短編:青イ武士 ト クソ幼女
ははは、まったく、幼い少女は最高だぜ()
「ふぅ……いよいよ明日、出陣か……」
「私はやめておいた方がいいと思うんだけどね。
何もしなければ、あっちもこっちも平和のままだと思うんだけど。」
二人は、和と近未来の雰囲気が入り混じった不思議な部屋で、外を眺めていた。
快晴で月明かりがきれいな夜空。目線を下に向ければ山々や森林が広がっている。
片方の青髪の剣士は椅子に座り、陶芸で造られたような白い酒瓶を片手に、
見えはしないがそこにある、クソみたいなあの世界の方に首を向けていた。
「……どの道、俺たちが動かずとも、
総大将殿はあの世界を壊そうとするんだ。何もかも、木端微塵にな。」
酒を一口飲み、目の前に座っている和風装束を着た幼い少女を見る。
彼女はスライム(?)が先端についた杖を片手に持ち、
月明かりにそのスライムを照らしていた。
「ねぇ、大将ってバカなのかな。」
「あ? どういうことだ。」
「自分の仲間の仇を撃つって言うのに、
わざわざ、仲間を傷つけて精神犯すとかおかしくないかい?
仇撃つんなら、さっさと瞬殺すればいいのに。」
少女は不気味な笑みを見せながらそう言うと、
青髪の武士は酒瓶を目の前の机にドン、と置いて立ち上がり、
腰に構えていた鞘から青色の剣を引き抜いて少女に剣先を向けた。
しかし、彼女はそれに動じず、顔色一つ変えずに男の方に振り向く。
「なにさ。今の間違ってた?
事実、アイツは心を痛めつけようとして、
斉藤 創を殺そうとしていたんだよ?」
「……間違いではない。が、
お前みたいな奴が言う言葉じゃない。」
男は刀をぎゅっと握りしめ、鋭い目で少女を睨む。
すると、彼女は鼻で笑い、手に持っていた杖を男に向ける。
「言える言葉だよ。精神的痛めつけ専門である私であるからこそ、
他人の精神毒して遊んでる私であるからこそ言える言葉だ。」
「黙れ外道が。それ以上喋ろうものなら、お前に傷をつけることになるぞ。」
「はいはい、喋りませーん。」
ぶっきらぼうにそう言って、少女は杖を降ろす。
その様子を見た彼はため息をつき、刀を鞘にしまって、再び椅子に座った。
そして、彼は酒瓶を手に持ち、口元に近づけ中にあった酒を飲み干す。
「俺はもう寝る。お前もとっとと明日に備えて寝るんだな。」
そう言って、ゆっくりと障子を開け、部屋から出ていった。
「……はは、閉めてほしかったんだけどなぁ。」
少女は苦笑いをしながら椅子から立ち上がり、
開けっぱになった障子を閉めて、持っていた杖のスライムの部分をなでる。
その時の彼女の表情は穏やかではあったが、不気味な雰囲気は残っていた。
なでられたスライムは嬉しそうなのか、やけにプルプルしていた。
「それじゃ、おやすみ。明日もよろしくね。」
そう言って、床に置いてある、
透明な液体が入った桶にスライムが入るように杖を置き、
部屋に敷かれた敷布団で横になり、ぐっすりと眠り始めた。
ははは、なんだこの幼女。




