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原型:みんなが心躍る世界を■■したいですが(多少)手こずっています。  作者: アイティ
四章:異世界と私たちがいる世界はだいたい同じ(笑)
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普通、学校は■■にありません。


「創さん、学校へ行きましょう。」


「え……学校ですか……?」


カフェのバイトが終わってコテージに帰った夜のこと。

愁は真顔のまま立ち、ある3枚のパンフレットを持って、

ソファに座った創に話しかけている。


「お、ついにこの世界に学校があると言う事に気づいたかな?」


ロゼは創の横に座り、にやにやしながら話に割り込む。


「学校というか学びの場所がなければどうやって言葉を学び道徳を得るのですか。

 必要最低限の施設がなかったらおかしいでしょう普通。」


「確かにそうですけど……愁ちゃん、手に持っているそれって……」


「私が調べてあげた創さんに合うような学校のパンフレットです。

 すべて無償で入学できるのでご安心を。」


「私に合う……って無償で入学できるんですか?!」


「制服も教科書代、食費や宿泊費もすべて加担してくれるそうです。

 異世界転移者限定の特典らしいですし、入学しないわけにはいきません。」


「それに関して補足を。七騎士のヨルっているだろう?

 あいつが異世界転移者に対して優遇措置を取っているみたいなんだ。

 理由としてはとっても簡単、

 転移者は転生者と違ってこの世界の家族に血縁がないからだ。

 住む家もなければお金もない。ましてや自分の人生の道行きも分からない。

 そんでもって、この国の施設の一部は自力でこの世界を生きれるまでは

 国が総力挙げて全力でサポートしてくれるのさ。わぁこれで平等だねぇ。

 というか、カフェのバイトができたのもその優遇のおかげだからな。」


おどけながら笑う彼女。

愁はナンダコイツと言わんとばかりの表情をしながら彼女を少し睨んでいた。


「なるほど……通りですんなりできたわけですね。」


実際すんなりであった。

昨日、創と愁は面接だけをしてその数分後に普通にバイトを始められた。

面接中、片言であった創を採用した理由はその措置のおかげだと愁は安心した。


ちなみに、ロゼは調理場を志望していたため試験はあったものの、

すぐに調理場で料理だのを作っていた。レシピだのは当日すぐに覚えたらしい。


「それで、私に合う学校って……」


「私が見た限りでは、この国の学校、14校すべて小中高一貫校だったんですが、

 創さんに合うような高校、ここから通うとしてを考えた結果、

 この、3校しかありませんでした。」


そう言って創に3枚のパンフレットを渡す。

彼女はそれを手に取り、パラ見でその内容を見てみる。

しかし彼女は読解力がないのか、どこが一番いいのか全然わからなかった。

しかも、愁が選んだのは創に合う学校。選んでくれた3校は比較のしようがなく、

どこも素晴らしくどこもそれぞれ個性があるように思え、結論として創は……


「どこでもよさそうですね……」


そうまとめたのであった。


「まぁ、どこでもよさそうなものを選びましたから。

 私のおすすめでもあり、創さんが好きそうな学校ですからね。」


すこしドヤっとした顔で創を見る彼女。

ロゼは創の後ろに立ち、彼女が見ているパンフレットをのぞき込む。


「ええ……どこがいいんでしょうか……」


「そうだなぁ、私が最初に作ったであろうこことかどうだ?」


そう言ってロゼはその学校のパンフレットを指指す。


『国立アロディルデ学園』


「たしかなんだけど、

 七不思議の七不思議全部にチート武器関わってたハズなんだよここ。」


「だそうですけど……愁ちゃんどうします?

 チート武器を集めるためにもここにしますか?」


そう言って愁の方を見ると、何故か彼女は自分のひじを持ち、暗い顔をしていた。


「創さんがよければ私は何でも。

 というか、七不思議には少し興味があるのでそこにしましょう。」


「なんでそんな暗そうなんですか……」


「ちなみに、チート武器がある学校はアロディルデだけだったはずだ。

 メインの学校がそこだからそこしかやってなかったはず。」


「ロゼさんもロゼさんで適当ですね……

 まぁ、チート武器を集めるのであればここしかありませんけど……」


そう言いながら、その学園のパンフレットを見返してみることにした。

愁とロゼと一緒に。




<>



『翌 日』




国立アロディルデ学園。


アロディルデ王国地下の避難所を公共施設として改造され、

魔術や勉学などあらゆる分野の人間を育て上げるために設立された学園……


騎士や魔術師、商人や冒険者などを世間に送り続けている超名門校で、

通えば、自分が唱えている夢をすべてかなえられてしまうなんて言われている。


「私みたいな普通の奴が、こんなすごい学校でやってけるのか?」


「急にどうしたんですかロゼさん……」


何故かとても不安そうな顔をしている彼女。

演技のような、わざとらしいような様子で何か語っていた。


「創さん、行きましょう。

 どうやらよくわからない妄想に浸っているようです。」


「は、はぁ……」


彼女らの目の前には、その学園へと向かう屋外エレベーターがあった。

そのエレベーターがある周りには、彼女ら以外誰もいない。

繁華街の路地の更にその奥の路地に位置する場所であるため人通りもない。


「あの……ここで合ってるんですよね?」


「パンフレットにはエレベーターで降り、

 校門の受付で入学届を出すようにと書かれていましたが……」


そう彼女が言うと、手持ちのバッグから三枚の入学届を出す。

パンフレットに付属していたそれは、まるでアンケート用紙の様であった。

誕生日、性別などの基本的なプロフィール、

前世ではどのような実績を取得しているか、

また、前世での学校生活で行われていた授業を記入する欄があった。


「……大丈夫ですかね。」


「まぁ、ロゼが作った学校ですし、

 大丈夫かどうかの保証はできませんけどね。」


「そうですよね……」


そう言いながら、彼女らはロゼの方を見て苦い顔をする。


「よし、行こう!」


ロゼは決意を固めたような表情をし、エレベーターのボタンを押す。

すぐにドアが開き、ロゼはエレベーターに搭乗する。

そしてすぐにエレベーターの閉めるボタンを押そうとしていた。


押そうと……しなかった。

押す寸前で目をかっぴらきながら、口をファーと開けながら彼女らを見てきた。


「「……」」


「……」


そーっとドアを閉めるボタンを押そうとするが彼女らは微動だにしない。

ただただ苦い顔をしてロゼを見続けているだけである。


「うわぁぁっと! 待ってくださぁーい!」


突然、愁を蹴飛ばし、誰かがエレベーターへと駆け込んできた。

そのせいで愁は一瞬倒れそうになってしまうが、創が愁を受け止めた。


「あ、ありがとうございます、創さん。」


そう礼をし、蹴飛ばした誰かをじっと見る。


その誰かは、創と同じぐらいの身長をした少女であった。

頭にアホ毛が二本、短いエルフっぽい耳、前髪ピンクの横髪ホワイト。

赤い刺繡が入った巫女のような服を着てると思えば、

上半身より下はおどろおどろしい模様のスカートを履いていた。

先ほどの駆け込みで疲れたのか、膝に手をつき、ぜぇぜぇと息を吐いていた。


「どなたかは知りませんが、蹴飛ばすのはやめてください。」


すこししょんぼりしたような表情で、愁はそう言った。


「あっ! すす、すいません! 急いでたもので……」


その少女はぺこぺこと愁に謝り始めた。

創は周りに散らばった入学届を一枚一枚確認しながら広い、愁に渡した。


「私たちもエレベーターに乗るつもりでしたので、お構いなく。

 さ、行きますよ創さん。」


「は、はい……!」


そう言って愁と創はエレベーターに乗り込んだ。

異世界であるが故、蹴飛ばしてきたその少女の外見はそこまで気にしていない。

蹴飛ばされたことに関しても全く気にしてない。

愁は一瞬、真顔のままその少女を見て、閉まっていくエレベーターを茫然と見る。


その様子を見て、創はとても心配そうにしていた。


え? 空菜はどこって?

コテージ地下ですやすやと眠ってるよ。

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