這い寄りそうな混沌 6:23~
ファンタジーな物語を作るときに幻獣とか取り込みたくなるよね。
いろいろ取り込んじゃいました。やべぇのからかわいいのまで。
主に例の神話とか。それっぽいのいろいろぶっこみました。
図書館内部 AM 6:23
「こっ……かっ、カイングちゃんなにをやっているだ……?」
ロゼさんはあらぬ方向を向いて苦い顔をしていました。
しかも目元をピクピクとさせながら。
「え?カイングちゃんがいるんですか?」
振り返ろうとしたら、
なぜかロゼさんが後ろに一瞬に回り込んできてヘッドロックをしてきました。
「ぐっ……!?へっ!?」
「あっちを見てはいけない
あそこには見てはいけない化け物がいる
君があっちを見ると君の精神心何もかも溶かされるぞ
とりあえずこっちを見ろ。」
何を言っているか早口小声のせいで聞こえませんでした。
唯一聞こえたのは化け物がいるって事だけです。
ロゼさんの顔は見えませんでしたがかなり焦っているようでした。
「化け物がいるんですっっムゥー!」
ロゼさんに口をふさがれました。
「図書館ではお静かにィィ……!
カイングちゃんはたぶん無事だけど説明し忘れたことがある!
一旦図書館から出るぞやべぇのがいるからぁ……!」
小声でそういいながら図書館の入り口まで
ヘッドロックされたまま引っ張られました。
出るときに周りから冷たい目で見られちゃいました。うう……
「あ、あの、化け物がいるってどういう……?」
私がそう言うとロゼさんは頭をかかきむしりながらこう言いました。
「いいか創。ここはただの図書館じゃァない。
ちょーっとやばい神が祭られているっていうか封印されてる図書館なんです。」
なんで図書館に神が封印されてるんですか……
「どういう図書館なんですかソレ……」
「っで、そのクトゥ……その神はいろいろ私が作った設定的に
復活するのはかなり先のはずなんだけど……」
「復活してるんですか……」
「ううん。復活イベで起こりうることが先駆けて起こってる。
簡単に言えばゲーム起動直後、
バグってチャプター飛んで最初からクライマックスの状態ってわけだ。
神の復活を防ごうと現状別の神が来館しているんだが、
そのイベントの雰囲気とか状況が全然違くてねぇ……」
「つまりいろいろおかしいと……
ていうかその神って何者なんですか?」
「みんなの背後に這いよる混沌ニャルラトホテップゥ! って知ってるか?」
謎のポーズをしながらテンション高くそう言ってきました。
「いや知りませんけど何なんですかニャルラトホテプって。」
「あれ? なんか違ったかな? まぁいいや。
とりあえずニャルラトホテプって言う名前の神が、
勘違いでこの図書館に来館しております。
そいつは姿を自由自在に変えることが出てきてですねぇ、
ここら辺にいる誰かに変装して潜入し復活を防ごうとしているんですが……」
「その……ニャルラトホテプがカイングちゃんと接触してたってことですか……?
? そういえばカイングちゃんがいるなら
ウェドさんもここにいるってことですよね?」
昨日ロゼさんからこんな話を聞きました。
ウェドさんはいろいろショックで城に引きこもっていたらしいですが、
それをカイングちゃんの絶対服従で無理やり立ち直って、
『この世界も良いよ。』ってカイングちゃんに言われて
この世界の冒険を強いられたんだとか……
まぁ、ウェドさんは条件付きで冒険を始めたそうなんですが……
「そうなんだよなぁ!! ウェドが近くにいるはずなんだよなぁ!!」
カイングちゃんと一緒にという条件で冒険を始めたんですよね……
しかもずっと一緒にいるらしいです。トイレまで待つほどらしいですし。
ウェドさんの変態じみた行動を思い浮かべてすこし気分が悪くなっていると、
「何をしてるの?」
図書館入り口からひょこっとカイングちゃんが出てきました。
急に出てきたのですこしビックリしちゃいました。
ロゼさんを見たら変な顔をしてカイングちゃんの方を向いていました。
「はぁ……やーっぱりか……
はい。創。
こいつが這いよる混沌ニャルラトホテプでぇす。」
「「……!?」」
カイングちゃんが……ニャルラトホテプ……!?
ってどういうことですかね。
<>
カイング(ニャルラトホテプ)は現状動揺しておりますね。
そりゃあそうでしょうね。バレるのたぶん初めてだから。
「ニャルラトホテプの見分け方~その1!
目の模様! なんか十字になってるでしょ?」
「十字……?」
ああうん。創、めちゃくちゃ近づいてじっくり見てるね。
そこまでしないと見えないかな? 結構分かりやすいと思うんだけどなぁ……
ホテプもホテプで照れてんじゃないよ。かわいい奴め。
「確かに目に十字があります!」
そうだね。十字あるね。
でも肩まで掴んでこっちに見せられても困るんだけどな。
ていうかさっき化け物って言ったのにもかかわらず……
なーんも警戒も無く触れてるんだよなぁ。
あははは。邪悪な表情してらっしゃるわ。
「その2はないから安心しなポテフ。
あと創、少し離れていた方がいいぞ。ていうか全速力で逃げろ。」
「えっ!? どうしてですか!?」
そんな野良猫拾って親に
『野生に返しなさい』って言われた時のような顔されてもねぇ。
ぶっちゃけ可愛いんだけどさぁ。猫をかぶった猫なんだけどさぁ。
あーあ、オーラ出し始めた。
「うぇっ!?」
ああうん離れたね。3歩ぐらい。
でももっと離れないとダメなんですわ。
「そこ居る人等ー! ここから逃げた方がいいですよー!
超危険生物が、あんたらを殺すかもしれないからなぁ!!」
私は大声で周りに呼びかけました。逃げろって。
まぁ保険なんだけどさ。暴走止められるし。
「えっ? 危険生物?」
「なになに?」
デスパイラルシンドローム味わったかなこいつら。
死んでパーになった恐怖感だのなんだの取り戻すために作ったんだけどなぁ。
逆効果だね。めっちゃ楽しそうに近づいてきてるね、あーあ。
彼女の声によって遊んでいた一部の人がロゼに近づいてくる。
奥の方にいる人たちには声は聞こえていないのか遊び続けている。
遊びに夢中で環境音として聞こえているのか
それともただただ聞こえていないだけなのか。
そんな中、
カイングの姿をした何かは、
おどろおどろしい色のオーラを出しながら、
黄色い粘液を服の表面から出しながらドロドロに溶け始めた。
「と、溶けて……!?」
創は溶けているカイングから離れすこし警戒している……?
周りに寄ってきた者たちは溶けているカイングを
マジックを見るかのように傍観していた。
うん。もう止めよう。いろいろまずくなってきた。
「おいホテプ。お前の行動はすべてお見通しだっ!!
復活止めなくてもあんたには何の害もない!!
だってここに封印されているのはクトゥルフだもの!
『門』を開いてとっとと立ち去れ!」
って言えば暴走止まって帰るはず~
あれ?止まんねぇ。ていうかもう形が……
カイングだったものは徐々に形を変え、
手は肉球のようになり、
頭は大きくなりエルフのような耳を生やした。
頭と体のバランスはおかしく、まるで被り物を被ってるかのようだった。
だが今だにドロドロした状態である。
あるぇ?全然変身止まんないよぉ?
まぁ確かに状況が全然違うから別の要因で来てるんだろうけどさぁ。
その要因って何。アイツか? アイツなのか?
でもそいつには関わりたくないし……
いろいろと考えながら周りを見ると人がさらに寄ってきていた。
やべぇ。下手すりゃみんな死ぬぞこれ。
手元にアレもアレもねぇし唯一対処できる方法は……
「おい!マジで逃げろ! もう一度死にてぇのか!」
そう言うと彼らは若干困った顔をして少しだけ離れた。
しかし離れない人も中にはいた。
その人たちを見て少し腹が立つ。
「創! 離れるぞ!」
私は創の手を掴んでニャルラトホテプから走って離れた。
「あんたらも逃げた方がいい!! 急げ!! 」
そう言ったら、すこし戸惑いながら一緒に逃げてくれました。
とりあえず口で言うより行動で示したらやってくれるもんだね。
子供は逃げるのが好きなのか若干笑顔でした。
それか新しいものに興味持って、
ニャルラトホテプを見て笑顔になってるんでしょうかね。
近くにいたホテプを見て離れない一人の子供の手も引っ張って離れました。
「な、なんですかアレ!?」
創がホテプを見て驚いてました。いまさら驚いてもねェ。
「私が作ったとされるニャルラトホテプ!!
神! 這いよる混沌! やべぇ奴!!」
逃げているとホテプがオーラを辺り一面に放ちました。
オウフ! 心がっ! SAN値ぐわっ!
そのオーラは恐怖心の塊のような物であった。
一瞬にして私の心は恐怖に取りつかれる。
大丈夫、大丈夫と心を落ち着かせる。
周りを見ると全員無言のまま怯え、
オーラが出た方向、ホテプの方を見ていた。
逃げようとしていたものの、恐怖で足をすくみ倒れている人もいた。
私が引っ張ってきた子供も怯えながら見ていた。
私もホテプの方を見ていた。
状況を見るにアレはまだ形作っている状態だが、
アレが動き出そうものなら一瞬にして死ぬかもしれない。
「えっ!? な、何が起こったんですか!?」
だが創は恐怖心とか感じなかったっ……!
創の吞気さで私は冷静になり、
ホテプの方を警戒しながら創にこう伝えた。
「いいか創。あいつは神だ。
このままじゃこの辺りにいる奴全員死ぬかもしれん。」
「全員……死ぬんですか!?」
「が、だ。一応倒せるは倒せる。
ある呪文を唱えたら倒せなくもないが……
私は魔力を持っていない。君が唱えてくれ。」
「へ!? 初戦闘神ですか!?」
そうだね初戦闘神だねやったぁ。じゃねぇんだよなぁまったく。
「安心しろ、神も倒せるチート呪文なら知ってる。
低燃費かつ極小の魔力でもいける奴をな。」
そう言って創の耳元に小さく、
『秩序崩壊デバック魔法シリーズ』の一つをささやきました。
アイツに対抗できる呪文……
めっちゃくちゃ長くした自分を恨みたいがコレはもうそのまんまだからな……
呪文を聞いた創は興奮したそぶりを見せてホテプの方に指を向けました。
若干緊張しているっぽい。呪文長いもん仕方がないね。
少しばかり創と距離を取り、ホテプと創の様子をうかがう。
ホテプは少しずつドロドロではなくなり形が整ってきている。
服も変わり、茶色いフードから赤いワンピースに変わった。
その上青いマントを付けている。
エルフの顔をした被り物はグラグラしており今にも落ちそうだ。
手は茶色い肉球になり、そこから鋭い爪が伸びている。
被り物の顔の表情は何も変わらない。
変わらないその表情を見て若干怖いと思ってしまった。
自分で作って何だがあれは普通に怖い。
裏ボスだもん。そりゃ手も凝るわ。
創は今深呼吸をして息を整えている。
呪文唱える時に指を向ける必要はないんだがまぁいいや。
噛むなよ発音良く言えよ呪文忘れたとかいうなよ!
……呪文、噛みそうです。
だって長いですもの。でも呪文からしてえげつないってことは分かってます。
呪文の名前聞き忘れましたが。
ロゼさんから聞いた呪文、頭の中で何度も流しています。
間違えたらまたロゼさんにぐちぐち言われちゃいますからね。
しっかりと着実に……
でも大丈夫ですかね……図書館吹き飛びませんかこの呪文……?
まぁロゼさんの事ですし、「『自分の作った世界壊すわけないだろ』」
とか言って……? 今、ロゼさんの声が……
気のせいですね。
私は息を整え、ドロドロになっているアレに対して、
めちゃくちゃ長い呪文を唱えました。
「ふんぐるい、むぐるうなふ、くとぅぐあ、ふぉまるはうと___」
唱え始めると私の目の前に青い炎の風が吹き荒れました。
それは球体になって青い太陽のようになりました。
すこしそれに興奮しながらも最後まで呪文を唱えます。
「____んがあ、ぐあ、なふるたぐん、いあ! くとぅぐあ! 」
ちゃんと噛まずに言えました!! いっけー!!
呪文によって生み出された青い太陽。
創は銃を撃つかのように指をふるったが、
ニャルラトホテプには向かわずその場にとどまっている。
創は動かない太陽を見て少し慌てていた。
呪文を噛んでしまったのか、魔力が足りていなかったのか、と。
呪文詠唱は完璧。魔力も足りていた。
彼女が唱えたその呪文は攻撃するための呪文ではない。
ましてや防御をするものための呪文でもない。
ニャルラトホテプに対抗できる、神を召喚する呪文だ。
唱えてみたい呪文TOP10の6位ぐらいが↑コレ。
ふんぐるい、ふんぐるい……
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