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原型:みんなが心躍る世界を■■したいですが(多少)手こずっています。  作者: アイティ
四章:異世界と私たちがいる世界はだいたい同じ(笑)
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普通、話の流れという物を考えて……

誰かが奇怪な行動をとり始める。


……まったく、麻央はいったい何をやっているんだろうか。

神堕 愁を南防壁待機所へ連れてくるようメールしたものの、

彼女らの姿はそこにはいなかった。 それに連絡も途絶えた。

奴が持っていたGWEは回収した。あのゾンビの権限は俺にある。

モニターを見る限り、彼女たちは例の研究所に逃げ込んだのだろう。


……さて、どうしたもんかね。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「いやぁ、なんかイケメンがいますなぁ。」


彼女が写したモニターに、その男は映っていた。

教師のような姿を装った、イケメンな男性。

彼は緑色のGWEを握りしめ、放送室のモニターをじっとみていた。


「あれが、ゾンビ騒動を引き起こした黒幕ですか……」


創が声を震わせてつぶやいたその言葉と、

イケメンの男性が映っているその映像を見て、愁は頭に疑問が浮かべた。


「放送で流れていた声の主は、あの人なのでしょうか……?」


明らかにイメージと違う。あの放送の声は女性だったはず。

見かけによらずに彼の声は女性に近いのだろうか。

それとも他に女性の共犯者がいるという事なのだろうか。

いろいろ考えていると、創と一緒にいたロゼが喋りだした。


「たしかに、あいつがあの可愛い声を発せられるとは思えない。

 ほんとにそいつが黒幕なのか? それとも変装してたりしてるからか?」


もう一人のロゼはそれを聞いてニヤッとする。


「あれが黒幕って誰が言ったよ。私はモニターを映しただけだよ?」


創は苦い顔をしてそっぽを向いた。


「ああ、うん、そうだね、確かに映しただけで黒幕だなんて一言も言ってないね。

 こっちの勘違いだったねまったくハハハ。

 私が殺意を抱く前にさっさと黒幕を話してもらおうか……?」


顔をひきつらせながら怒っている創の横にいるロゼ。

愁は少しだけムッとし、きちんと話してほしいという顔を作り出す。


「……で、黒幕は誰なんです? 焦らさないで早く教えてください。」


「えぇ? 神堕 双だけど?」


「そうなんですか? ……え?」


冗談話を聞き流すかのような声でそう言ったが、

そのすぐあと、変な言葉が聞こえてきて一瞬固まった。


「ま、正確には彼女が持っていたGWEの人格によるものなんだけどね。

 もともと彼女は、自分で作ったゾンビまみれの世界にいたらしい。

 だがある日、唐突に自分が自分でなくなったように思えた。

 そして、気づけばもう一人の自分があの惨状を引き起こしていた、そうだね?」


「もう一人の自分……?」


もう一人のロゼが優しい表情で操縦室の扉の方に体を傾ける。

そこには、ふにゃぁとした顔の神堕 聖と、

恥ずかしそうにして彼女の後ろから神堕 双が覗いていた。

そして双は悲しそうに こくん と頷いた。

すると神堕 聖はへにゃりながら口を開く。


「にゃ~お風呂ありがとうねぇ~

 あと、その考えは正解ですよロゼ。

 私が作ったGWEのせいであんなことが起きたんですよ~」


「あの、すいません……どういうことです?」


状況が分からず混乱していた創は、隣にいたロゼに小声で助けを求める。


「もう一人の双ちゃんがゾンビ騒動を引き起こしたってことだ。

 ここにいる本来の双ちゃんと、GWE人格の双ちゃんが混ざったせいで、

 身体がGWEの人格に乗っ取られていろいろやらかしちゃったってわけ。」


「え、じゃぁさっきまで私たちに接していたのは……」


「うーん、GWEの人格の方かなぁー(棒)」


遠くへ離れ、こそこそ話をしていると、

画面に映っていたイケメンの男性が移動を開始し始めた。

そのことを言おうと思ったその時、愁が神堕 聖にこんなことを聞く。


「単刀直入に聞きます。GWEとはいったい何なのですか。」


創とロゼはその言葉を聞いて彼女の方を見てポカーンと口を開ける。

急に話題を変えてきやがった、もうゾンビ案件はいいんですか、

たしかに聞いてもいいかもしれないけどと、頭の中で回っていたが、

二人はこうも思っていた。止めても聞き続けるんだろうと。


「わぁ……うん、やっぱり面白い人だよね、君って。」


神堕 聖も若干引いていた。

こんなタイミングで入れる話じゃないけど!?

でも、ちょっと面白いから付き合ってあげようかな。

それより、ちょっと後ろのアレが気になって仕方がないんですけど。

そんなことを思いながら。


「えー、オホン。GWEとはゲネシスワールドエディターの略ですね。

 本物の神の力を元に製造された誰でも異世界創造マシンです。

 他の世界へ飛べるパスポートでもありますです。すごいでしょ。」


楽しそうに彼女はそう言う。


「え、ロゼさん、いま本物の神の力って……」


「言ったね。神堕の字のごとく神を堕として作ったんかね。」


こそこそ話している彼女らを見る真顔のもう一人のロゼ。

ポケットに入れていた『幽霊少女の忘れ物』を取り出して、中を漁り始めた。


「GWEを統括していた私であったが、

 神堕 愁と名乗る人物に主導権をとられてしまったのであった。

 なんか世界が融合して、持ってた人の人格が変になったり、

 神堕家そのものも危うい状況となってもう、わけが分からないよ。」


「こっちがわけわかんねぇんだけどなぁ? ん?」


キレそうな顔で神堕 聖を睨む。


「危うい状況って、何ですか……?」


不安そうな顔で創は彼女に聞くと、神堕 聖は謎にあざとく、こう言う。


「神の力が失われてって取り返しがつかなくなりゅ。」


「は、はい……?」


「GWEを作るにあたっての神の力が失ってって、

 最終的に取り返しのつかないことになってしまうんですぅ。」


「取り返しのつかない事って……」


すると、今度はこやかな顔をしてこう言った。


「すべての世界の終わりですね。

 GWEの世界とか現世とかその他の世界とか何もかも吹っ飛んじゃいます。」


「はぁ!?」


「……ど、どういうことですか!?」


二人は思いっきり動揺と言える言動を取る。


「……そうですか、ありがとうございます。」


愁は少し考えるそぶりをして冷静にそう言った。

それを見聞きした彼女らはさらに動揺、混乱。

愁はいったい何がしたいんだ。それを聞いて何を思ったんだ。

こっちはまったく意味が分からないというのに。


「……で、双ちゃんは大丈夫なんですか?

 GWEの人格に乗っ取られていませんよ……ね……ぇ?」


「……」


彼女は後ろを見て恐怖する。

『幽霊少女の忘れ物』を持ったもう一人のロゼは、


首だけの神堕 双を手で持っていた。


まもなく、4章終了。

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