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思い出なんて印象に残っているものしかないよ。

久しぶりの学校。三ヶ月ぶりぐらい。

その間、いろいろありましたね。


昔を振り返ると今の自分がどうあるかを感じれます。


    いろいろ、変わりまシたか?


気づくと彼女は死ぬ前に通っていた学校の、

中学二年のクラスの教室の後ろに側にいた。

先ほどまで暗闇だった視界が一気に晴れたせいか視界が少しぼやけている。

それでもなおここが自分の教室だと言う事が分かる理由、

それは彼女自身でもわからなかった。

暗闇の中持ち上げていた椅子を置いて自分の目をこすり、辺りを見渡す。


なんか変な感じが……


机や椅子などは普通っぽいのだが、

床や壁などがほわほわしている感じがした。

なんというか、夢の中のような感じの。


……夢なんでしょうか。というか夢以外ありえないですよね。

第一、さっきまで城の前にいましたし。


そうして彼女は彼女が居た教室を歩き回り始めた。


「やっぱり私の教室ですよね……

 でっかいテレビもありますし、サボテンも飾られてますし……

 しかも名簿までありますし……あれ?」



『2-3 名簿   担任 ■■■■■ 副担任 ■■■■ 』



教卓の上にあった名簿を見ると、

先生とクラスメイト達の名前の文字ががぐねぐねと歪んでいた。


一部を除いて。


『安藤 美紀(あんどう みき)』、『神堕 愁(かみだ しゅう)』、『斉藤 創(さいとう はじめ)』、『立花 香(たちばな かおり)』……


夢だからでしょうか……知っている人しか……

いやでも先生の名前は……


そう思いながらふと前を見ると、

背面黒板に何かしら書かれているのを発見する。


『いろいろ説明する前にちょっとやることがあるので遅れます。

 あなたがここに入学してきたことでも思い出しながら

                  ここで待っていてください。 

 

             さっきあなたの後ろにいた黒いフードを着た者より』


あの人がそうなんですね……

ていうかコルプスさんですかね?さっきの感覚もありますし、

絨毯がコルプス……マインドさんだとすればまぁ分からなくもないですけど……

でも夢の中ですし……


深く考えるがこの状況に関してはまったく分からなかった。


「うん!分からないことは分かりません!ここに来るまで待ちましょう!」


そう言い、自分が死ぬ前に座っていた席を確認し、そこに腰を掛けに行った。

そして自分の机にぐでーっとする。


はぁ……入学式ですか……

あの自己紹介のくだりしか思い出せませんよ……


そう思いながら彼女はあの日を振り返る。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



「はぁ……気まずい。」


入学式後、創がいる教室にて。

彼女はホームルームの自己紹介で緊張してしまい、

片言になってしまって気まずくなっていた。

自分の前に自己紹介をした数人はテンションが高い人ばかりであったがために、

少し浮いていると感じていた。

とはいえ周りのテンションは変わっていないが。

それどころか周りから可愛いと言われていたが彼女はそれどころじゃなかった。

やっちまった感と、こんなんでいいのかという感情が

創自身をを押し付けていたからである。


彼女はこの時初めて『運』と言う物を憎んだ。

私の自己紹介の順番を決めたあの『くじ』を。


ああ……早く帰りたい……


そう思いながら次々と行われていくハイテンションな自己紹介を

ただ茫然と見聞きしていた。

そんな中、創はハイテンションではない静かな雰囲気の生徒を見る。


「初めまして。神堕 愁(かみだ しゅう)です。趣味は読書、勉学です。」


その女の子は黒髪でショートヘアで、すこしジト目であった。

それでいて少し不機嫌そうにしていた。


はぁーよかった。ハイテンションじゃない人ちゃんといたわ。

そりゃいるよね。いなかったらふざけんなって思うもの。


創は真剣にその子の自己紹介を聞こうとする。


「嫌いな人はルールが守れない人、うるさい人とふざけやすい人です。

 特にこのクラスではそう言う人が多そうなのでしっかりしてください。

 一年間よろしくお願いします。」


わー……なんというか、すごいのが出てきた。


彼女の自己紹介を終えた直後、周りはみなあんぐりしていた。


先生も少しばかりあんぐりしていたが、

咳ばらいをしてすこし動揺しながら

自分の席に戻ろうとしていた彼女を止めようとする。


そうして彼女はすぐに前に戻りこう言った。


「あと、生徒会長を目指しているので、よろしくお願いします。」


そう言って普通に自分の席へと戻っていった。

すこし彼女は冷たい目で見られていたような、そんな気がした。


生徒会長……って、あの発言の後それを言うのかい。


そんな彼女を見てそう思った。




ホームルーム終了後、下校時間。

クラスの人たちはそれぞれで見知らぬ人同士で集団を作っていた。

自分と気が合う人と接触し友情関係を築くやつだ。

そんな中、創は颯爽と帰ろうとしていた。

教室から出て廊下の階段で下ろうとしていた時、


「斉藤さん。」


誰かから後ろから声をかけられた。

とっさに振り返るとカバンを持った神堕が真顔でこちらを見ていた。


「あー……神堕さんだっけ?どうしたの?」


「見て分かりませんか?」


と言って神堕は右手に持っていたカバンを自分の顔の横まで持ってくる。


「いやあの重たくないの?教科書とかいっぱい入っていると思うんだけど……」


入学式とか新学期恒例の新規教材ずっしりカバン。

創はそれが重たく両手で持っているが、

彼女はそれを軽々と持ち上げている。しかも片手で。


「ええ。別にこれくらい普通でしょう。」


ふ、普通?こんなに重たいのに?


「そ、そうなの……であの、どうしたんですかね……」


そう言うと神堕はクラスメイト達の方を見る。


「さすがにあの人たちと校門まで行くのは気が引けます。

 ですので一緒に校門までついていってくれませんか。」


「なるほど。寂しいわけですね。」


「違います。ああいう人たちが嫌なだけです。

 あとあなたに興味を抱いているからです。」


早口でそう切り返してきた。


「私に興味?」


「ええ。さきほどの自己紹介で興味が湧きまして。」


「あんな自己紹介で……?」


興味持つようなこと言ったっけなぁ……

趣味ぐらい?漫画とかアニメを見ることぐらいしか言ってないけど……


彼女は顔が引きつり、すこし照れる。


「別に興味を抱いてもいいでしょう。

 どのみちあなたとはこの先関わっていくのですから。」


「ま、まぁ3年ぐらいここに通うからね……

 そう言う意味では関わった方がいいのかもしれないけど……

 でも他に友達は?前の学校の友達の子いないの?」


「私は東京から引っ越してきたので友達はいないのです。

 というか私に友達はいません。」


すこし彼女は寂しげであった。

目線をそらし、ひじに手を置く。


「……やっぱり、寂しいのかい?」


「違います。」


早口でこちらの目を見てそう言う。


「ああはい。分かりました!一緒に帰りましょう!」


彼女はその時、神堕は寂しがり屋である事を仮定し、

しょうがなく一緒に帰ってあげようとした。

すこし可愛げがあるそのしぐさで少しにやついていたが。


「ええ、帰りましょう。」


そう言って、彼女は優しく微笑んだ。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


さすが私。くっきりはっきり憶えています。

なぜか愁ちゃんの事しか思い出せませんが。

思えば……あの時から何も変わっていませんね愁ちゃん……

ていうか私がなんか変わりすぎているんですよね。

別人レベルに。あんな奇抜でしたっけ?


本当にいろいろと変わっていますよ……主に……






    しぐサ?       ノうリョく?   

         (しュみ?)            (しゅウカん?)  かわイさ?   

         かみがタ?    (くセ?)         せいベツ?

  ちしき?          ふんイき?          (キもち?)

         (つよサ?)  かんガエカた?   

     こコロ?                 (いんショう?)   

             せいカく?       こセイ?        

         (ジブんじしン?)           



             何が変ワってイる?



          自分はイッタいどコが変わッテいル?




変わって……います……

何故か分かりませんが今の自分は確実に……




         あナタはアなた なニも変ワっていなイデす   




でも……あれは自分……



               

            えエ。自分でハありマセンね


             

             きっトほかのダれかでしょう



             自分はずっとヒトりでしタので。




一人ではありません。

ロゼさんやウェドさん、カイングちゃんや姫路さんがいるので。

         


 

            ああ、そうだ。君は一人じゃない。



              だから気にしなくていい。



             君はもう変われているんだから。




……変われて……いル?



          


「っはうわ!?」



いつの間にか彼女は寝ていた。

変な声が聞こえたような、

誰かに語り掛けられたような気がしたがが気のせいだろう。

ていうか夢の中なのに寝れるんだ。


そんなことを思いながらしばらくぼーっとしていると、

廊下の方から足音がして、教室の引き戸が開く。


「お待たせしました創さん。では始めましょう。」


引き戸の前に立っていたのは先ほど創が見た黒いフードをかぶった少女であった。

彼女は真顔で創を見つめている。


「……あ、初めまして。斉藤 創です。」


何故か彼女は恥ずかしそうに返事をする。


「自己紹介……ですか……

 そうですね、まずそこから始めましょうか。」


そう言い彼女は教壇に上がり、深く礼をしてこう言った。


「初めまして。私の名前は『ノウン』。

 あなたに伝言を伝えた人です。憶えていますか?」

次回、いろいろ明らかになっていきます。

 アレとか、アレとかアレとか。




下の★★★★★の評価と、

感想、レビュー等をよろしくお願いします。前進しますので。

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