普通、人の心情なんてわかりもしません。
分かったらすげぇよ。
さぁてどうしますかね。マインドも応答しない。
こいつが何を言い出すかわからんが、さっきの口調からするに
いろいろペラペラと吐き出す可能性がでかいな……
言葉によっちゃぁ、今後の行動を変更しないといけないしな……
というか、そうさせようとしてんのか? ペラペラしゃべるってことは。
「あの……神堕 愁さん、って何者なんですか……?」
「へ? 誰? 神堕家にそんな子いたっけ?」
うん、創も創でペラペラしゃべることを理解しとる。
あーあ、話を変えるために狂ったふりでもしましょうかね。
「アヒャヒャヒャヒャヒャヒャ!!」
喉いてぇ。うがいしときゃよかった。
創は……どうした? なんで固まってんの?
神堕 聖から存在は一部の神堕しかしらないって言われなかっ……あー……
そういやそこら辺の記憶いじったんだったわ。ははは。
「補足だ創ぇ!! こいつ曰く、一部の神堕のやつしか、
神堕 愁という存在は知らないらしいと言っていたゾ!
とぼけているっていう可能性があるかもしれんが、
神堕の中に知らない奴がいるということは事実らしい!」
「一部のやつしか知らない……だって?」
「そんな事言ってたんですか聖ちゃん……」
お、やぁっとまともな反応を見せてくれたよ。
さっきまではゴミみたいな目で狂った私を見ていたが
急にショックを受けて驚いちゃってるよ~
すぅー……ふぅー……
「ま、詳しいことはこいつに聞くといい。
助けを求めてんなら早く助けを求めな。
こっちもこっちでピンチだからな。下手すりゃ私らゾンビになっちまう。」
「ゾンビになってくれたほうが本望だクソ野郎。
はぁ……まさかこいつにそんな事実を突きつけられるなんて……」
ははは。ざまぁねぇな畜生め。
あいにくお前が知っている以上の事実を知っているさ。
例えば、この世<<<ガチャン!!>>>うわぁお。
「創さん! だいじょ、え、あ、す、すいません、騒がしくしてしまって……」
そうだね、どんな状況であっても保健室ではお静かにだからね。
たとえどんなに急いでいる状況であれ、
急にドアを開けちゃったら中にいる人びっくりしちゃうから……って、あれ?
「あ、愁ちゃん!! 大丈夫ですか!?」
「心配せずとも私は常に大丈夫ですよ。
それにテレポーターを発見しましたから……?
どうかしましたかロゼ。私たちの探索能力にでも嫉妬しましたか?」
「確かにそれはそうだが、ちょっと聞きたいことがある。
一緒にテレポーターを探しに行ってたスペルとヒビキ、どこに行った?」
「今のところ、昇降口でゾンビを防いでいます。」
「ヒビキもか!?」
「いろいろある武器の中で強い奴を持っていましたから大丈夫なはずです。」
そんな理由で行かせようとするんじゃないよ……
てか、どうしたよ神堕 双よ。急に黙って生と一緒に寝始めて。
まぁ黙ってた方がややこしくならなくて済むんだが……寝相わりぃな。
にしても愁さん、でっかい鞄もってんねぇ。中に銃とかいろいろ入ってるし。
銃ってあんな軽かったっけ? あいつが怪力なのか……?
「なぁ、その赤いバックの方には何が入ってるんだ?」
「これの中には、スペルさんが回収した七不思議の根幹が入っています。」
「え? マジで?」
わぁお好都合だねぇ。さっすがスペルだ。
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愁が持っていたアロディルデ学園七不思議のチート武器
・幽霊少女の忘れ物
見た目:古い黒色の財布
→能力はドラ〇もんのとりよ〇バッグと同じ。
・鏡の中のどっぺるげんがー
見た目:少し割れた丸淵の手鏡
→七人まで自分の姿をした何かを出せる。
・補『囚』
見た目:ビリビリに破かれた道徳の教科書
→3時間の間隔で意識をループさせる空間を作り出す。
・あい、らぶらぶ、ゆー
見た目:ボロボロの恋愛祈願のお守り
→持っていると、好意を持っている人物に対しての感情が強くなっていく。
※各不思議の名称がチート武器の名前になっている。
七不思議のチート武器(道具)を創が寝ていたベットの上に並べ、
それぞれの名称と能力を愁たちに説明する彼女。
「どんな七不思議ですかコレ……」
「気にすんな、七不思議とかそういうもんだ。
それで、他3つはスペルが持ってんのか?」
「この中の道具を持って行ったのでそうだと思います。」
肩に下げていた黒色の大きなバッグの中身を確認しながら愁はそう言う。
「なんでみんなして銃とかの扱い慣れてるんですか……
で、どうするんですか……? テレポーターのところに行かないんですか……?」
創はベットのふちに座り、ロゼの顔を見て不安そうに言う。
「おい我が主人。昇降口のゾンビを防いでるってことはつまり、
そこのバリケードが壊れてゾンビが大量に入ってきてるってことでいいか?」
「なんですかその呼び方は……
防いでいるというのは、バリケードの補修のためです。
今のところスペルさんが作った結界でゾンビが入ってくることはありません。
ですが、その結界が持つのが一時間ほどらしいんですよね。」
「ああ、あれだな。『魔法使いのシンデレラ』使ってるからか。
ま、その間にテレポーターに向かいますか。スペルの結界なら、
フラグ云々関係なく魔法が使えなくなるまで大丈夫なはずだっ!」
ロゼは赤いカバンに、
七不思議のチート武器(道具?)と救急キッドを入れて勢いよく背負う。
「それで、そこにいる子は……」
「ええっと、なんて言えばいいんですかね……」
創はロゼに言っていいかアイコンタクトを取る。
アイコンタクトを受け取ったロゼは創の耳元でこうささやく。
「神堕 聖の妹、って言ってくれ。
その後は私がうまい具合に合わせる。後で双には事情は伝えるから。」
そう言って離れると、創は笑顔で頷いて愁の方を向く。
「聖ちゃんの妹ですね。」
「聖さんの……頭の包帯は……」
「さぁな。聖に会ってから寝たっきりだから詳しいことは知らん。
てか起こすか、もう行くんだったら連れていかねばなるまいし。」
そう言いながら聖と双のベットに歩み寄り、彼女達の肩を揺らす。
すると、双は寝返りを打ち、愁に見えないようにロゼを近くに寄らせる。
「妹ではあるが、勝手なことを言うのは止めてくれよ?」
彼女は怒り口調そうささやく。
「ま、しばらくは聖ちゃん大好きっこの可愛い妹を演じててくれ。」
目をパチパチさせて、少し頷く。
そして彼女は起き上がり、眼をこすって周りを見回す。
愁を見たと思ったら、急に恥ずかしそうな顔をして布団に潜り込んだ。
(お、おう、素直な黒幕さんだねぇ……)
「あ”あ”~かわいっ。私もこんな妹が欲しかったよ。
ほら、起きろ聖、妹ちゃんが横にいるぞ。んで、もう学校から出るぞ。」
そう言いながら肩を揺らしていると、
急に眼をカッ開け、勢いよく起き上がる。
「それじゃ、早くこんなところから逃げましょう!
あ、双ちゃん!? え、なんでついて来てるんです!?」
(はっはーん、さてはこいつ話聞いてたな。)
そしてロゼは、神堕って不思議な奴だなと、改めてそう思った。




