言ってシュッと創の顔を見る。創は唐突な言葉にとっさに反応をすると、

彼女は早口で、ノンストップで説明をし始めた。


「ここ、『コップカップカフェ』はただの飲食店ではなく、裏で異端世界秩序が絡んでいる店だったのでです。このカフェの活動目的としては、お客の情報と、そのお客の会話の情報収集。朝10時から夜6時まで活動し、6時以降は異端世界秩序の食堂になるんです。異端世界秩序から入った人は異端世界秩序のIDカードを持参したまま控え室のドアを5回ノックすることで入ることができるので憶えておいてください。あ、6時以降はノックをせずとも異端世界秩序に入ることができるので帰る時は安心してください。そうそう、外から私たちの姿が見えることはありません。それはそう、あそこの白いカーテンのおかげなのです。外側から見たカーテンは透視性もがなくただの真っ白なカーテンになるんですよ。でも、強盗とかが入ってきた場合は私たちの姿がばれることになるんですけどね。そこはまぁ防犯システムがなんとかしてくれるでしょうけど、まずそんな人はこの世界にいないはずですし、他の世界の人が入ってくるなんてことがなければそんなことは起きないので大丈夫です。保証はできませんけどね。


 だいだい分かりましたか?」

 

「……ええっと? は、はい?」


当然、創は混乱した。

マシンガンのように言葉を浴びさせられたため、

頭の処理が追い付かず蜂の巣にされ瀕死状態にあった。

しかし、それは彼女の処理速度が足りないからこそ起きたことである。


「助手さん、創さんを困らせないで上げてください。

 確かにいら立ってしまっているのは分かります。落ち着いてください。」


神堕 愁の場合、撃たれる前に聞く姿勢が整っていた。

前世で生徒会長であった彼女は、会話をする場面がとても多かった。

ただの雑談や相談話、いじめ現場の応対、教師の不祥事の言及など。

それを続けている内に、どういう会話をしてくるかなどパターンを把握。

無自覚に彼女は、どんな人物であれ冷静に話を聞き対処できるようになっていた。


「いやぁお客様、あなたこそ落ち着くべきでは? 

 目、ものすっごい泳いでますけど、大丈夫でしょうか?」


とはいえ言葉にはインパクトがある。

彼女の話の内容を聞いて彼女は驚きを隠し切れなかった。

異端世界秩序がそんな事をしていたんだぁ、とかいう驚きではなく、

繁華街側から第三者が入ってくるの保証できてないんだ、という驚きである。 

要は防御姿勢をとって冷静に対応していたものの、

弾の精度が高く、少しばかり体に被弾してしまったのであった。


「……そうい”う風に言うのであれば、

 外からの脅威に対しての対策、ちゃんしてお”いてくださいね”?」


愁は助手とロゼの顔を見ながら目を見開き、怒りだった声でそう言った。

他の世界が融合しており、前例としてヘリコプターが来ているのにもかかわらず、

安全確保ができていないかつ、危機感を持っていない彼女らに対して、

神堕 愁は、怒りの表情を見せたのであった。


「あ、あの、すいませんでしたぁ……」


助手は彼女の顔見て恐怖を抱き、声を震わせながらそう言った。

一方、ロゼは助手が説明していた時に持ってきていた真っ赤なカレーを

助手の前において、愁からそっぽを向き、スタスタと厨房に戻って行こうと……


「ロゼ? 頼みますよ? さすがに甘すぎます。」


怒りの表情のまま後ろを振り向いて言葉を放った。

すると、ロゼはその場で足を止めて、


「……分かったよ。対策しておくからさ。

 とりあえず、夕食食べてゆっくりしておいてくれ。」


こちらに振り向こうとせずに優しい口調で言い、

後ろに手を振って厨房へと戻って行った。

机の方に顔を戻し、愁は自分の頬を両手で叩いて、顔の表情を元に戻す。


「……ふぅ、食べましょうか創さん。」


「そ、そうですね……。冷めないうちに食べちゃいましょう。」


創は彼女の怒る所を何度も見ている。

あの頃を懐かしく思えた半面、久しぶりに怒った所を見て怖いと思ってしまった。

だが、オムライスを食べ始めた時にはもう、怖いという感情は吹っ飛んでいた。


「「……!?」」


彼女が作ったオムライスが、言葉を失うほど絶品であったからだ。


早口の表現ってあれでいいんですかね。

ノンストップでドドドドド……うーん……?


さて……いよいよもう一人のロゼが言う、

『準備』の内容が明らかになりそうですね。


まぁ、ただ単に……

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