這い寄って(切実) 8:24~
這い寄れニャルラトホテプ。
図書館敷地 AM 8:24
なんか笑顔で奴を殴れと言われました。
いやなに言ってるんですかロゼさん。
私は後ろを見て彼女らの様子を確認しました。
聖ちゃんは青い炎をまとって見惚れてますね。
しかもよく見たら青い炎を操れているようですね。
何なんですかアレ。
ニャルラトホテプの方を見たら……
……なんか、拳法のポーズしてますね……
爪を聖ちゃんに向けて、なんかキリっとしてます……
やっと動き出し始めたと思ったら動きが訳わかりませんね……
んで、アイギスさんの方を見たら……
彼は、緑色の剣を地面に突き刺し、謎の祈りをささげていた。
何やってるんですかアイギスさん!?
一瞬目を離したすきに何を思ったんですか!?
そう思って近づこうと思ったら後ろから肩をトントンとされました。
振り返るとロゼさんが期待の眼差しをしながら笑顔で
バールのような物(真っ黒)を差し出してきていました。
「創! これでアイツを殴るんだ!」
なぜ殴ることを許容するんですかね……
「ロゼさん……私にはそんなことできませんよ……」
「なら私がアイツを相手しよう。
もうかなりヤバい状況になってしまったからね。
私がどうにかしないとなぁ”……」
そう言い、バールのような物(鋭い)を聖の方に向け、神堕 聖を睨む。
すると創がすこし悲しそうにロゼを呼ぶ。
「どうした創、やっぱり私にお任せよってか?」
「いえそうじゃないんです……
その……殴る必要あるのかなって思って……」
そう言うと彼女はにやにやしながら、
手に持っていたソレをバトンのように回す。
「殴るってもダメージは入らんし傷も残らん。
これは私が隠しておいた秘密の武器なもんで。」
「秘密の武器……?」
彼女らがそう話していると、
「いきますよ~にゃるらとほてっぷ!
私の力を、思い知れ~!」
神堕 聖が楽しそうにそう言う。
創は神堕 聖が言う言葉に反応し後ろに向く。
すると神堕 聖は青い炎を自在に操り、
ニャルラトホテプの方に青い炎を勢いよく舞わせようとしていた。
「あっ……」
一瞬の出来事に創は言葉を失う。
ホテプはその炎を浴びる直前、唐突に動き出しそれをアクロバティックに避ける。
先ほどまで動かなかったその神は、
まるで体操選手かのように素早い動きをして避けまくっていた。
「むぅ~! はやい!」
神堕 聖は悔しながらも楽しそうであった。
彼女はひたすらにニャルラトホテプに炎を舞わせるがひたすらに避けられる。
しばらく創はその光景をただ茫然と見ていた。
「は、はやぁ……ニャルラトホテプさん、めちゃくちゃ速いですね……」
そう言いながら後ろを向きロゼの様子を見る。
彼女は口を開けポカーンとした表情で目をきょろきょろさせていた。
「は……いや、うん。そうなるだろうとは思ってたけどさ……
あんな超高速にしたっけなぁ……?」
「え……?」
創は再びニャルラトホテプの方を見る。
相変わらず神堕 聖の炎を避け続けているようだが、
先ほどまで彼女が見ていたスピードより格段に速くなっていた。
「はっ、速!?」
そのスピードはもはや体操選手の動きではない。
よく見ると空中で飛ぶ方向が変わっている。
二段ジャンプ、いや、三段ジャンプ……四段ジャンプ……
「ま、まぁ、神ですし、あれくらい普通ですよ……」
ロゼは声を震わせそう言う。
ふと創はアイギスのことが心配になり彼の方を見るが……
「あれ? アイギスさんどこ行ったんですか!?」
先ほどまで入り口付近にいたアイギスの姿が見当たらなくなっていた。
彼女は慌てて辺りを見回しアイギスの行方を見る。
が、辺りにはアイギスの姿は見当たらなかった。
「ロゼさん! アイギスさんがいません!」
そうロゼに伝えると彼女は声を震わせこう言う。
「ああ、さっき図書館に入ってくのが見えたよ……」
「図書館の中に……?」
それを聞いて創は図書館の入り口の方を見ようとしたその時、
創たちの目の前に再び青い太陽が現れる。
周りを見ると青い炎が図書館敷地全体をドーム状に覆っていた。
「何ですかアレ!?」
「あーうん。クトゥグァの……なんか技だね。」
「クトゥグァ!? ってなんですか!?」
創は驚愕しながら見ていたが吞気にしているロゼにツッコんだ。
「えーい! のみこまれちゃえ!」
創の目の前に現れた青い太陽からそんな声が聞こえてきた。
どうやら神堕 聖はその太陽の中にいるみたいだ。
「はいはい、じゃぁまずぶん殴られましょうかねぇ!」
そう言いながらロゼは太陽に走り寄り、
手にもっていたバールのような物(武器)を両手で振りかぶる。
太陽にそれが当たると、その当たった場所がらプラズマが放電した。
そしてすぐさま手に持っていたソレは緩やかにはじき返されてしまった。
「あれ……? 今はじき返された……?」
そう言って今度は力強く太陽を殴る。
殴ると再びプラズマが放電され緩やかにはじき返されてしまう。
「おかしいなぁーまさかコレもダメなのかァー?」
若干焦りながらバールのような物でひたすら太陽を殴る。
だんだんと殴るスピードは速くなり、殴り方も両手から片手に変わっていた。
だが殴っても殴ってもプラズマが放電するだけであった。
ロゼは急に殴るのをやめ創の方に振り向き、
「あーうんもうダメだ逃げよう!」
笑みを浮かべながらそう言いぜぇぜぇと息を吐いた。
創は一瞬その表情を見て固まってしまったがすぐに考えを持ち直す。
「逃げるって言っても……あー! 心ちゃん!」
創は何か難しい問題が解けた時のようなテンションでそう言う。
ロゼは体内から黒い靄を滲み出す。
そして靄は創とロゼを包み込みその場で一瞬にして消えた。
ニャルラトホテプは辺りを見回して、
すこし腕を組み何か考えているそぶりをする。
彼女は何かをひらめいたのか肉球に爪をしまい、
その肉球で穴を掘り始めた。
彼女が掘った土は一人でに動き、掘っている穴を埋め始めた。
そしてしばらくしないうちに穴は掘る前の地面と同じようになり、
跡形もなくニャルラトホテプはその場から姿を消した。
「うーん! いきますよぉ~!
そーれっ!!」
そう言うと図書館敷地にできたドーム状の青い炎が
一瞬にして神堕 聖の太陽に向かって狭まった。
太陽は青く輝きだし、膨張する。
ドクンドクンと心臓の鼓動が少しの間鳴り響いたその瞬間、
そこから球体上に青い炎の覇気を払った。
「ふー! いやーなかなかすごいねこれ~?」
彼女が辺りを見回すと青い炎の海になっていた。
だが、炎は物や植物を燃焼させている様子はない。
その場で存在しているだけである。
「あれ~? 創は~? ていうか他の人は~?」
彼女は辺りに人がいないと言う事に気づく。
それどころかニャルラトホテプもいない。
入り口の方には兵士達が槍や剣を持ち彼女を警戒していた。
だが彼女は楽しそうな表情を変えず、
自分がまとっていた青い炎を消しその場に座り込む。
「まぁいいや! これでみんなわたしをしんこうするだろうし!」
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「うっぷ……あ”あ”、もう最悪だぁ……」
「大丈夫ですかロゼさん……って、ここどこですか……?」
創たちは現状、暗闇の中にいる。
前も後ろも上も下も真っ暗。歩こうとするとコツコツと言う音が聞こえる。
「図書館地下のやべぇ神が祭られているであろう秘密の場所ー
あの青いのでここにしか瞬間移動できませんでぁぁああやべぇ吐きそう。」
「図書館地下ですか……なんでこんな真っ暗なんでしょうか……
ロゼさん? あの、どこにいますか?」
創は暗闇の中ロゼを探ろうと手を前に出し辺りをうろつく。
「あ”-創ぇー私はここだぞー」
「えっあの、こ、声出したままでいてください!」
彼女はロゼの出す適当な声を頼りにその声がする方へ歩み寄ろうとする。
その時、彼女はひんやりした何かに足元を取られ転んでしまう。
「ひゃぁ!?」
「どーした創、ここにいるスライム共に足でも引っ張られたか。」
淡々とした口調でロゼはそう言う。
「す、スライム!? 今踏んじゃったのスライムなんですか!?」
「あーうん、踏む程度なら攻撃してこないから安心して。
魔法とか剣とかでつっつくいたら攻撃してくるからなー
あと絶対やっちゃいけにないのは光を見せることだー
暗いからって灯りともすなよー」
「は、はい!」
創は転んだまま這いずりロゼの声がするほうへ歩み寄った。
「うわぁ、どこ触ってのさ創。」
「えっ、ロゼさんここにいましたか。」
創は手に触れた何かの形を探る。
人型で髪の毛があってツインテール。
たぶんこれはロゼなのだろう、そう思い創はその場で座り込む。
「えーっとロゼさん……
聖ちゃんがなんか変な感じになりましたが……」
「あーうん。GWEの制作者だから能力奪取とかそういうの持ってんだろ。」
「能力ダッシュ……? なんですかそれ?」
「ダッシュじゃなくて奪取。奪われたり取られることだよ。
アイツはクトゥグァの能力を奪ってああなってるかもしれん。」
そう聞こえた後、ため息をついたような音がして、
その後すぐ何かを振り回し、空を切る音が聞こえてきた。
「ところでさっきのバールのような物は一体何なんですか……?」
「ああ、同じく能力を奪取、引きはがすことができる、
記憶がパァンになる前の私が作ったであろうチートツールの一つ、
バールXのことですね。」
「ひ、引きはがす!?」
「しかも引きはがした能力はバールXに吸収されて
それがバールXの特性になったりするのさ。」
そう聞こえた後、空を切る音がさらに早くなる。
「なかなか強い武器ですが……さっきのアレで引きはがせましたか……?
なんか電撃走ってましたけど……」
「残念ながら無理でしたね。
普通だったらああいう技とかも吸収できるはずなんだけどなぁ……
もう何もかもが想定外だよまったく……」
創はそれを聞いてふと疑問に思ったことを彼女に問う。
「あの……いろいろチート系の奴を作っているのであれば、
愁ちゃんを探すものもあったりするんじゃないですか……?」
しかし返事はない。
誰も答えることはなくその問いは静寂に流れる。
「えっ? ろ、ロゼさん? そこにいますよね?」
創はロゼがいた場所に手を伸ばすがそこには何もなかった。
彼女は慌てながらロゼを呼び、返事を待つ。
返事がない、ただのクソ野郎のようだ、っつってね。
チート武器に至っては実際探られたくないもんでね。
無いって言っても『ロゼさんなら絶対作ってるでしょー
だってドラ〇もんの道具も作ったんですしー』とかいって
ひたすら聞いてくるでしょうし。
ということで私は床を虫の様に這いずって創から逃げました。
創の焦った声が聞こえますねぇ。
あははは、ごめんね創。こうでもしないと君何度も聞いてくるだろう?
通心開始、心ちゃん。
さてとだ。記憶浸食率も上がってきてることですし、
私も記憶がやべぇ感じでふるまいますかね。
ということでその指摘を創によろしく心ちゃん。
( ___やだ。 )
わお、君もか。
でもマインドと違って何か用事はないんだろう?
( __そうじゃない。創さんを目覚めさせるには自分から気づかせないと )
あー心ちゃん? 創はあそこで目覚めてるよ?
それか君は彼女の事情を知ってるのかな?
……黙りおったよまったく……
しばらく口聞いてくんねぇだろうなぁ……って、なんだ?
なんか、走ってくる……?
少女全力疾走中……




