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原型:みんなが心躍る世界を■■したいですが(多少)手こずっています。  作者: アイティ
五章:ナゼ タタカワナケレバナラヌノダ?
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まとめ:四章って大体こんな内容だった。

物語のおさらい小説です。

ざっくりまとめたものですのでご了承ください。

ナレーターがいる程でご覧ください。

修正箇所があったらすいません。


道具や武器、食費、宿代。

どの世界においても、お金は必要である。

それを察知した神堕 愁は、創とロゼを巻き込みバイトを開始。

ファミレスみたいなカフェで、お客の接待。

昨日から始めたバイトで少し戸惑いながらも創は仕事をこなす。

愁もほどよく仕事をこなし、ロゼは厨房で料理盛り付けてました。

カフェでは、常連客の七騎士、メイトが来ていたり、

何故か伊佐美 麻央がここで働いていたり、空菜が寝てたりしてた。

……? あれ、なんで麻央がここに? 司書の仕事とかどうした?

彼女曰く、純粋にお金を稼ぐために働いていんだとか。

彼氏の命令ではなく、自分自身の意思で、らしい。

寝ている空菜は体が透明なので、愁と創しか見えないから……。

まぁ、寝ている姿を見た創が、彼女の尻尾を触って驚かせて、

厨房に行ってロゼさんの手伝いをしてくださいと指示しましたけどね。

ですが、そのまま厨房へGOした彼女は、もう四章では出ないという。

というか、このカフェ自体……いや、カフェはまだ出るか。


そんで仕事終わりのその夜。創大好き愁ちゃんは。


「創さん、学校へ行きましょう。」


と、言いながら、いくつかの学校のパンフレットを掲げていました。

全て創に合うような学校を選んでおり、ここから通うとしてとか、

自分の事とかもちゃんと考えているんだとか。にしても急すぎるけども。


「制服も教科書代、食費や宿泊費もすべて加担してくれるそうです。

 異世界転移者限定の特典らしいですし、入学しないわけにはいきません。」


愁の調べた情報によれば、学校は無償で入学できるのだとか。

まぁ、入学はだけどね。

あくまでも加担。たぶん値引きとかそういう事なんだろうね。

もし全額負担だったら、カフェでバイトなんてしてないと思うし。

食費を負担っていうのは分かるけど、食費を加担って、それお金使っとるし。

たぶん創はそれを理解できずに全額タダで行けると思ってるし。

それと肝心なところが抜けているし。だれが加担してくれるんです?

するとロゼは『異世界転移者限定の特典』の補足を言い始める。


「〜七騎士のヨルっているだろう?

 あいつが異世界転移者に対して優遇措置を取っているみたいなんだ。

 理由としてはとっても簡単、

 転移者は転生者と違ってこの世界の家族に血縁がないからだ。

 住む家もなければお金もない。ましてや自分の人生の道行きも分からない。

 そんでもって、この国の施設の一部は自力でこの世界を生きれるまでは

 国が総力挙げて全力でサポートしてくれるのさ。わぁこれで平等だねぇ。

 というか、カフェのバイトができたのもその優遇のおかげだからな。」


かつて多くの異世界転移者に対して優遇措置を取る国があっただろうか。

いやたぶんあるんだろうけど。ただ見てないだけでどっか(他の小説の物語)にあるとは思うけど。

ロゼは愁が持つパンフレットの内、おすすめを推薦。

その学校の名は『国立アロディルデ学園』。

ロゼが一番最初に作った学校であろう場所らしい。

しかも、彼女が言うにはその学園には七不思議があり、

その七不思議すべてにロゼが作ったチート武器が関わっているのだとか。

そんでもって創らは、アロディルデ学園のパンフレットを見ることに。


パンフレットの内容は全カット。要約するとこんな感じ↓

==================================


 国立アロディルデ学園。


 アロディルデ王国地下の避難所を公共施設として改造され、

 魔術や勉学などあらゆる分野の人間を育て上げるために設立された学園……


 騎士や魔術師、商人や冒険者などを世間に送り続けている超名門校で、

 通えば、自分が唱えている夢をすべてかなえられてしまうなんて言われている。


==================================


まぁつまり、弾丸で論破する推理ゲームの登場する、

例の学校の入学制度無しバージョンみたいな感じだよ。

その推理ゲームの冒頭ナレーションも、大体こんなだった気がするし。


「私みたいな普通の奴が、こんなすごい学校でやってけるのか?」


脳内ナレーションの後の彼女のセリフも、これ↑ですし。


そんな(コロシアイが起こりそうな)学校へ行くために、

繁華街の路地のその奥に存在する、地下行きのエレベーターに彼女らはいた。

愁は創、ロゼと自分の入学届を持ち、エレベーターに乗り込もうとすると……


「うわぁぁっと! 待ってくださぁーい!」


突然、誰かがエレベーターへと駆け込んできた。

その誰かは、創と同じぐらいの身長をした少女であった。

頭にアホ毛が二本、短いエルフっぽい耳、前髪ピンクの横髪ホワイト。

赤い刺繡が入った巫女のような服を着てると思えば、

上半身より下はおどろおどろしい模様のスカートを履いていた。

先ほどの駆け込みで疲れたのか、膝に手をつき、ぜぇぜぇと息を吐いている。

創らは、そんな慌てんぼうな彼女と共にエレベーターに乗り、下へと参(まい)った。


「なぁあんた、見た感じ転移者じゃなさそうだが、どこから来たんだ?」


エレベーター乗車中、ロゼが彼女に訊く。

たしかに気になる。どうみても転移者っぽい見た目じゃないもの。

耳がエルフっぽいし、なんか巫女っぽいし、どこから来たんだろうね。


「え? 私転移者ですよ?」


ああ、きっと創が知ってる現世じゃないところから来た転移者だろうね。

え、そんなシステムあるの? 創が知らないだけかな?

めっちゃ彼女ビックリしてますけども。どこの世界の転移者?

何者かを聞こうとしたが、その時、エレベーターが学園があるB3Fに到着。

颯爽とそこからでて、目の前に見えるアロディルデ学園に走っていった。

その学園の見た目は……なんか、うん、城っぽい感じと思って。

アロディルデ王国に存在する学園は全て小中高一貫校らしいので、

その人数を集約できるほど大きい学園って考えてください。


そんな大きな学園を眺めていると、

ロゼはエレベーターパネルのボタンを連打。するとパネルがパカッと開き、

その中に近未来風のスナイパーライフルがあった。名称、『ドミちゃん』。


「うん、ドミちゃん。これで打たれたら相手は弾ける。物理的にな。

 チート武器ではないが、隠し武器ではあるもんで、一応回収だけ。」


物理的に相手が弾ける……、名前が『ドミちゃん』……

というかロゼ、なんでそんなサイコパスな武器を作ってんだよ。

それに隠し武器っていうけどそれも大概チートじゃないかい?


……それで、ドミちゃんはロゼのパラメータビジョンにしまわれて、

彼女らはアロディルデ学園へと向かい始めましたとさ。


そ、し、て、入学届を出した当日、入学式を教室にて放送で開催予定。

(創がなんですぐに入学式があるんですかと突っ込んでいたが、気にするな。)

その後、6席しかないただっぴろい教室『1-4』へ案内された創たち。

そういえば入学式の後って、簡易的な自己紹介するよねぇ、

なんていう会話をした後、創は『自己紹介』というワードを聞いて不安になる。

しかも謎に負の感情が襲ってきてるし……ああ、トラウマになってるのかい?

そんな創に、そっと愁が寄り添い、自分も自己紹介が苦手だと言った。

不安を和らげるために言った発言なのだろうが、

何時ぞやで創が聞いた愁の自己紹介は、苦手という話の割にはヤバかった。

だって、ねぇ? クラスを敵に回すような発言をしている割に真顔ですし。

その発言の後、生徒会長に推薦してくださいと言う。うーん苦手にしては……


そんな会話をしていると、彼女らがいる教室のドアが開き、

創、愁と同じような制服を着た短髪の少女が中へと入ってきた。

そして彼女の第一声、


「……愁様。」


様。さま? え、愁さん?


「愁様! やっとお会いすることができました!」


そう言って彼女は、嬉しそうに愁に近づいていった。

創と愁はその人物を知っているのか驚いていますが、

ロゼはなんのこっちゃさっぱりです。誰だお前は。


「……なんで私がここに居るって分かったんですか?」


「もちろん、愁様の考えていることを予測して、です。」


「……ストーカーなんてしてませんよね。」


「している訳がありません。なんせ、私はあなたの奴隷なのですから。」


奴隷、ねぇ。愁様? 彼女にいったい何してんですか。

少女の様子を見ていたロゼはヤバい人を見るような眼になっていた。

創はその様子を見て苦笑いし、ロゼの顔付近まで近づき、

こそこそと奴隷と言っている少女について話し始める。


「ロゼさん……あの人は愁ちゃんの生徒会の副会長なんです……」


「うん、何があったの。」


「あー……クラスが違ったり、生徒会に居なかったので、

 あんまり詳しいことは私もよく分からないんですけど……

 いろいろ、やっちゃいけないことをやったそうなんですよね……」


「ほんとに何があったんだ…… んで、アイツの名前は?」


「……村田 ヒビキさん……です……」


「ヒビキ、ねぇ……」


複雑な感情を抱きながら、ヒビキの方を見る。

見た目はとても可愛いのに、自分を奴隷と言い、愁を様づけ。

いやぁ、なんだろうね村田 ヒビキって。

興味を持った彼女はヒビキに接触。

自分の名を名乗り、ド直球に彼女の言動についてを聞いた。

だが、村田 ヒビキは優しい笑顔を向けるだけで口を開こうとはしなかった。


「……創さん、ロゼ、しばらくヒビキと話すことがあるので

 すこし席を外します。ちょっと待っていてください。」


そう言って愁はヒビキを連れて教室の外へ。


「あーうん、さすがに口を慎むべきだったかな。

 見た感じ、ふざけて奴隷とか言っている訳ではなさそうだし。」


「話を聞こうと思っても、なかなか話してくれないんですよね……

 愁ちゃんからは、ヒビキさんとはあまり関わらない方がいいとか、

 普通にいい子だからそっとしておいてほしいとか言われてますが……」


「うん、あいつが自分から話すまでそっとしておこう。

 ヒビキはこの教室のクラスメイトみたいだからなぁ……」


「え!? そ、そうなんですか!?」


創がヒビキについて話している時に、

『愁様と同じクラスになりました。』とか言ってたそうな。

そしてその後。またまた教室のドアが開き、

今度はエレベーターで出会ったアホ毛の少女が入ってきた。半泣きで。

すぐさま席に座り、机にうずくまってギャン泣きし始めた。

話しかけても泣き続ける彼女。するとロゼは創の肩をポンっと叩き、


「さっき案内の人から聞いたんだが、そいつ、神堕 聖だぞ。」


「……はい!?」


え、このアホ毛の奴、神堕 聖なの?

たしかにまぁ、アホ毛といい、ピンク髪、似て通ずるところはあるけど……


「……あーあ、自己紹介の時にビックリさせようと思ったんだけどな~」

「そうですとも、GWEを生み出し、ニ(・)ャ(・)ル(・)ラ(・)ト(・)ホ(・)テ(・)プ(・)の力を持った、

 さいっきょうの天才美少女、神堕 聖ちゃんですっ!」


はぁ……って待てい、にゃ、ニャルラトホテプ? クトゥグアじゃなくて?

青い炎のやつがクトゥグア。マグロくってたのがニャルラトホテプ。

図書館で青い太陽に突っ込んだ後、

「ふふふ~ん♪ くとぅぐぁこーりん!」なんて言ってたし、

名前を間違えている訳じゃなさそうだけど……?

創とロゼはそれを聞いても特に驚く様子無し……え、どゆこと?

しかもそのまま話が進む。え、図書館の修復代を払ったことに対して泣いてるの?

……とりあえず、ニャルラトホテプ、クトゥグア案件は保留で。

何か裏がありそうですし。

そーいえば神堕 聖、エレベーターで転移者って言ってましたけど、

創もその事はちゃんと聞いていたんだけれども、

ロゼに「そーいや創、自己紹介の分は考えたのかー?」なんて言われて、

机にうずくまって聞く機会、転移者って言ってたことを忘れちゃいました。

いやぁ、トラウマってのは恐ろしいよね。軽くフラッシュバックするし。

んで、結局話題は行方不明になりましたっと。

神堕 聖にとってそれは都合のいいことなのか。

ロゼは無意識に創のトラウマをえぐってしまったのか。

いろいろ謎のまま、話は進んでいってしまいます……



数分後、予定通り入学式の放送が流れる。

なお、普通の学校の入学式で話す内容とほぼ同じなのでカット。

ただのびのびと学んでほしいというメッセージが込められていただけです。


廊下から、手に持っている杖を振り回し、マントをばっさぁとし、

チアガールっぽい服装する猫耳教師のスペルさんが教室に入ってきました。

そこで彼女が見たのは!

四つん這いになっている笑顔のロゼ!

そしてその上で足組して座る村田 ヒビキ!

はぁ……私、学校でこう言う光景ばっか見てました。

なんで人って人の背中に乗りたがるんでしょうね。すがりたいのかな。

……まぁ、どうでもいいですよね。はい、ヒビキはロゼの上に座ってました。

神堕 愁曰く、ヒビキとロゼでスピード勝負した結果、ロゼが敗北し、

勝負の条件である、勝ったらなんでも言う事を聞くという盟約のより、

ロゼは『永久に愁の言う事を聞く』という命令を下されました。

そしてロゼは自分からこの状況を望み、愁に命令を下せた結果、これ。

愁とヒビキは何にも悪くない。ただロゼがドMなだけ。

スペルが席に着くよう指示するとすぐさま彼女らは席に座る。

6席しかない教室に一つだけの空席。というのも、

転移者にパンフレットが広まっておらず、入学希望者が少なかったらしい。

そんでもって教室に空きが生じることに。

そしてスペルは改めて自己紹介。


「どうも、1-4の担任を務めさせてもらう、スペルと申します。

 ……とりあえず、その、気楽にやっていきます。いろいろ気まずいので。」


「ま、気まずかろうて。なんせどこぞの神、ゼロスとそっくりだもんで。

 神の前じゃ、いつものかっこいいセリフも言えねぇってねぇ。

 ほんとに最凶なんです? 神をも恐れる存在を目指すつもりはないのかい?」


煽るロゼ。だってスペルの事を知ってるんだもの。

いつも通り、平常運転のスペルが見たいからこそ、煽った。

そしてその結果。


「我が名はスペル!

 七騎士最凶の魔法使いであり、この世界すべての魔法を統べる者!

 そして! この1-4教室の担任であり、いずれこの学園の校長となる者!」


最近の魔法使いのイメージって……、

赤い目をして、魔女ハット被った……、中二病の子? ああ、め〇みん。

いつぞやの騎士制作の時の、創の思想が……それだったんだよね。

その結果、こんなセリフを吐くようなキャラになってしまっていたのであった。


……一方そのころ校長室。

校長は異世界転移者の入学届を見ていると、ある人物に目を置く。

それは神の化身として存在しているロゼではなく、

前世で生徒会長であった神堕 愁でもなく、

ましては邪神の力を持つ神堕 聖ではなく、村田 ヒビキであった。

彼女は、前世であらゆる国家試験に合格しているようで、

しかもスポーツ面においても抜群に優れているんだとか。

(※村田 ヒビキが自分で記入しています。)

さすがに怪しいと思った学園側は、

超難問テストとスポーツテストを彼女に仕掛ける。


……そして、超難問テストでは満点、

スポーツテストでは異常な身体能力を見せつけられ、学園側は頭を抱えた。


ここで謎の急展開……、

学園生活の始業と共に、一変して学園は地獄と化す。


創は頭を抱えながらベットから起き上がる。

一体何があったのだろうか。彼女が辺りを見回すとそこは保健室。

横には軍人が被ってそうなヘルメットを装着しているロゼと、

もう一つのベットでよだれを垂らして寝ている神堕 聖がいた。

なんで自分は保健室にいるのか。

記憶をたどると、自分が自己紹介をするときに倒れてしまったことを思い出す。

それで誰かが保健室に自分を運んでくれたのだろう、そう理解する。

するとロゼは、創に拳銃を手渡してきた……? 拳銃?


「え……なんですこれ……?」


「ゾ(・)ン(・)ビ(・)から身を守るための定番アイテムだが?

 それとも使い方が分からない? そこの引き金を引くだけだよ?」


ンンンン、ゾンビィ……? 彼女は保健室の窓の外を見る。

保健室は地上からだいぶ離れた階にあるようですね。

この学園に迫ってきていた人間達がゾンビに見えました。


「だから、ゾンビだっつぅの。

 私らはあのゾンビに囲まれてどうしようもないんだよ。」


一体なにがあったんだろう、と思う創。

すると、壁に設置されたスピーカーから放送が流れる……。


〈「あー、あー、聞こえてますかー、アロディルデ学園の生徒諸君。

  ゾンビたちがあと少しぐらいで校門のバリケードぶっ壊しそうだよー。

  今ちょっとしか入っていないけど、壊されたらドバァと入ってくるから、

  早く学園の中に設置したテレポーターで脱出して頂戴な。

  脱出できないと……お察しの通りだね。

  噛まれたり感染した生徒は十分の四、脱出生徒は十分の二ぐらい。

  後の十分の四の方々~、がぁんばってくださいね~          」〉


「な、なんですか今の放送……」


「さぁね……10分ごとに流れてるわけわかんない放送だよ……

 とりあえず言えることは我々ピンチってことぐらいです……」


普通にピンチだった。放送を流している首謀者のせいか、

魔法が使用不可能に、また、パラメータビジョンが封印されている模様。

こんな状況でじっとはしてられなかった彼女らは、

スペル、村田 ヒビキ、神堕 愁がテレポートを探しに学園を。

ロゼ、神堕 聖が保健室で斉藤 創の起床を待つグループに分かれたんだとか。

創はそれを聞いて神堕 愁の事を心配に思う。

動こうにもゾンビがいるかもしれないから下手に動けない。

でも愁ちゃんが心配。もしゾンビに襲われていたらどうしよう。

愁ちゃんのところに行きたいけどゾンビが怖い。

愁ちゃんが、ゾンビがと、彼女の頭の中で考えが循環する。

すると創は、手に持っていた拳銃を見てある疑問を抱える。

というか渡された時に感じないといけない事だった。


「そういえばロゼさん、この銃ってどこにあったんですか?」


そういうとすぐさまロゼは、


「朝のエレベーターみたく、隠し場所からとったやつ。

 拳銃3本セットは消火栓の中の扉の中に。

 このヘルメットは、なんか近場にあったから被ってるだけ。」


拳銃を隠す学園って何。あと何を想定して学園に隠したよロゼさん。


「あの……そう言う武器、ここらへんにいくつあるんですか……?」


「いっぱい。」


「いっぱい……」


ホントにピンチなんですかね。拳銃とかその辺に隠されているって。

さっきもスナイパーライフル回収してましたし、ロケットランチャーとかさ……


と、スペルの方を見てみれば、

彼女はガトリング砲を手に持ちゾンビを一掃しておりました。

魔法が得意と言ってた彼女は今、現代武器で無双状態であった。

愁はサブマシンガン、ヒビキは拳銃を持っております。

なお、彼女らは学園を探索してすぐにテレポーターを発見済みである。

そしてこんな状況の中で、彼女らは『ある物』を取りに行くため移動中であった。

展開が早すぎる気がするけれど、純粋に彼女らが強いだけです。

判断力にしろ、必中力にしろ、俊敏さとか含めて。


……ちょーっと時間を巻き戻し、ゾンビ襲撃前、異端世界秩序では。

助手は激辛カレーを食べながら、モニター室で創らを見守っていた。

少しすると、その部屋にネオが入ってきた。


「やぁ助手、お疲れさん。創の調子はどう?」


「あー……別人格の影響で倒れちゃってますけど大丈夫みたいですね。」


別人格って……創Aとか、創Gとかの事かな?

というか、自己紹介がトラウマすぎて倒れたっていうわけじゃないのかな?

するとネオは、ロゼが居ないからと言ってある質問を彼女に投げかける。


「にしても、なんで創の中に七つも人格があるんだ?

 ある事は知ってるんだが理由は分かんねぇんだよ。教えてくれよ助手えもん。」


「言えません! ほんとの事でも嘘でも創さんに言っちゃうのが怖いので!」


はい、助手は創の人格について何か知っているみたいですね。

しかし頑なに言おうとしない彼女。ネオはひたすら追求する。


「ええ~? 別にロゼ今いねぇだろ~?

 チョーっとぐらいヒントくれたっていいじゃんか~」


「いるさ、ここにひとりな。」


なんかロゼが居た。

すこし不機嫌な顔をしてバールXを持って部屋に入る彼女。


「なっ、は!? おま、学校に行ったんじゃ……」


「行ったね。もう一人の私が。」


「クローンボディでもう一人作ったのか!?」


「そりゃ作るとも。三人いれば文殊の知恵ならぬ、百人いれば文殊の知恵だ。

 この世界にいっぱいロゼ居るから気を付けた方がいいよ。」


そう言われ、ネオは何とも言えない顔で助手の顔を見る。

彼女は『私に言われても』と言わんとばかりの言動を見せた。

めっちゃいっぱいいるって……大丈夫なんですかね。

もう一人のロゼはモニター室の椅子に座り、キーボードを触り始める。


「さ、始めましょうか。別世界の存在vsこの世界、

 ジャンル固定vsなんでもありなこの世界の戦いをなぁ……?」


決意に満ちた笑みで助手の隣に座り、

全モニターをアロディルデ学園の映像に切り替える。

いや待ていぃ。お前は何を言っているんだ。


「今回の対戦相手はゾンビ使いの神堕ですね。

 初戦で負けちゃどうしようもないけど安全運転で行きましょうね~」


襲撃前になんで神堕が来ることを知っているんです?

というか唐突に変なことを言い始めるロゼに、ネオは説明を求める。


「~単純に言えば裏切り者の排除のため神堕が動き始めたってことだ。」

「~裏切り者っていうのは言わずもがな、神堕 聖の事だ。

 本人曰くマジで他の神堕から逃げてるらしいからな。」


助手もその話は初めて知ったのか、驚く様子を見せる。

すると、急にモニター室の映像がプツンと途切れ、砂嵐が。

そして。


ピンポンパーンポーン♪


〈「あーあー、聞こえてるかなロゼとか言うわけわかんないの。

  そっちの声とか姿とか全く分かんないけどさ、

  私が今からやろうとしていることぐらいわかるよねぇ。」〉


少しノイズの混ざった女性の声が、モニター室に響く。


〈「私の世界にいるゾンビたちをアロディルデ学園に放った。

  言っとくけどゾンビを殺そうとしようとも無駄だからね?

  私が持っているGWEで世界のルールを学園の部分だけ書き換えまーした!

  魔法やパラメータビジョンだっけ? とか使えなくしたから。

  目標が達成出来次第解除する予定だからしばらくお待ちを~

  ちなみに、私が目的を達成することによっ……ザザー……

  …………をしは………全員ぞん…………(プツン)      」〉


「やっべ、目的達成次第世界を征服できるってよ。」


最後のノイズの部分を聞き取れた?

あーうん、君たちじゃ無理だよね。私が言うよ。みたいなノリで言いやがる。

何だお前は。ふざけとんのか。ネオと助手、おめぇを見て絶句してんだけど。

それに全員ゾンビにする訳はなんなのか。

目的を達成=神堕 聖を排除すれば世界を征服? 

頭がこんがらがる彼女らであった。


はい、創の視点に戻りまーす。

この四章時系列とんでもないからね。なんか雑になったらすまない。

創とロゼが今の状況についてを話していると、

保健室の扉から、全身に包帯を巻いた少女が入ってきた。

彼女の名前は『神堕 双』、本人が言うにはゾンビ騒動の主犯らしい。


……? はぁ?


彼女はそっから自分の状況をベラベラと早口で語り始めました。

創に対してはちょっと優しく、ロゼに対してはやけに辛辣に。

こいつは神堕 聖を抹殺しようとこの世界に来たんだってさ。

なんの因縁で抹殺しようとしているか妙に言おうとしなかったけれど。

あと、学園に複数台設置されたテレポーターで脱出した人は全員、

『神堕 双』の世界に行かされているらしい。

ゾンビはゾンビで繁栄させといて、人間は人間で繁栄させたい。

そんな思惑を持った彼女であったのだが。

誰かに主導権を取られ、自分のGWEをどっかになくしてしまう。

他の神堕と連絡を取っていたそうだが、急に音信不通になったそうな。

ゾンビ達も言う事を聞いてくれなくなってしまったので、

仕方がなく、抹殺対象であった彼女に救いを求めに来たんだとか。


創が彼女の言っていることがよく分かりませんでした。

一方、ロゼは言っていることを理解して拳銃を彼女に向けていましたが。

まぁ、神堕 双はゾンビと同じく不死身というので、

銃の弾がもったいないからか彼女は銃口を降ろしちゃったんですけどね。


なんか分からんけどベラベラ喋るからこんなことを聞いたろう。

そんなことを思った創は彼女にこんなことを聞く。


「あの……神堕 愁さん、って何者なんですか……?」


教室で自己紹介をする前に神堕 聖に、親友の方の愁について言うと、

彼女曰く、創の親友である愁と、世界を融合した愁、

それぞれ別人と言っていたらしい。姿も何もかも違うと言っていた彼女だが、

具体的な姿や言動を口にはしなかった。いや言ってやれよ。

? 結構重要そうな情報なのに、なんでそのシーン、カットされてるの……?

なんであれ、別人であれば何者か。神堕の人が何か知っているのではないか。

そういう意図で彼女はそう質問したのであったが。


「へ? 誰? 神堕家にそんな子いたっけ?」


その言葉で創は少しの間、思考停止フリーズした。

なぜかその時、ロゼは指をさしながらゲラ笑いをし始めた。

そして彼女はこう言う。


「補足だ創ぇ!! こいつ曰く、一部の神堕のやつしか、

 神堕 愁という存在は知らないらしいと言っていたゾ!

 とぼけているっていう可能性があるかもしれんが、

 神堕の中に知らない奴がいるということは事実らしい!」


ソンナコトイッテタッケ。

……というのも、この情報は創の記憶から抹消されている。

その事実はロゼの思考が言っていた。というかロゼが抹消しました。

神堕 聖の話が城の医務室で言った内容かは謎。そもそもの話の真偽は不明。

ロゼは重点的に神堕に関しての記憶をいじっているようだ。


神堕 双は愁についての話を初めて知ったのか驚く様子を見せる。

そのとき、保健室のドアが勢いよく開く。

そこにいたのは大きなカバンと、赤いカバンを持った神堕 愁が。


「あ、愁ちゃん!! 大丈夫ですか!?」


その発言と共に、神堕 双は瞬時に神堕 聖と添い寝。

愁はひとまず見知らぬ人は置いておき、現状の報告をする。

テレポーターを発見したことを報告し、ロゼを煽る()

ヒビキとスペルは学園中からかき集めた武器を持ち、

昇降口にて大量のゾンビ達を防いでいる模様。

彼女らがかき集めた武器は大きなカバンに入っている。

簡単にかき集めれる拳銃やガトリングとは()

さすがに重火器だけじゃ歯が立たないので、スペルが頑張って回収した

七不思議の根本であるチート武器の内、三つを持っていったそうだ。

残り4つの七不思議のチート武器は愁が持つ赤いカバンに入っている。

ロゼと武器の確認をするために、愁はバックの中の中身を取り出す。


……というわけで、七不思議のチート武器を一部を紹介します。


・幽霊少女の忘れ物 

 見た目:古い黒色の財布

 →能力はドラ〇もんのとりよ〇バッグと同じ。


・魔法使いのシンデレラ

 見た目:杖の先端にガラス細工がくっついている

 機能不明。


・帰宅部専用超動運動靴

 見た目:炎の柄が付いた運動靴

 足が速くなるようだが、条件など具体的な内容は不明。


今のところはこの三つだけ使うので、他は省略。

七不思議の名前そのものが武器の名前になっている。

内容は語られなかったけれど、後述、ちょっと公開します。

確認し終わった彼女らは、保健室にあった救急キッドをカバンに詰め込み、

愁は大きなカバンを勢いよく背中に背負った。

このとき創はツッコむ。


「なんでみんなして銃とかの扱い慣れてるんですか……」


不慣れなものを軽く扱うって、普通はすごいことなんだけどね。

創は魔法とかでテストはしてたけど、彼女らは……?

……そして、彼女はベットに寝ている包帯の女の子の話題をあげる。

創にその子の事を聞かれ、ロゼに彼女のことを言っていいかをアイコンタクト。

するとロゼは、創の耳元まで近づいて、


「神堕 聖の妹、って言ってくれ。

 その後は私がうまい具合に合わせる。後で双には事情は伝えるから。」


そう言われてすぐさま創は愁に、「聖ちゃんの妹ですね。」そう言った。

そしてロゼはすぐさま、


「さぁな。聖に会ってから寝たっきりだから詳しいことは知らん。~」


そう言って、とりあえず『妹』という情報しかしらない立場になる。

すると神堕 双は寝返りを打ち、愁から見えないようにロゼに近寄らせる。

そして彼女に聞こえないよう、こそこそと話をする。


「妹ではあるが、勝手なことを言うのは止めてくれよ?」


妹なの。へぇ、神堕 聖の妹。

え、君、自分の家族を抹殺しようとしてたのかい?


「ま、しばらくは聖ちゃん大好きっこの可愛い妹を演じててくれ。」


それを聞いた神堕 双は起き上がり、眼をこすって周りを見回す。

愁を見たと思ったら、急に恥ずかしそうな顔をして布団に潜り込んだ。


「あ”あ”~かわいっ。私もこんな妹が欲しかったよ。

 ほら、起きろ聖、妹ちゃんが横にいるぞ。んで、もう学校から出るぞ。」


そう言いながら神堕 聖の肩を揺らしていると、

急に眼をカッ開け、勢いよく起き上がる。


「それじゃ、早くこんなところから逃げましょう!

 あ、双ちゃん!? え、なんでついて来てるんです!?」


(はっはーん、さてはこいつ話聞いてたな。)


そしてロゼは、神堕って不思議な奴だなと、改めてそう思った。



創ら、愁が発見したテレポーターへ移動……


「さて、特にどうということなくテレポーターにたどり着いたわけだが。」


「あとは、ヒビキさんとスペルさんを待つだけですね。」


彼女らがいるのは理科室。

教壇の上に近未来的なテレポーターらしき装置があるが、

ひとまず彼女らは理科室の丸椅子に座って、ひと息ついていた。

聖と双は近くにあった薬品棚を見てワイワイとしながら座っている。


(黒幕の妹とアホの姉が、危険な薬品を見て笑ってるよ”……)


目をピクピクさせながら、ロゼはその様子を見ていた。

すると彼女は、急に椅子から立ち上がり、あらぬ方向を向いてきょとんとする。


「どうしたんですか……?」


「どうしたって? あっ、これ勝ったな。って思った。」


ニコニコとした笑顔になり、彼女は理科室の窓に近づいていった。

窓に手を添え、外を見ながら創たちに窓の付近に来るように手を仰ぐ。

創は愁と顔を合わせ、頷き、窓の近くに寄る。


その際、どこかでズゥーンという鈍い音が聞こえてきた。

音は少しずつ大きくなっている。なんの音なのだろう、

愁に聞こうと思ったら、気付けば彼女は窓の付近に立って外を見ていた。

不安になりながらも、創は愁に近づいて音について訊こうとする。


「愁ちゃん、なんか、音が……」


そう話しかけようとした時、

なり続けている音が地響きになって、創の不安を煽る。


「君のその疑問は外を見れば解決するだろう。ほら、外見てごらん?」


やけに楽しそうなロゼにそう言われ、恐る恐る窓の外を見てみる。

ゾンビの群れが辺りを徘徊しているが、それ以外は何も____


ズゥ”ゥ”ゥ”ゥ”ン”!!!!


地響きがさらに大きくなり、足が震えて後ろに転びそうになったが、

愁が手を引っ張ってくれたおかげで、何とか転ばずには済んだ。

その横にいたロゼは揺れでそのまま後ろに倒れてしまったようだが。


「あ、すいません、てっきりあなたなら自力で何とかなると思ってました。」


「絶対思ってねぇよなぁ? 顔で分かるわ。」


転んでいるキレそうなロゼを見ていた彼女は、

ロゼの言う顔を見ようと愁を見ようとする、が。

その顔を見る前に、ある光景が目に入る。


「な、なんですかアレ……?」


倒れそうな姿勢から見えた、造り物の青い空。

とある物を除けばとてもきれいで、いつも見ているような空と変わらない。

違和感もない、何気ない景色に混じったソレは、意味が分からなかった。

ロゼの言動から、アレはロゼの物なんだろうとは思ったものの、訳が分からない。

そう思いながら、自分の姿勢を戻し、両手で窓に触れながらソレを見る。


「い、イカ……?」


なんか、空の裂け目からイカっぽい宇宙船っぽい何かが飛び出てた。

かなりでかいし、すごい白い。そしてめっちゃテカテカしてる。


「いやぁ、どうよアレ。地上も走れる、海も潜れるし空も飛べる。

 あと、驚きの衝撃的事実をお伝えしよう。君らはアレに乗ったことがある。」


「すいませんロゼ。なんとなく言いたいことは分かったんですけど、

 こんなところで出しちゃっていいんですか?

 ああいうのって惑星脱出とかそう言う規模のやつですよね、アレ。」


愁がイカ宇宙船を指差しそう言う。


「知らん、私が出したわけじゃないんだ。詳しいことは私2号に聞いてくれ。」


(二号どころか百号ぐらいいそうなんですけど。)

そう言いながらロゼは薬品棚の方を見る。

彼女らも同じくアレを見ていた。とても楽しそうに。

創は再びイカっぽい何かを見つめ、呆然とそれを見る。


「あの、ロゼさん、なんなんですかアレ……」


「ん? ああ、コテージ地下の『異端世界秩序本部』そのもの。」


それを聞いて創はキョトンとしながらもう一度ソレを見る。

なんというか、なんだろうアレ。

ロゼが作る物はどれも訳が分からない物ばかり、改めてそう思った。


一方そのころ、理科室とは真逆の方にいる彼女ら。

猫(少女)を抱え全力疾走。

七不思議のチート武器(道具じゃない?)の一つ、

『帰宅部専用超動運動靴』で廊下を駆け抜け、ひたすらに走り続けている。

少女が抱える猫が大事そうに持っているのは魔法が使え『た』杖二本。

一本は、杖の支柱にガムテープがめちゃくちゃに巻き付けられており、

一本は、先っぽのガラス細工が割れ、とがっていてかなり危ない。


スペルは遠い目をしながら走りながら追いかけてきているゾンビたちを見る。

緑や青、赤い者や黒いゾンビがいてやけにカラフルだった。

しかも武器を持っている。ほっそい棒とか謎の野菜とか。

そんなものよりもあんたらの爪とか牙の方が強いのに、はは。

そんな事を思いながら少女の顔を見ると、

彼女は疲れの表情も何も感じない、さっきからずっと真顔のままであった。

昇降口で『魔法使いのシンデレラ』を割って、

さらには、自分の持っていた杖をゾンビに折られたというのに、真顔。

最後にかけられた言葉は「行きますよ。」だけで、何もしゃべらない。

おまけに放った言葉の返事すら返してこない。

そんな顔色一つ変えず無言で走っている少女を見ていると、

猫耳がしょげ、とても寂しそうな顔になっていく猫のスペルであった。


彼女らにもズゥ”ゥ”ンという地響きは聞こえていた。

そこから一定のペースで小さい地響きが聞こえてくる。

すると、村田 ヒビキは急に教室へと方向転換し、ドアを蹴り飛して中に入る。

蹴り飛ばしたドアは外の窓にぶつかり、大きな音を立ててガラスが割れる。

スペルは急に少女が起こしたその行動に驚き、耳を立て混乱する。

そしてスペルを床に降し、ハンドガンを懐から取り出した。

外を覗き、すぐさま空にある『ソレ』に向けて引き金を引く。

撃った理由は分からない、なんで彼女がここに来たのかもわからない。だが、

一体どこに撃ったのか、それは混乱していたスペルでも一瞬で分かった。


ゾンビが教室に入ってくる寸前、

『ソレ』から伸びてきた触手っぽいなにかに吸い込まれた。


イカっぽい宇宙船こと『異端世界秩序』にて。


彼女たちは、急にイカから伸びてきた触手に吸い込まれ、

『syokusyu01』と書かれた部屋に排出されていた。


「う、うう……生臭いよぉ……」


女の子座りをしながら、ヌメヌメしている神堕 聖が半泣きでそう言う。

触手は変にヌメッとしてたし、臭いも海鮮系のソレだったし。

なんかもう、すんごい。創らも同様にヌメヌメしていた。


ヌメェッとした床で寝転びながらそんな会話をする彼女たち。

ゾンビへの恐怖、なんでこうなったかの理由を考える思考力、

立ち上がる気力とか感情とか、ヌメりと臭さでいろいろ消しとんでいた。

しかも床は地味に暖かく、コタツ理論で完全に脱力状態なのである。

そんな中、神堕 双は彼女らの様子を見ながら立ち尽くしていた。

視線に気づいた創は顔を上げて彼女の方を見る。


どこか切なそうな、寂しそうな、やるせない表情が伺える。

まぁ、ヌメヌメとか臭いとかが嫌なんでしょうね。

創はそう思いながら再び床に顔をつけ、床の温もりに浸ろうとしたその時、


部屋のドアがスライドし、ネオがしかめっ面をしながら入ってきた。


「お、お前らなぁ……」


「あ、ねぇちゃん、にゃーっす。」


ロゼは寝転び、溶けた顔をネオに向けながら手を振る。


「にゃーっすじゃねぇよ! なんで神堕以外のメンツ溶けてんだ!」


「溶けてると言うか、ああ、まぁ溶けてますか。」


「いやぁ……なんかなんか変に心地よくって……」


うつ伏せになりながら、2人はそう答える。


「うーん……まぁいいんだけどさ……

 とりあえず、出てもらっていいかい?」


そういいながら、だらけている彼女らを起こし、

強引に部屋の外へと連れ出していった。そして風呂に押し込んだ。

創、愁、ロゼの風呂シーンはありませんが、聖と双のシーンはあります。

風呂に入るにあたり、双は包帯を外して浴槽に浸かっている。

彼女の顔を分けるかのように縫い目があり、片方は褐色になっている。

また、片方の生き生きとした目とは逆に、死んだ人間のような眼をしていた。

ふと彼女は浴槽の湯を手ですくう。 肌色の右手と、褐色の左手で。

何を思っているのか、彼女はすこし切なそうにしていた。

そして彼女は聖の方は向かずに、ある疑問を投げつける。


「……私を平然と受け入れたのは、何か理由があるのか?」


「私を同じような立場に立っちゃったからって言う理由だよ~」


やけにとろけた口調で言いながら、浴槽に首まで沈む彼女。


「どう言う意味だそれ。」


「他の神堕との連絡も途絶えて、

 自分の世界の人等に見捨てられたでしょ?

 まぁ、私は見捨てられたっていうか、

 一瞬忘れ去られてたって感じだけどね~

 今となっては、別の子があの世界の神として役割を果たしているよ。

 あそこで神として居たいとは思ったけど、また別にやることがあるからね。」


あの世界って……創たちの真下にある海の世界ですかね……?

そしてその別の子って……姫路? なのかな……?


「……なんで私は見捨てられたんだ?」


「そうだなぁ、詳しいことはきっとロゼが知ってるよ(棒)

 知ってはいるけど、話し始めれば長くなっちゃうのです。

 こんなところでそんな話してたらのぼせちゃうよ……」


いろいろと根に抱えながら、彼女はゆっくりと浴槽の段差に座る。

そして、彼女は聖に『ロゼに訊く必要のない質問』をした。


「なんで創と一緒にいるの?」


そう言うと彼女は上を向きながら、「なんとなーく、でぇす」と呟いた。


「……ま、そりゃそう答えるよね。

 聖が隠し事をするときのしぐさがそれだもの。」


皮肉っぽくそう言う彼女。

すると聖は手で水鉄砲を作り彼女に水を飛ばしてきた。

それにビックリして、彼女は水しぶきをあげながら横に倒れた。


「確かに創に関して隠し事をしているです。ただ言えることは、

 あんまり首を突っ込まない方がいいってことぐらいだけですです。」


らしい。神堕 聖は何か理由があって創の近くにいるみたい。

でも……その理由ってなに。創は何か特別な存在か何かなの?


……そんでもって創ら、お風呂あがってネオの案内に従い、

異端世界秩序にいた方のロゼに話を聞くため、操縦室へと歩いていた。

創とロゼは風呂で見た愁の胸の事に関して話題をあげていた。

ちなみに二人はBカップ。愁はDです。そら言いたくもなるわ。


すると、ネオが彼女らに向けて不安そうに言う。


「……ああ、うん、やけに落ち着いてるね君ら。」


さすがにゾンビに襲われて落ち着きすぎである。

全身震えるレベルで怖い経験だよ。特に愁さん。怖いの大丈夫ですか?


「そういえば、やけに冷静ですね私……」


(実際訳が分かりません。

 ゾンビにも出くわしたというのに、あれだけのゾンビの数を見たというのに、

 あれだけのことがあって、焦ったことが創さんの心配だけ?

 ゾンビの恐怖よりも創さんを思う気持ちの方が強かったと?

 ふっ、当たり前ですねそんな事。)


「ゾンビなどおそるるに足りません。というかそもそも、

 異世界の生物に対する心構えができていましたし。」


あれだ、ゾンビの見過ぎで頭がおかしくなったんだろう。

今の彼女は正常とは言えなさそうだね。分かんないけど。

そんなやり取りをしていると、やけに重厚感のある扉の前で立ち止まるネオ。

どうやらこの奥に、彼女が案内していた操縦室があるらしい。

その扉の横のタッチパネルふれ、室内に入ればそこはまるで宇宙戦艦ヤ〇ト。

というのも色が違うだけではあるのだが。

全体的に白く、水色のラインが入っていたりと独自のアレンジが加わっているが、

ヤ〇トの内装を知っていれば『これじゃん』といえるほど、まんまだった。


「私の趣味だ、いいだろう?」


艦長席に座っていたもう一人のロゼ。

彼女はいかにもそれっぽい服を着て渋い顔をしていた。

そして愁は、もう一人のロゼに聞いた。

ゾンビを学校に放った黒幕はいったい誰なのだと。

すると操縦室のモニターをいじり、ある映像を映す。


「いやぁ、なんかイケメンがいますなぁ。」


画面に映るは教師のような姿を装った、イケメンな男性。

彼は緑色のGWEを握りしめ、放送室のモニターをじっとみていた。


「あれが、ゾンビ騒動を引き起こした黒幕ですか……」


創が声を震わせてつぶやいたその言葉と、

イケメンの男性が映っているその映像を見て、愁は頭に疑問が浮かべた。


「放送で流れていた声の主は、あの人なのでしょうか……?」


学校で黒幕気取りで流れてた放送は女の声であった。

明らかにイメージと違う。見かけによらずに彼の声は女性に近いのだろうか。

それとも他に女性の共犯者がいるという事なのだろうか。

いろいろ考えていると、創と一緒にいたロゼが喋る。


「たしかに、あいつがあの可愛い声を発せられるとは思えない。

 ほんとにそいつが黒幕なのか? それとも変装してたりしてるからか?」


もう一人のロゼはそれを聞いてニヤッとして、


「あれが黒幕って誰が言ったよ。私はモニターを映しただけだよ?」


こっちもなかなかクソ野郎でした。

そしてもう一人の自分にキレる彼女である。これがお前やぞロゼ。

愁は少しだけムッとし、きちんと話してほしいという顔を作り出す。


「……で、黒幕は誰なんです? 焦らさないで早く教えてください。」


「えぇ? 神堕 双だけど?」


「そうなんですか? ……え?」


冗談話を聞き流すかのような声でそう言ったが、

そのすぐあと、変な言葉が聞こえてきて一瞬固まった。

か、神堕 双が……黒幕? どうゆうことです?


「ま、正確には彼女が持っていたGWEの人格によるものなんだけどね。

 もともと彼女は、自分で作ったゾンビまみれの世界にいたらしい。

 だがある日、唐突に自分が自分でなくなったように思えた。

 そして、気づけばもう一人の自分があの惨状を引き起こしていた、そうだね?」


もう一人のロゼが優しい表情で操縦室の扉の方に体を傾ける。

そこには、ふにゃぁとした顔の神堕 聖と、

恥ずかしそうにして彼女の後ろから神堕 双が覗いていた。

そして双は悲しそうに こくん と頷いた。

すると神堕 聖はへにゃりながら口を開く。


「にゃ~お風呂ありがとうねぇ~

 あと、その考えは正解ですよロゼ。

 私が作ったGWEのせいであんなことが起きたんですよ~」


状況が分からず混乱していた創は、隣にいたロゼに小声で助けを求める。


「もう一人の双ちゃんがゾンビ騒動を引き起こしたってことだ。

 ここにいる本来の双ちゃんと、GWE人格の双ちゃんが混ざったせいで、

 身体がGWEの人格に乗っ取られていろいろやらかしちゃったってわけ。」


「え、じゃぁさっきまで私たちに接していたのは……」


「うーん、GWEの人格の方かなぁー(棒)」


遠くへ離れ、こそこそ話をしていると、

画面に映っていたイケメンの男性が移動を開始し始めた。

そのことを言おうと思ったその時、愁が神堕 聖にこんなことを聞く。


「単刀直入に聞きます。GWEとはいったい何なのですか。」


創とロゼはその言葉を聞いて彼女の方を見てポカーンと口を開ける。

急に話題を変えてきやがった、もうゾンビ案件はいいんですか、

たしかに聞いてもいいかもしれないけどと、頭の中で回っていたが、

二人はこうも思った。止めても聞き続けるんだろうと。


「わぁ……うん、やっぱり面白い人だよね、君って。」


神堕 聖も若干引いていた。

こんなタイミングで入れる話じゃないけど!?

でも、ちょっと面白いから付き合ってあげようかな。

それより、ちょっと後ろのアレが気になって仕方がないんですけど。

そんなことを思いながら。


「えー、オホン。GWEとはゲネシスワールドエディターの略ですね。

 本物の神の力を元に製造された誰でも異世界創造マシンです。

 他の世界へ飛べるパスポートでもありますです。すごいでしょ。」


楽しそうに彼女はそう言う。


「え、ロゼさん、いま本物の神の力って……」


「言ったね。神堕の字のごとく神を堕として作ったんかね。」


こそこそ話している彼女らを見る真顔のもう一人のロゼ。

ポケットに入れていた『幽霊少女の忘れ物』を取り出して、中を漁り始めた。


「GWEを統括していた私であったが、

 神堕 愁と名乗る人物に主導権をとられてしまったのであった。

 なんか世界が融合して、持ってた人の人格が変になったり、

 神堕家そのものも危うい状況となってもう、わけが分からないよ。」


「こっちがわけわかんねぇんだけどなぁ? ん?」


ロゼはキレそうな顔で神堕 聖を睨み、創は不安そうな顔で彼女に問う。


「危うい状況って、何ですか……?」


すると神堕 聖は謎にあざとく、こう言う。


「神の力が失われてって取り返しがつかなくなりゅ。」


「は、はい……?」


「GWEを作るにあたっての神の力が失ってって、

 最終的に取り返しのつかないことになってしまうんですぅ。」


「取り返しのつかない事って……」


そして今度は、にこやかな顔をしてこう言う。


「すべての世界の終わりですね。

 GWEの世界とか現世とかその他の世界とか何もかも吹っ飛んじゃいます。」


「はぁ!?」


「……ど、どういうことですか!?」


二人は思いっきり動揺と言える言動を取る。

そりゃ急に世界滅亡の話ぶっ困れたら……ねぇ?


「……そうですか、ありがとうございます。」


愁は少し考えるそぶりをして冷静にそう言ったのだが、

それを見聞きした彼女らはさらに動揺、混乱。

愁はいったい何がしたいんだ。それを聞いて何を思ったんだ。

こっちはまったく意味が分からないというのに。


「……で、双ちゃんは大丈夫なんですか?

 GWEの人格に乗っ取られていませんよ……ね……ぇ?」


彼女は後ろを見て恐怖する。

もう一人のロゼは、七不思議チート武器、『幽霊少女の忘れ物』と、


首だけの神堕 双を、手で持っていた。

キャー、前にも神堕 双がいるって言うのに後ろにもいるぅ。

はいはい、こんなところでシーンがぶっ飛びます。

異端世界秩序内にあるホテルのような部屋に、彼女は移動。


<105号室> ロゼ・神堕 聖

聖は超豪華な部屋にテンションが上がる。

なんせテレビもあって風呂もシャワーもついてらぁ。

しかもキッチンもあるし。冷蔵庫とか電子レンジもあるし。

ホテルのスウィートルームみたいな部屋だし、目もキラキラさせるよね。

そんな彼女をうるさく思うロゼ。すると、


「ええ? そりゃテンションも上がりますよ。謎に豪華ですし。

 それよりロゼ、何の準備があってそれぞれの個室に?」


「こっちが聞きたい……あの私は私じゃないし、

 そもそもなんで勝手に指導権を握ってるのか分からないんだよね……」


「……なんでぇ?」


彼女は半笑いで理由を聞く。


「うーん……あの私はゼロスが作った私でぇ……

 本来の私の人格とGWEの人格が混ざってる奴なんだよね。

 んで、どっちの人格も持ち合わせてるからって理由でぇ……

 ……なんか、私が知らない間にリーダーになってましたぁ……」


つまり、想定外と。


「大丈夫なのそれ? 乗っ取られてません?」


「うん、乗っ取られてるね。」


乗っ取られてんのかい。


「でもま、もしものことが起きた場合、

 きちんと対処できるように助手といろいろ仕掛けたからご安心を。」


「仕掛けたって……何をです……?」


そう言うとゲス顔をしながら、


「そりゃぁもう、最終手段に等しいものだね。

 あのもう一人の私が何かやらかさず、何も問題を起こさなかったら

 総大将殿とかいうよくわからないやつに使うから楽しみにしといてくれ。」


彼女は目元をパチパチさせて愛想笑い。


「へぇ、楽しみにしてますです。」


その反応を見た彼女はゲスイ顔のまま笑い、こう思う。

(なんか総大将殿について知ってるな?)

あれだろうね。総大将殿の力が、最終手段に通用するのか……みたいな、

そういう愛想笑いなんだろうね。


<106号室> 村田ヒビキ・スペル・神堕 双(ヘッド)


彼女(頭だけ)は、ベット横のサイドテーブルにちょこんと置かれていた。

ベットの上には女の子座りをしている村田 ヒビキ。

そして彼女のひざ元でごろごろして眠っているスペル。

時々、ヒビキはスペルの頭を手で撫でていたりもしていた。


「……なんでさっきからこんなにやさしくしてくれるんだ?

 私は学校にゾンビを放った張本人なんだぞ? 恨みとかあるはずだ。」


……と、この頭はGWE人格の方みたいですね。

なんでこんなところに頭があるんでしょうね。体どこ行った。

ヒビキは彼女の頭を撫でたり、スペルの目の前に彼女を置いたりした。

そして目の前で寝ているスペルを見た神堕 双は言う。


「ああ、うん。かわいいね。

 でも猫は嫌いだよ。肉片をはぎ取ってどっか行くことが多かったからね。

 正直、いつ噛んできそうか怖いんだ。はやくさっきのところに戻してくれ。」


そんな怖がっている彼女を見て無言で微笑むヒビキ。

神堕 双はその様子を見て怖くなってくる。

なんせだんだん不気味な笑みに変わって行ってんだもん。


「ひ、ひぃぃぃぃぃ!!! だ、だれかぁぁぁ!!!」


彼女の助けを求める声は届かず、その部屋だけにぐもった。



<104号室> 創・神堕 愁・神堕 双(ボディ)


彼女、斉藤 創はベットの端で座りながら考え事をしていた。

ベット横でなぜかジタバタしている、頭がない神堕 双を見ながら。


「ゾンビって、頭がなくても動くんですね……」


「普通、動かないような気もしますが……

 あれですね。きっと脊髄で動いてるんでしょう。

 それか、ゾンビ物にあるまじき、魔法の力で動いているとか。」


神堕 愁はティーセットでミルクティーとカフェオレを作りながらそう言う。

すると創は、先ほどの話をどう思ったかを愁に訊く。


「さっきの話というと、双さんのクローンボディの話ですか?

 それとも、聖さんのとの会話の事ですかね。」


「聖ちゃんの会話です。言ってることが分かんなくて……」


考えながら会話をしているせいか、若干顔が暗くなっている創。

神堕 愁はカフェオレを創に渡して片方のベットの端に座った。

そして、熱いミルクティーをちびっとだけ飲んで熱がりながら話をし始める。


「GWEは本物の神の力によってできていると言っていましたね。

 そして、その神の力が失われた場合、世界が吹っ飛ぶと言ってました。」


「世界が吹っ飛ぶって、どういう事ですかね……」


「なんであれ、危害が及ぶことは確実ですね。

 それと、あの会話で気になる点がもう一つ。」


「というと……なんです?」


「聖さんは『GWEを統括していた私(・)』と言っていました。

 その言葉が曖昧である可能性がありますが、その言葉を丸々捉えた場合、

 聖さん一人で全てのGWEの管理をしていたと言う事になります。」


「そう言う事に……なるんです?」


首を傾げ、ハテナマークを浮かべる。


「私の認識では、神堕家という物は

 GWEを統括する組織の名称だと思っていました。

 今回の件と言い、聖さんの話で神堕家の存在意義が分からなくなってきました。

 なんのために存在しているのか、神堕ごとにそれぞれ役割があるのか、

 それともただ純粋に、知り合いで構成されたグループなのか。」


「双ちゃんは聖ちゃんの妹らしいですし、

 もしかしたら、そうなのかもしれませんね……」


「……で、その話を込みで、

 いろんな話を聞くために双さんをここに連れてきたわけですが……


「あっ、そのために双ちゃんを……でも、GWEの双ちゃんですよね……」


(ほんとうはこっちが本物の双ちゃんなんですけどね……

 話の流れで本物が偽物扱いになってるだけで……)


そう思いながら体だけの神堕 双を見ていると、

ジタバタしすぎて壁にぶつかりその場で倒れてしまったところを目撃してしまう。

そして、倒れたまましばらく動かなくなってしまった。


「まさか、ヒビキさんが尋問をしたいと言いだすなんて思いもしませんでした。」


「ここに来る最中、首だけもぎ取っていきましたよね……」


そう苦い顔をしながら、創はカフェオレを一口。


……理由は分からなかったが、カフェオレはとてもおいしかった。

創の舌ではまだ味の良さを評価するのが難しいようだが、

彼女は一口、もう一口とカップを口に近づけ、カフェオレを味わった。

神堕 聖はミルクティーを少しずつ飲みながら微笑み、その様子を見ていた。

美味しそうに飲む彼女の表情、仕草が可愛らしく思えたのだ。


(……あれ、もうなくなってしまいましたか。)


気づけば、彼女のコップの中にミルクティーは残っていなかった。


と、ここまでが四章の……大部分です。

……あれ、結局学園はゾンビまみれじゃないですか。

それにテレポーターで脱出した人たり、噛まれてゾンビになった人たちは……

あと、もう一人のロゼがうつした男って誰なんですかね……?


その話を今からします。


もう一人のロゼがモニターに映した時、男が喋っていた事。

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……まったく、麻央はいったい何をやっているんだろうか。

神堕 愁を南防壁待機所へ連れてくるようメールしたものの、

彼女らの姿はそこにはいなかった。 それに連絡も途絶えた。

奴が持っていたGWEは回収した。あのゾンビの権限は俺にある。

モニターを見る限り、彼女たちは例の研究所に逃げ込んだのだろう。


……さて、どうしたもんかね。


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テレポーターで生徒たちと脱出したスペルの弟子である女性教師は、

神堕 双の世界で、ゾンビ達から身を守る場所で働いていた。

生徒を心配しながら働いていると、彼女の目の前に謎の人物が。

少し肌が焼けている、黒髪で赤い目の女の子。

黒い生地に赤いラインの幾何学模様が入っているコートを着ており、

水色の線を帯びた黒色の本を持っていた。

そしてその女の子は本を開き、こんなことを聞いてきた。


「ねぇ、あなたはこの世界をどう思う?」

 この世界にいる人間はみんな、ゾンビになってしまう。

 一人のゾンビの女の子のために、その女の子の孤独を癒すために、

 神様は人間を愛すのをやめて、ゾンビを愛すようになってしまった。

 たった一人の女の子のためにこの世界は生まれたけれど、

 もうすぐこの世界も壊れてしまう。だから聞いておきたいんだ。

 神様に自分達の運命を決められたこの世界を、どう思ったか。」


女の子が話した言葉の意味を考えながら、彼女は深呼吸をする。

スペルが教えてくれた強気の姿勢を取るためがために。


「運命を決めるのは私たち自身です。

 神様だって、自分の運命を決められるのは嫌なはずですからね。

 この世界がどうとかは分かりませんが、それだけは言えます。」


女性教師がそう言うと、女の子は微笑んで本をぱたんと閉じました。


「それじゃ、この先の運命に抗わないといけないね。

 どんな未来が待ち構えていようとも、君はそれに抗わないといけない。

 あの子が作った物語に、縛られないようにね……」


その言葉を聞いた途端、倉庫の方から爆発する音が聞こえてきた。

とっさに振り返った彼女は、そこにいるであろう生徒が心配になってしまう。

彼女は倉庫の方へと駆け抜けていった。


そこにいたのは、女性教師が務めるクラスの生徒、

そしてその子を抱える、呆れ顔の紫色の髪の鳥のような羽を生やした女の子。

倉庫には穴が開いており、そこからゾンビ達が押し寄せようとして来ていた。

付近にいた人達は、まずゾンビ達をブチ飛ばそうと大型の兵器を持ってくる。

そして、その兵器を繰り出そうと瞬間、そこにいた彼らの目の前が真っ白になる。


……女性教師がふとすると、

何故かアロディルデ学園の体育館で生徒たちとドッチボールをしていた。

その様子を体育館のステージ裏、そこにある放送室から眺める一人の男。


「……彼女らが戻っていることを確認したぞ。

 それに、学園の中にいたゾンビたちも消えた。」


イケメンの教師らしき男がスマホを持ち、

とある人物と通話をしていた。


〔「あいよ。じゃ、お望み通り麻央さんの行方を……」〕


「その前に聞きたいことがある。」


〔「なんです? 私が何をしたって言う話?』〕


「そうだ。俺が渡したGWEでお前は何をしたんだ?」


〔「ゾンビ騒動そのものをなかったことにしてぇ、

  あっちとこっちの世界のゾンビを人間に蘇生してぇ、

  それでぇ……ああ、うん、世界を平和にした。」〕


「つまり、彼女らの記憶を改ざんしたと。」


〔「そうだね。何事もなかったかのようにするにはそれしかないし。

  ちなみに、スペルクラスは戦闘実践として外出している扱いになってる。

  ながーいながーい戦闘実践だけどね。2週間ぐらい帰ってこない。」〕


男はぐもった声を出して、裏出口から体育館を後にする。

生徒が前から歩いてきた。顔を見ながら通り過ぎていった。

本来この学園の関係者ではない彼が、堂々と廊下を歩いていく。


「……それで、麻央は今どこにいる。」


〔「え? ああ、そうだね。麻央ちゃんのために動いてくれたからね。

  現状、あいつはお金を稼ぐためにカフェで働いてるよ。

  この世界でしか使えない通貨を使って、魔法の武器を買うつもりらしい。

  それと、連絡が入らない理由は純粋に勤務中だからぁ~」〕


「なるほど。なら仕方がない。」


〔「仕方がない? 君は愁を連れて行こうと必死じゃなかったけ?

  自分の計画が狂って怒ったりはしな____」〕


男はすぐさまスマホの通話を切った。そして2日前の事を思い出す。

その時、麻央はお金に困っている様子だった。

理由は聞かなかったが、とりあえず稼ぎやすい店を勧めた記憶がある。

……だが、その『記憶』はさっきの通話で思い出した。


「そろそろ、俺も自分を見失いかけてるってことか。」


男はそう言って、すぐさま学園を後にする。

自分を見失わないようにするために、ある場所に向かい始めたのだ。



そして、その声の主である人物は、

『かつてゾンビという存在があった世界』にいた。

都市が発展し、公園がちらほら見えたり、飛行機が飛んでいたり。

どこにでもあるような普通の景色がそこにあった。

持っていた近未来デザインのスマホをポケットにしまって、

近くの野外ステージで歌って踊っているアイドルの中の一人を見る。


「安心しな神堕 双、

 お前が可愛がったあの女の子はアイドルにしておいた。

 身体を腐らせる存在じゃなくて、心を腐らせる存在になったから。」


そのアイドルが踊っている前には観客が大勢いた。

誰もが誰も、彼女らの歌、そしてダンスに熱中していた。

曲が終わると、彼女らに向けて歓声と拍手が響く。

にこやかな笑顔でその様子を見ていると、後ろから誰かにささやかれた。


「……運命を変え続けているのは、どうして?」


彼女はとっさに後ろを振り返る。

背後には誰もおらず、周りにはいたって普通の景色しかなかった。


「……変えれる術があるから変えてんだよ。」


唇をかみしめながら何かを睨む。

たとえ自分の眼では見えなくとも、気配はそこにあった。


「……私は平穏な日常を望んでるんだ。邪魔すんな。」


そう言うと気配は ふっ と消えていった。

彼女は目をつぶり、深いため息をついて空を見上げる。


「……行くか。」


そうつぶやいた瞬間、彼女はそこから消えていた。



以上、謎の男と神堕 双の世界と学園の後始末でした。

男は麻央が言っていた、スパイ彼氏なんでしょうかね。

というか、神堕 双の世界、めっちゃいじられてましたね。なにがあったんだろう。



断章、創の夢:ざっくり内容。(箇条書きアリ)



・創たちを監視する輩が今の現状を想定外だという。

 |

 Lイカ戦艦が分からない。たぶんロゼ陣営だと想定。

 |

 L今回の一件で予定を大幅に変更するため、しばらく足止めに。


・愁の思考 

 GWE……、神の力が入っている異世界製造マシン……

 GWEを重ねるごとに世界がつながり、すべて集めれば神の力が手に入る……

 ……そして、神堕 聖が言うにはGWEを作るにあたっての神の力が失われば、

 世界の終わり、取り返しのつかない事になる……と。


 ……そういえば、GWE人格はGWEを集めようとしているんでしょうか。

 そもそも記憶、自我が無くなってもう一つの人格が芽生えた場合、

 それを集める動機も見失ってその世界に適応して徘徊するらしいですからね……

 双さんのGWE人格も、GWEに興味もなく同族の繁栄だけを思って

 この世界に襲撃したらしいですが……、結局、何故この世界に来たのかは……

 関連性として考えられるのは、神堕 聖さんですよね……

 GWEの開発者、双さんの妹で『本当の神』の存在を知っている……

 確実に裏がある事は明白ですが、どうやって付け込めばいいのか……

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 L創さん可愛い。


・カテラという人物が、夕食に何が食べたいかを聞きに入室。

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 L創、愁、ともにオムライス。聞き終わったらすぐに部屋を出ていった。



・創の夢

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真っ白な空間にいたと思えば、唐突に自分の声が聞こえてくる。


「いやぁ、私たちは一体どこへ向かおうとしているんだろうね。」

「憶えてるかい? 卒業式の日に起きた事件のことを。」


卒業式の事について憶えていない創。


「憶えてないのが当然だよ。

 だって、その時私は変わってしまったんだからさ。」

「爆破、殺人、そして誘拐事件。

 君はその時にすべてを投げ出した。投げ出したときに私が生まれたんだよ。」

「ま、投げ出したと言っても、私の心の片隅にいたわけだけどさ。

 それで記憶が変になってたり、一人ぼっちと感じていたんだろうけど。」


「それじゃ、始めようか。自分を取り戻すために、

 私が君に寄り添えるようにするために、もう一度あの日を経験してもらう。」


小学校の景色に変わり、

なぜか小学生時代の卒業式の思い出を追体験、と思えば、

一瞬にして『追体験』の記憶が消え、

創が通っていた中学校の教室に景色が変わり、そこにはもう一人の自分が。


「やぁ、もう一人の私。」

「心の隅でずぅっと見ていた君の別側面さ。

 そうだなぁ……君の裏の顔って言えばいいのかな?


もう一人の創は卒業式にあった出来事を聞かれる。  


以下、創の記憶にある、卒業式の事件に関しての所感。


あの日、卒業式が終わった直後の事でした。

校門を通り過ぎようとしていた私たちの卒業生の眼に、

校舎が爆発し、黒い煙が上がっている光景が入りました。

そして、校門の目の前、ある男が日本刀を持って立っていました。

その犯人は、生徒を狙わずある先生だけをめがけて日本刀で襲い始めました。

そのある先生とは『藤村 政宗』という、

体育の先生でおもに剣道が得意な先生でした。

滝の修行をしていたり半裸で剣を振っていたりしていた先生で、

生徒と教師の間では『平成のサムライ』だなんて言われていたりしていました。

政宗先生は犯人の日本刀の攻撃にも素早く対応していました。

身をひるがえして剣をよけつつ、背後を取り、剣を奪い取ろうとしていました。

その時、ある言葉を聞いた途端、政宗先生は抵抗もせずに固まってしまいました。

『お前の娘をこの世から消した』と。

そして……そのまま政宗先生は真正面から切られて……

その後は……倒れた政宗先生を日本刀で刺し続けて……血が……

……そこからのことは、あまり憶えていません……


気づいた時には、私は病院で事件のことを話していました……

何をどう話したのかは覚えていませんが、

お母さん曰く、恐怖で体が震えていたそうです……

あの後、私はあの事件のことが気になってパソコンで調べていました。

政宗先生を狙った犯人の名前は『宮本 正志』。

その犯人の知人曰く、過去に剣技で政宗先生に負けてしまい、

屈辱感と敗北感を抱いていたそうです。

だからと言って生後間もない政宗先生の娘さんを誘拐したり、

学校を爆破して政宗先生を殺すのは、どうかと思いますけど……


「そうだよねぇ、学校と娘さんは何も悪くない。

 んで、その子は結局消息不明で死亡扱い。

 まぁ当の本人が『お前の娘をこの世から消した』とか言ったらねぇ?」


事件の後、犯人はすぐさま逃亡したそうですが、すぐに警察に捕まったそうです。

ですがその後、刑務所で自分の首をかっ切って、自殺したそうです……


「よぉし、ちゃんと頭に叩き込んでるね。

 耐性もついたし、トラウマも若干克服したし問題ないね。」


 そう言うと彼女は右手で指パッチン。

 創の中から回想をしていたという記憶が消える。



「おーい? 大丈夫? もう一人の自分を見て混乱しちゃった?

 大丈夫、安心してくれ。 私は君の傍にずぅーっといたからさ……」


その後、創にいらやらしくディープキスしてやりたい放題。

今目の前にいる自分はGWEの人格ではないかと疑うと、


「~GWEの人格ではないことは保証しよう。

 もしそうであれば、とっくの昔にロゼが私を分離しているからね。」


そしてアドバイスを創に言う。


「現状私たちは流されるままにある。

 そこにある物だけに流されて自分は何もできちゃいない。

 だから……そうだなぁ、決められた道を脱線し、新しい道を作るんだ。」

「裏の私の意見を言うとだね。コンビニで見つけたあの紙あるだろう?

 あれを頼りに『冒険を役立てるもの』とやらを探せばいいと思う。 」

「ま、あの紙について指摘すりゃぁ、ロゼも動くでしょうに。

 それじゃ、またいつかの夢で会おう。もう一人のワ、タ、シ♡」


もう一人の創が可愛らしくウィンクをしながらそう言い、

懐から素早く鉄砲を取り出し創の額めがけて発砲。

そうして創は起床。

夢の中で自分に、えげつないキスされたことに対しての恐怖が身を包む。

創は愁に自分にキスされたことだけを話す。(その時、愁は大興奮。)

そして彼女らは夕食を食べるために食堂へと向かった。


……はい、ここまでが大体四章の内容です。

『踏み台にされる世界』シリーズは後にまとめるとして、

『短編:ノウン→フィーヴェ』は、後々の話の話題上げに使うので保留。

『短編:ウェドがいる世界についてその2』は……ご自分で見てください。

だれかの過去について語られているみたいですから……。


今回の四章、ところどころシーンが抜けてたりしてますが、

何か……理由があるんでしょうか。

ただただそこをやるのがめんどくさかっただけなのか、それとも……

とにかく、三章に引き続き、ぐっちゃぐちゃになってきましたね。

ここから物語は加速していきます。いよいよ総大将殿の……?


……以上、いつも通りの雑まとめでした。



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裏話的コーナー的な奴。たぶん今後触れないだろうなぁって思う奴。


1.アロディルデ学園で隠されていた銃類。

愁たちが見つけられるのならば、そこに通う彼らも見つけるのでは?

当然、見つけたことがある。生徒たちはその時、困惑していた。

先生たちにその事を話したら、銃に関しての記憶を抹消される。

そして先生たちは銃に関しての話し合い。なんでこんなのがあるんだと。

ここにある理由はともかく、銃をどうするかの議論で、

スペルによって七騎士のフォートにあげようという結論になった。

その後もたびたび銃が見つかっては生徒の記憶を抹消、

銃をフォートに授与というのが何度もあった。

結局、なんで銃が学園に隠されているのか不明のまま放置。

それでいいのかアロディルデ学園よ。


ちなみに。

いつぞやでロアがヘリを打ち落とした時に使ったスナイパーライフル。

あれ実はアロディルデ学園で見つかったやつ。弾はフォートが造ったけど。



2.アロディルデ学園の七不思議について。

学園で有名に(ロゼがさせてるから有名に)なっている七不思議。

スペルがその根本となる七不思議チート武器を回収した後、

チート武器関係なく、新たな不思議案件が浮上しているらしい。

校長室の机の引き出しが異次元とか言われたり、

女子トイレで寝ると巨人に襲われる夢を見ちゃったり、

アロディルデ学園には、この世のものではない武器があったり。

ここまでは『ただのウワサ』として処理されているのだが。

時々、鏡を見ると不思議な服を着た自分が居たり、

お馴染み心霊遊び、こっくりさんで、

こっくりさんに何を問いかけても『たすけて』としか答えなかったり、

教室で居眠りをしていると、ときどき、ゾンビに襲われる夢を見たり。

マジな不思議案件を体験している生徒が多数いる。おもにゾンビ。


3.愁の胸に関してのウワサ

彼女の胸の事を指摘した男子生徒がいた。

すると彼女は「ああ、そうですね」と受け流す。

彼女の胸を鷲掴みする男子生徒がいた。

その時は普通に殴って「やめてください」と怒りながら言う。

と、神堕 愁に近づき、胸の話題を持ち出すような輩に対し、

村田 ヒビキという生徒から一通の手紙が渡されるそうだ。

『私のところに来てくれませんか?

 あと、この手紙はあなただけの秘密にしてください。』という文章と、

彼女が居るであろう住所が書かれた手紙。

その住所通りに向かった者がいるかどうか分からない。

そもそもそんな手紙が来ることすら事実か分からない

ただ、噂によれば手紙を渡された人物にはすごいことをしてくれるそうだ。


噂によれば、だが。


年始年末でゆっくりしながら書けると思ったけど、

前にTwitterで募集した小説読むよ企画で来た小説を読むのに、ゆっくりした。

どれも面白い物ばかりでした。どれも個性的。

その辺にあるような小説じゃありませんでしたね。いやそれが当たり前ですけど。

みんな、書籍化レベルまで行ってほしいなぁ……

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