変な奴等と変な奴と嘘つきな奴と変な奴。
変な奴しかいねぇ。
空を見るとなんか爆発していた。
何の前触れもなく、唐突に。
爆発の中心と思われるのは絨毯があったであろう場所だった。
あそこにいたであろう、いかつい男とサラリーマンは無事なのだろうか。
そう思って千里眼で見てみるが分からない。
爆発跡の黒い爆風のせいで見えない。
彼女の頭の中ではその状況の処理が行われているが、
絨毯の上にいた人たちを心配して処理速度がとても遅くなってしまっている。
そんな中、麻央は創に寄り添い彼女の手を掴みこう言う。
「ここは危なそうだから城の中に行こ?」
それを聞いてゆっくりと麻央の方を見る。
「で、でも……あの人たちが……」
「えへへ。生きてるよ? あれも命令だからね。」
それを聞いて創は目をパチパチさせる。
「命令ないよぅー!
デスパイラルシンドロームになっている人たちの自我を取り戻すために
アレを起こしてそっちに目と意識をひかせるって寸法!
大きなことをおこしてしまえー!ふっふーう!」
彼女は何故か楽しそうであった。
「さ、サラリーマンの人も命令されてですか……?」
武器屋の前にいたあのいかつい男は命令されてああなっているのは
なんか納得できたがサラリーマンに至っては納得できなかった。
見た感じ弱気だったり恐怖に見舞われていたし。
しかもこの世界に来たばっかのような雰囲気がしたし。
「ふふふ~!彼氏結構やり手ですからねぇ!
あれぐらいやって当然ですよ~!
人選の才能もバリバリありますしなかなか!」
ゲス笑いをしながら麻央はそう言う。
(サラリーマンの人……すごいですね……
ていうかあれですか。デスパイラルシンドロームでああなってだけで
実際はシャキッとしている感じなんでしょうね。)
創は自分の勝手な空論でなんとなーく納得してしまう。
「あの……大丈夫なんですね……?
生きてますよね? 死んでませんよね……?」
「ああ!大丈夫だとも!無傷だ!私と彼氏を信じろ!
ほら!城に向かうよ!」
そう言って創の手を引っ張り上げ彼女を立たせる。
そしてそのまま城の入り口の方へと引っ張られていった。
その際、麻央は後ろを振り返り爆発が起きた所を見て真顔になる。
すぐに前を向き彼女は再び楽しげな顔をする。
<>
「……な、なんだあれは……」
入り口を守っている兵士達が空を見て固まっている。
「兵士さーん!?何なんですかアレ!?」
麻央は演技で驚いた表情をしながら、入り口にいる兵士達の元に走り寄る。
「!! 斉藤 創!」
創と共に走ってくる彼女を見て驚く。
そして何かトランシーバーのような物を取り出し連絡を取ろうとしているようだ。
しかもどこからともなく入り口の付近からぞろぞろと兵士達が出てきた。
その様子を見た麻央は一度立ち止まり、兵士達の様子を慎重にうかがう。
「どうしたんですか……?」
「まさか……入り口の奴等も……」
そう言い麻央は彼女の手を離し、懐からリボルバーを取り出し
兵士に銃口を向ける。
それを見た兵士は警戒しながら麻央を見る。
「え!?ちょ、何してるんですか!?」
「この辺の兵士ほとんど偽者なの!アレも偽者!魚介類!
ここまで浸食するとかわけがわからないよ!」
「全然話が読めません!」
創は麻央の行動に大変慌てていた。
なんか唐突によく分からないことが起きすぎて。
あと兵士が偽物とか魚介類とか意味が分からなすぎて。
「貴様!何者だ!」
「あんたらが言うかこのタコぅ!串刺しにしてやろうかぁ!?」
そう言い彼女はリボルバーの引き金を引いた。
銃声で創は耳をふさぎ目をつぶる。
リボルバーから出た銃弾は兵士の額に一直線。
銃弾は命中、したかと思われた。
狙われた兵士の額のすぐそばまで銃弾が近くに来た際、
瞬間的にその兵士を横に蹴飛ばし剣を構える人物がいた。
それにより兵士は銃弾を回避。銃弾は剣に当たり火花を散らさせる。
「あ、あれは……」
その剣を構えていたのは、髪を下ろし、ぐるぐる眼鏡をかけたロゼであった。
<>
空の爆発で空が少し赤くなったり黒い風がなびいていたが、
だんだんと爆発の跡は消え、元の青い空に戻りつつある。
そんな中、地上では……
「ろ、ロゼさ……ん?……」
一人は何をしているんだお前は見たいな表情をして
ぐるぐる眼鏡をかけた奴を見ていた。
「ん!?君の知合い!?あれ何者!?」
一人は自分が撃った銃弾を防いだ人物を見て驚いている。
そしてその人物を知っているであろう人に問いかけていた。
「なっ……お前は……!?」
複数の鎧を着た者たちは唐突に現れて銃弾を弾いた人物を見て慌てていた。
一人は蹴飛ばされて茂みに頭を突っ込み動いていない。
そして一人は……
「おい、そんな簡単に銃を撃つんじゃねぇ……」
すこしばかり怒っているようであった。
「い、いやあのロゼさん……?何をしているんです……?」
創は麻央の後ろでゆっくりと顔をだしてロゼに問いかける。
その声に反応したのか創の方を見る。
「ああ、創ぇ。
とりあえずそこの銃刀法違反者に銃を下すよう言ってくれ。」
そう言って麻央の方に剣先を向ける。
「え?銃刀法違反だったらあなたも刀と言うか剣を持ってるじゃん?」
麻央は唐突にそう言われ不機嫌そうにしている。
「そう言うこと言ってんじゃねぇよ!?
銃を使うなって言ってんだよこんにゃろうがぁ!?」
ぐるぐる眼鏡のロゼは剣先をぶんぶん振りながら怒っているようだ。
「お前は……!?ロゼ……!?」
「あ”あ”、とりあえず彼女らと一回話させてねぇ”?
あとでいくらでも話聞いてあげるからぁ”。
あんたらの仲間の命救ったんだそれぐらいの願いは聞いておくれよ?」
後ろにいた兵士たちを流し目で見てイラつきながらロゼはそう言う。
「とりあえず麻央さん。銃をちょっと下ろしましょう……」
創は麻央の袖を引っ張り不安げに言う。
「敵じゃないんだね?君の仲間なんだね信用していいんだね?」
麻央は創の目を見て真剣な表情をする。
その視線に対し創はゆっくりと頷く。
「……じゃ、この後何が起ころうがあなたの責任だからね。」
そう言い麻央は銃を懐に戻す。
ロゼはそれを見て剣をゆっくりと下ろす。
「ねぇ?簡単に人に銃を向けちゃいけないよ。
危機的状況でしか私は銃の使用を認めんよ。」
そう言った後ロゼは後ろを振り返りこう言う。
「なぁ?銃を人に向けちゃいかんよなぁ?
というか武器だな。武器を人に向けちゃだめだよなぁ?」
兵士達はすこしロゼと距離を取った。
「ロゼさん。分かってると思いますが私怒ってますよ?」
創はこぶしを握り締め笑顔でロゼの方を見る。
「あーあー分かっているとも。
自分の思い通りに行ってないから怒るのも理解はできる。が、だ。
私も思い通りに行ってないんだこれが。」
彼女は両手を広げながら目をつぶりおどけている。
「ロゼさん?いろいろ勝手にやりすぎなんですよ。
一応ある部分を除けば別にこの状態でいいんですが
せめて相談してから言ってください?」
「いや相談したら何やってもいいのか?!そこじゃねぇだろ創!?」
ロゼは手を創の方に出し焦るそぶりをする。
「おい貴様……!」
「あーはいはい怖がるの分かるけど落ち着こうねー」
後ろにいた兵士達の言葉を止めるように
ロゼは後ろを向き目元をぴくぴくさせる。
「あの……ロゼさん?」
その声に反応して彼女らの方を向き、咳ばらいをする。
「ま、まぁいいや。話は後でしよう創。問題なのはそこのお前だコラァ!?」
ロゼは怒りながら麻央を指さす。
「何をあの爆破『あれ彼氏の命令^~』とか言ってんだ!」
「聞いていたの……まぁいいんだけどさ。」
麻央は意味深な表情を浮かべる。
「あれ私のトラップでああなってるからね!?」
「え?」
「え?」
それを聞いた創は困惑する。
また、麻央も同様に困惑する。
彼女は斜め上を向き考えるそぶりをしている。
ロゼの後ろにいる兵士達は目の前にいる存在について話し合っている……
「こらぁ!あんたらも話があんだ黙ってろぉ!」
彼女は後ろを向き怒声を兵士たちに浴びせる。
「と、トラップじゃぁないでしょあれ……」
麻央は少し声を震わせそう言う。
「トラップだよ!?具体的に言うと空から城に近づく奴を爆撃するってやつ!
一定距離に飛んできた奴の脳内に警告メッセージが送られ、
その上で距離を近づけた奴は爆破!木端微塵になるやつだ!」
ロゼは大げさな動きをして説明をした。
「じゃ、じゃぁ、あの人達は……」
すこし顔が青ざめうつむく創。
「安心したまえ創ぇ。ちゃーんと生きてるよ?」
それに対し優しい表情で優しそうにロゼは言う。
「ヒント言おうか。
じゅーたん、いこーる、まいんどぉ。」
そして彼女はアホっぽくそう言った。
その言葉を聞いた創はすぐに納得したのか顔色がよくなり、
頭を抱えてため息をつく。
「……物にもなれるんですかあの人……
でですよ麻央さん。なんで嘘をついたんですか。」
「だよなぁ?なーんで知らない情報に対し嘘をついたんだか。
それだけスマホがくっつけれるドローンが欲しかったのか?
それともそこまでしないといけない他の事情でも?」
ロゼは微笑みながら麻央を睨む。
創は少し起こった顔で麻央を見ていた。
それに対し彼女は焦りの言動、表情を見せる。
「そこにいる変な魚介類の奴等に対し守るように命令されたの!
強引にでも城まで連れてこいって書いてあったから意地でもここに連れてきたの!」
「ああ……守るために嘘つくのはなぁ…‥」
「強引でもって……人の命を気にせずですか!?」
ロゼは頭を抱えため息をつく。
創は麻央のエプロンを強く掴み揺さぶる。
「まぁいいや。彼氏も正体を分かっているというのなら話は早い。
ねぇ?ビックオーシャンから来たタコどもぉ……」
ロゼは後ろをちらっと見ながらにやつく。
後ろにいた兵士たちはその言葉を聞いて慌ただしくなっている。
「ビックオーシャン……? 海? どういうことですか……?」
創はエプロンを掴みながらロゼの方を見る。
麻央はすこし嫌そうにしながらエプロンを離そうとするが離せない。
そしてロゼは彼女らの方を向いてニヤつきこう言う。
「さて。そろそろ私が来た意味を知るころ合いかな?
後ろをご確認ください。それを説明してくれる人が来たよ。」
「え?後ろ?」
後ろを見ると黒いローブを着たジト目の少女が歩み寄ってきていた。
するとどこからか声が聞こえて、
『「今からあなた達に説明します。
その過程に置いて気分が悪くなりますが耐えてください。」』
「誰で……す……ぁ……」
「あえ……なんか……」
彼女らはその声が聞こえた直後、めまいに見舞われてしまう。
それはだんだんときつくなっていき、最終的に目の前が真っ暗になってしまう。
その感覚に見舞われた彼女らはしばらく嘔吐感を催したり、
身体の制御が利かなってしまう。
そして意識がもうろうとし、その場に倒れこんでしまう。
その様子を見たロゼは兵士たちの方を向いてこう言う。
「なぁ。私とタイマンしないかい?」
「はぁ?」
兵士たちは何を言っているんだお前は、みたいな表情をして固まった。
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なんというかこういう感覚何度も逢ってる気がします……
私の精神大丈夫ですかね。
よく分からない感覚に見舞われすぎじゃないですか私。
ていうかあの人誰なんでしょう?可愛いかったですが。
その前になんか変な声が聞こえて倒れちゃいましたが……
……
えーっと……今私どうなっているんです?
彼女は自分の感覚を確かめる。
どうやら地面に寝そべっているようだ。
ん……動けますね。寝起きみたいに体が痺れてますけど。
しばらくすれば動けるようになりますよね……
ていうか今私目を開けていますよね?周り真っ暗なんですが。
身体がある程度動くようになり、彼女は立ち上がろうとする。
その時まだ感覚がマヒしているせいかその場で倒れてしまう。
いてててて……もうちょっとですね……
倒れながら手足を伸ばし簡易的なストレッチをする。
身体がきちんと動くことを確認した彼女はもう一度立ち上がろうとする。
その際、創は腰辺りに何かがぶつかる。
ん?なんでしょうこれ?
彼女はそのぶつかった何かを手で確認する。
すると彼女はそれが何かをすぐに把握する。
なだらかなカーブみたいなものがあったり、
ひんやりした何かがそのカーブにくっついていたり。
それを持ち上げようとした感覚。
そして地味に持ち上げにくいこの形状。
これ……学校の椅子だ。
すると突然辺りが明るくなり、その衝動で創は目をつぶる。
そしてゆっくりと目を開けると……
「ここ……私の教室……」
そこは、創がいつか通っていた学校の教室であった。
懐かしの母校。涙流してもいいのよ?
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