■■のコテージ散策。5:20~
■■が失われていることは自分でわからないことが多い。
急にパッと消えたらわかるが、徐々に消えると全く分からない。
だがそれは普通の事。
普通のことだからこそ消えていても何も思えない。
それが意図的であっても。
過去に忘れ物はありませんか?
同日 AM 5:20 北の山上コテージ前
おはようございやぁぁぁぁぁす!!
私だよ私ィ!憶えているかい?
私は尾張って言う名前らしいけど全然憶えてないよぉ!?
彼は青いハワイアンTシャツ、クリーム色の半ズボン、サングラスを身に着け、
笑顔で誰もいない方に全力で手を振っていた。
恐らく君たちは奴の回想シーンを見ていたんだろう。
残酷な過去だったろうね。まさかアイツが……
まぁ私は憶えているはずなんだけどこの世界の影響か、
自分の記憶が曖昧になってきて分からくなっている。
てなわけで、このままじゃマジでやばいから
アイツのクローンボディでも拝借しようかとここに来たわけだ。
使えるものは使っていかないとねぇ?
君たちは自分の危機を理解しているかい?
私は記憶が消えているという事実を他人に教えられて理解したからね。
他人に教えられるより先に自分が先に気づかないとダメだよ?
さっ、入っていきましょうか!!
彼はコテージの中に入り、あたりを見回す。
コテージは全体的に木目調でおしゃれな雰囲気があった。
入り口には3つのドアがあり、その奥にはリビングダイニングキッチン。
天井を見るとプロペラがついているだけで回っていない。
LDKか。まぁコテージではよくあるよな。
開放的だね。ま、どこにでもありそうだけどさ。
どこにでもある風景の中にやべぇもんがあったりねぇ?
自分が見ている風景に常に違和感を持たなきゃいけないよぉ~?
じゃ、いろいろ見ていきましょう。
奴の研究所的な入り口がどっかにあるはずだぁ……
彼はコテージの中を歩き回り、各部屋のドアを開けていく。
一つ目に開けたのは洗面所と、風呂がある部屋だった。
風呂の方を見ると湯が張っており、あたりには水滴が散っている。
うーん。まぁここはないな。
普段使っている場所に研究所の入り口があったら
あれっ、なにこれ……つって驚くだろうね。
ハイ次ぃ!
そのドアを閉め、次のドアを開きに行く。
ドアを開けるとそこは寝室であった。
ベットが壁端に一つづつ置かれており、片方のベットは綺麗にたたまれているが、
もう片方のベットは乱雑に散らかっていた。
クローゼットは半開きになっており、その半開いている部分を見ると
服や荷物などが入っていた。
床にはカーペットが敷かれており、若干斜めにずれている。
アイツらの部屋か……
怪しいところはまずクローゼットかな。
クローゼットに歩み寄り、半開きから全開にあけ中を見る。
中は綺麗に整頓されており、怪しそうな箇所はない。
アイツがこんなごちゃごちゃしたところに入り口作るはずがないからな。
きっと入りやすいところに入り口があるはずだ、か、ら!
尾張はクローゼットを閉め、
床にあるカーペットを引っ張った。
そこには木の床があり、その溝にはほこりがたまっていた。
……ここじゃないか……
すこし残念そうにしながら彼はカーペットを元に戻す。
そして寝室から出て、その向かいにあったドアを開ける。
そこは用具置き場のような場所であり、
ノコギリや農業用肥料、チェーンソーやじょうろなどが置かれていた。
用具置き場は全体的に綺麗であり、
まるで新築。とてもではないが異常に手入れされているようであった。
上の壁にはブレーカーがあり、電源が通っているようだ。
とてもファンタジーの世界観に合ってはいなかった。
あははは。アイツが作った世界観って結局どれなの。
でもこういうところに怪しいものってあったりするだろうね。
ごちゃごちゃしたところにほこりがかかっていないところ、
そこにきっと入り口があるはずだ、が……?
ふと用具置き場のドアを開閉する金具の付近を見ると
赤いボタンのような物が壁に埋め込まれていた。
あーうん、たぶん入り口のドアってこれだろうね。
そう安らかな顔をしながら躊躇なくそのボタンを押した。
すると用具置き場の木の床が交互に左右に分かれながらめくれ上がり、
地下への階段が彼の目の前に現れた。
その階段の奥の方には緑の非常灯らしき物が右の壁についているのと、
その非常灯の下にドアらしきものが見えた。
わーかっこいー
創これによく気づかなかったなぁ。
あいつなら躊躇もなく見つけたら押すかもしれないのにねぇ。
私みたいに。好奇心旺盛な私みたいに。
ねぇ? こんなわかりやすいボタンあったら押しちゃうよねぇ?
階段に降りようと前に進む。
すると彼は階段の壁にも同様に赤いボタンがあるのを発見する。
内側からも閉めれるようにもなってるポイねェ。
まぁ開けとくんですけど。
そうへらへらしながら階段を降りていく。
こうしておくことで私が何かに襲われようとすぐに出れるからね。
まぁ私の活躍を見て分かる通りそんなたやすくやられやしないけどねぇ?
ねぇ? アンダーブルーじゃ無双状態で神堕 聖を助け出しましたし。
……ああうん。そうゆうのは憶えているね。
たぶんだが自分の存在と言う物が消えているんだろうね。
その代わり良く分からない……変な何かが……
彼は頭を手でかきむしりながら何だ?という顔をしながら
階段の先の廊下にたどり着く。
その廊下には少しばかり暗い。
廊下には扉が4つほどあり、その上にはどれも非常灯が灯っている。
そしてその廊下の奥には不思議な絵が描かれていた。
なんだあの絵……タコ? うん? ね……こ?
眼玉みたいなものもあるしなんだありゃ……?
彼はしばらくその絵を見続けた。
うん!分かんねぇ!
で、あいつのクローンボディはどこにあるのかなぁ!……っと、
まず一番手前の左のドアを開ける。
部屋にはベットが10数台ならんでおり、
そのベット一台ずつに、オフィスサーバーが右横に設置されている。
左横には白い木製の机にヘッドギアのような物が置かれていた。
……何だこの部屋。
彼はその部屋に入り、机の上にあったヘッドギアを手に持つ。
あれだな、だぶんこれで意識とか記憶とか転送するんだな。
とはいえまだ憶測の状態だからとりあえず置いとこうねぇ~
ヘッドギアを机に置き、すこしあたりを見回しその部屋から出る。
さて次の部屋は……っと。
すこし伸びをした後向かいのドアを開ける。
するとその部屋には……
「え?」
あ……
黒いレザーハットをかぶり黒いジャケットを着ている茶色い髪の少女が、
椅子に座り本を読んでいる中、
彼女は自分の青い目で彼を見ながらきょとんとしていた。
<>
少女はとても不思議そうにこちらを見ている。
可愛らしいねぇ。んなんでここにいるんだ?
あいつが作った人間か? 罠だな、よし戻ろう。
彼はドアをすぐさま閉める。
うん。次に行こう。
彼はそのまま右に進み、階段から降りて左奥にあったドアを開けようとする。
しかしそのドアには鍵がかかっているのか、
ガチャガチャと言う音がドアノブから聞こえる。
よくみるとドアノブの上側にカードキーを入れる差込口のような物があった。
……よし、じゃあその後ろのドアは……
彼がその後ろにあったドアを開けようとするが、そのドアも開くことはなく
ただドアノブのガチャガチャした音が鳴る。
このドアにも同様にカードキーの差込口ような物があった。
……さっきの子に聞くしかない……と。
彼は少女がいた部屋のドアを開ける。
するとドアを開けたすぐ前に少女が立っていた。
後ろを見ると彼女が先ほど読んでいた本が椅子に置かれていた。
そして部屋をじっくり見ると本棚が壁一面に置かれており、
本棚には様々な本が棚に入れられていた。
本は床にも置かれており、その部屋は本に埋め尽くされていた。
「あー……ええっと、尾張さんでしたっけ?
ここに何しに来たんですか……?」
少女はすこし怯えながらそう喋る。
いや、私の記憶が消えかけてるもんで、クローンボディとかなんとかに
自分の意識を転送しようとここに来たんだが……
てか尾張って誰だ。私は……
少女は首を傾げる。
「あの……どうしたんですか……?」
ていうか君は誰なんだ?
アイツに造られた奴か? それとも異世界転移者か?
それかまさかの■■■か?
あれ……?自分今なんて……
「おーい! ど、どうしちゃったんですかー!?」
少女は彼の顔に向けて手を振る。
どうしたってっあの、喋ってるんですが?
それとも無視か。わざとか。
「まさか記憶が……いえでも人格が……」
そう言いながらうつむきながら考えるそぶりをして彼の顔を見る。
彼はすこし不機嫌そうにしているだけで喋る様子はない。
「いいですか尾張さん。こっちに来てください。」
そう言いながら彼の手を引き、
先ほど彼が入ったベットだらけの部屋に少女は入る。
「今からあなたの記憶や意識をクローンボディに転送します。
すこししんどくなるかもしれませんが我慢してください!」
そう言いながら少女は彼にヘッドギアをかぶせ、
ベットの上に寝かせるように誘導する。
彼は流されるままベットの上に寝ころび少女ににこやかな笑顔を向ける。
「すこしそこでじっとしていてください!
隣の部屋でいろいろ準備しますので!」
少女は部屋を出て、その部屋の隣にあるドアの前に立ち、
懐から幾何学模様の入ったカードキーを取り出し差込口にいれる。
ピーという音が鳴ると少女はその扉を開け中に入る。
部屋は研究所のような雰囲気であった。
右側の壁の中心には近未来的な巨大金庫らしきものがあり、
その横に机と椅子があり、机の上にはノートパソコンとマウスが置かれていた。
少女はその机に歩み寄って椅子に座り、パソコン起動する。
すると画面に001、002と順に番号が左端に表示され、
001が緑に点灯され右に大きく『STAND BY』と書かれている。
少女はその『STAND BY』の文字をマウスで操作しクリック。
『 001 →→→ CLONEBODYー005typeC
▶読込率 99.629% 転送可能〇
▼記憶障害、捏造率:62.750% ▼GWEスキル付与:無し
▼確認済みの異常:神経異常
記憶変換
自身の存在の消失
正体不明の呪い4(仮称:S1 S2 S3 S4)
▼素体転送後、
素体が捏造されている人格に乗っ取られる確率:93.035%
▲attention▲
対象がクローンの姿と違いますがよろしいですか?
対象のクローンを作成することも可能ですが少々時間を要します。
作成する場合は【クローンを作成】←をクリックし、
新たに表示されたウィンドウを見て手順通りに行動してください。
⦅><『READY?』><⦆ 』
そんな画面が表示されてまもなく、
少女は迷わずマウスカーソルを『READY?』に合わせクリックする。
その途端に、どこからか男の悲痛の悲鳴と電撃音が聞こえてきた。
画面には『転送中 15.256% 』と表示され、
だんだんとパーセンテージが伸びていく。
「はぁ……尾張さんまでも影響が出ているんですか……
もうみんな記憶が捏造されつつあるんでしょうか……」
うつむきながら部屋を出て、少女は彼がいる部屋の様子を見る。
彼はじたばたしながらヘッドギアから出ている電撃を喰らっている。
ああああという悲痛な叫び声が今だ途絶えることはない。
恐らく途絶えるのは転送中のパーセンテージが100%になったときだろう。
「……ごめんなさい。あんな人で……」
心配そうに言い、少女は本だらけの部屋に入る。
先ほど読んでいた本を手に取り、
巨大な金庫らしきものがある部屋に戻りパソコン前の椅子に座り、
挟んでおいたしおりを頼りにページを開く。
そして少女は再びその本を読み始めた。
私の■■は徐々に消えていく。
その消えていった■■に新しい■■が植え付けられようとしている。
なぜそれをするかと■■■に問うと、
「この■■はあなた達の■■■■■じゃないから。」
とか言ってたね。
ハハハ。馬鹿げてる。
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みてみんの挿絵機能を使ってみました。
まぁ意味不明な絵ですが許してください。




