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原型:みんなが心躍る世界を■■したいですが(多少)手こずっています。  作者: アイティ
四章:異世界と私たちがいる世界はだいたい同じ(笑)
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普通、全員ゾンビになったらバッドエンドです。

バッドエンドを回避するために必要な事。

とりあえず選択肢の一つ一つを慎重に選ぶ。

そしてって、あーうん、これゲームの攻略法ですね。

攻略本のないのにトゥルーエンドにたどり着けますかねぇ?


ま、普通に考えて、

人生にバッドもトゥルーもノーマルもないんですけどね。


ドドドドドドドドドドドド


グロォァ……


「……?」


「愁様、どうかしましたか? また創さんのことが心配と思ったのですか?」


ヒビキは彼女のほうを向いて、やさしく接する。


「……はい、やはりとても心配で……」


彼女はさっきから創のことが心配でたまらなかった。

ロゼと聖が保健室で創さんの様子を見ているとはいえ、

いつゾンビが保健室へ襲ってくるかわからない。

魔法が使えない、パラメータービジョンが使えない中、

拳銃を持っていたロゼでもあのゾンビは手強いと彼女は思う。

あれだけ撃たないと完全に動かなくならないのだから。

ヒビキが持つハンドガンでも、自分が持つこのサブマシンガンでも、

せいぜいゾンビの足止めしかできないだろう。



キューン……


「いやぁ、やっぱり私は最強ですねぇ! 

 魔法が取り柄の私から魔法をとっても、普通に圧倒できるんですから!」


スペルは手に持っていたのはガトリング砲を持ちながら満面の笑みを見せる。

通路に構えていたゾンビたちを先ほどまで打ちまくっていた彼女。

辺りには撃ち終わった弾が転がっており、

奥の廊下にはとてもグロくなってしまったゾンビだった何かがあった。

血生臭い匂いが漂い、愁は顔を手で押さえ匂いを我慢する。


「……で、スペルさん。

 ゾンビだった何かのせいで先に進めないので他のルートをお願いします。」


「じゃ、いったん階段の方に行って上からあっちへ行きますか。」


そう言い、スペルはガトリング砲を愁に渡し、いそいそと階段へと向かい始めた。

テレポーターは既に発見済み。あとは保健室にいる創たちと合流して戻るだけ。

ではなく、ある物を取りに、先に向かう場所があった。

ゾンビがちょくちょく増えているので早く取って保健室へ行きたいところ。


ピンポンパンポーン♪


〈「あー、あー、聞こえてますかー、アロディルデ学園の生徒諸君。

  もう間もなくバリケード粉砕しそうですよー。

  普通のゾンビじゃないチェーンソー持った奴がバリケードをがりがりと……

  魔法が使えない君たちに生き残る術(すべ)はあるのかな?      」〉


近くの教室のスピーカーから放送が聞こえてくる。


〈「そうだな~脱落者をこれ以上増やすわけにはいかないから……

  はい、チャンスとして体育館に臨時でテレポーターを設置しました。

  いちいちテレポーターを探す必要が無くなったろう?

  さすがに体育館に行く気力ぐらいは残っているはずだ。

  ゾンビになんてなりたくなければ早く脱出することだねぇ。

  アッハッハッハ……                     」〉


ピンポンパンポーン。


「あいにくテレポーター発見済みなんですね~

 あとはアレを手に入れて合流すれば、フフフ……」


「使えると良いですけどね……」


不気味な笑みを浮かべるスペル。

愁はすこし不安そうにしながら、彼女らと共に階段を降りていった。


<>


2時間前 コテージ地下『異端世界秩序』にて


創の世界の様々な場所が映し出されているモニター室で、

助手はお昼のご飯であるカレーライス(激辛)を食べていた。

そんな中、モニター室のドアからネオが入ってくる。


「やぁ助手、お疲れさん。創の調子はどう?」


「あー……別人格の影響で倒れちゃってますけど大丈夫みたいですね。」


食べていたカレーライスを置き、とあるモニターを指さす。

そこに映されていたのは保健室で寝ている創の映像だった。


「にしても、なんで創の中に七つも人格があるんだ?

 ある事は知ってるんだが理由は分かんねぇんだよ。教えてくれよ助手えもん。」


「言えません! ほんとの事でも嘘でも創さんに言っちゃうのが怖いので!」


ムッとしながら再びカレーを食べ始める彼女。


「ええ~? 別にロゼ今いねぇだろ~?

 チョーっとぐらいヒントくれたっていいじゃんか~」


「いるさ、ここにひとりな。」


「うぉおあぁ!?」


後ろからロゼの声が聞こえ驚くネオ。

後ろを向けばロゼがいて、すこし不機嫌な顔をしてバールXを持っていた。


「なっ、は!? おま、学校に行ったんじゃ……」


「行ったね。もう一人の私が。」


「クローンボディでもう一人作ったのか!?」


「そりゃ作るとも。三人いれば文殊の知恵ならぬ、百人いれば文殊の知恵だ。

 この世界にいっぱいロゼ居るから気を付けた方がいいよ。」


バールXを振り回しながら、武士のようなポーズをとる彼女。

ネオは何とも言えない顔で助手の顔を見る。

すると彼女は『私に言われても』と言わんとばかりの言動を見せる。


「さ、始めましょうか。別世界の存在vsこの世界、

 ジャンル固定vsなんでもありなこの世界の戦いをなぁ……?」


「え? ま、まさかもうそんな!?」


決意に満ちた笑みで助手の隣に座り、

全観測モニターをアロディルデ学園の映像に切り替える。


「今回の対戦相手はゾンビ使いの神堕ですね。

 初戦で負けちゃどうしようもないけど安全運転で行きましょうね~」

 

そう言いながら手元に置かれたキーボードで何かを打ち始めた。


「神堕ァ!? ちょ、ロゼ!? ちょっとは説明をくれ!?」


と、その時。

アロディルデ学園のモニターが一つを除き、すべて消えてしまう。


「はっはっはっ! こりゃあ大変だ! 

 監視の目奪って来たよ~、なかなか上手だな奴等。」


「ふ、復旧します!」


助手はカレーを置き、キーボードを操作して復旧作業に取り掛かる。


「で! ロゼ! 説明してもらおうか! 今何しようとしてんのか!」


「そうだなぁ、我が姉よ。

 単純に言えば裏切り者の排除のため神堕が動き始めたってことだ。」


「はぁ!?」


「ああ、裏切り者っていうのは言わずもがな、神堕 聖の事だ。

 本人曰くマジで他の神堕から逃げてるらしいからな。」


「い、いや、神堕 聖が裏切り者ってどういう……!?」


ピンポンパーンポーン♪


〈「あーあー、聞こえてるかなロゼとか言うわけわかんないの。

  そっちの声とか姿とか全く分かんないけどさ、

  私が今からやろうとしていることぐらいわかるよねぇ。」〉


少しノイズの混じった女性の声が聞こえる。


「ハッキングされてね!? 大丈夫か!?」


「はいはい、放送は黙って聞こうね。」


〈「私の世界にいるゾンビたちをアロディルデ学園に放った。

  言っとくけどゾンビを殺そうとしようとも無駄だからね?

  私が持っているGWEで世界のルールを学園の部分だけ書き換えまーした!

  魔法やパラメータビジョンだっけ? とか使えなくしたから。

  目標が達成出来次第解除する予定だからしばらくお待ちを~

  ちなみに、私が目的を達成することによっ……ザザー……

  …………をしは………全員ぞん…………プツン             」〉


「やっべ、目的達成次第世界を征服できるってよ。

 そしたら全員ゾンビにするってよ奥様ぁ、とんでもねぇぜこりゃ。」


「「……(二人は絶句しながらロゼを見ている)」」


まずなんでノイズが入っていたのに聞こえているのか理解ができない二人である。

それに全員ゾンビにする訳、目的を達成=神堕 聖を排除すれば世界を征服?

状況を整理しながらも訳の分からない事の上に訳が分からない事ことが重なる。

頭の整理が追い付かない二人は顔見合わせ、

とりあえず一つだけ残ったアロディルデ学園のモニター映像を見る。


その映像からは、

大量のゾンビがアロディルデ学園の校門に迫っている様子が見受けられた。

校門に入る直前、ゾンビの勢いがゆっくりと止まったところで映像は途切れた。


みんな……同じ存在になれば解決できるんだろうな……

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