↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
400/443

第三百六十一話:巫女の部隊

 累計400話を達成しました、ありがとうございます。

 神殿の目的は、帝国が持ちだした兵器を奪い取ること。そして、俺達の目的は、兵器が何であるかを調査し、もし幻獣であるならそれを助け出すことである。

 同じなようで少し違う目的ではあるけど、村を助けるという一点においては、目的は一致していると言っていい。

 であるなら、ここは村人に信用されている巫女を利用して、村を守り、どさくさに紛れて兵器を奪取するというのが一番だろうか。

 仮に、兵器が本当に兵器で、幻獣関係ないってなったら、別に上げちゃってもいいし。

 ……いや、一応幻獣を捕らえることができる兵器もあるのだから、渡しちゃダメか。

 もしそうだったら、完膚なきまでに破壊しよう。そうしよう。


「アーリヤ様がこうして見つかった今、兵器に固執する必要もないかもしれませんが、一応は上の命令。それに、アーリヤ様ゆかりのものであるなら、神殿が保有すべきです。なので、私達はこのまま村に陣取り、帝国を迎え撃つつもりですよ」


「貴様らだけで何とかなるのか? 一応は、帝国の兵隊だろう」


「おや、私達を舐めないでほしいですね。私が率いる部隊、ラクーンは、かく乱作戦はお手の物ですよ?」


 神殿には、いくつかの部隊があり、巫女はそんな中でもすべての部隊を指揮する立場にあるらしい。

 中でも、直轄部隊であるラクーンは、幻術に特化しているらしく、潜入はもちろん、かく乱なども得意なようだ。

 幻術使いって、結構厄介そうだなぁ。フェルも同じく幻術が使えるけど、どっちが上だろうか。

 あんまり信用しすぎて、化かされないようにしないといけないね。


「現在は、足止めをしてもらっています。村人を避難させるために、時間が必要でしたからね」


「貴様らは、アーリヤさえ手に入れば、他はどうでもいい集団だろう。わざわざ村人を助けるのは、信者確保のためか?」


「私達を血も涙もない様な集団にしないでくれます? これでも神の声を届ける者として、人々の救済には重きを置いています。あくまで、優先順位があるだけで、他がどうでもいいなどと思ってはいません」


 今回は、アーリヤを捜索する任務ではなかったから、優先順位として罪のない人々が上がったってことか。

 でも、以前の町で襲ってきたのは、何としてでも俺を確保したかったから、他はどうでもいいって思っていたってことだよね?

 優先順位をつけるのは大事かもしれないけど、だからと言って平然と殺しができるのはよくわからない。

 日々の糧をいただくため、とかならまだわかるけど、完全に私利私欲だもんね。

 本当に、神殿はアーリヤを捕まえて何をする気なんだろうか。


「本来なら、すでに村人の避難は完了して、陣地作成に入っているはずだったんですけどね。思いの外馬鹿が……げふんげふん、村愛の強い方がいらっしゃるようで、なかなか避難してくれないのです」


「さっきの連中か。まあ、奴らがいたところで、戦力にはならんだろうな」


 一応、すでに村の大半は避難させたようなのだけど、一部がまだ残っているから、迎撃準備もできない様子。

 村人は、別に戦闘経験があるわけでもないし、特別な加護を持っているわけでもない。

 だから、どう考えても足手まといであり、巫女としてはさっさと避難してほしいらしいのだけど、話を聞いてくれないという。

 こうなってくると、村人を守りながら戦うことになり、こちらとしても不利になる。

 巫女の部隊も、直接戦闘はそんなに得意じゃないみたいだしね。


「ええ。ですが、ここにアーリヤ様がご降臨なさったと言うのなら、話は別です。その大いなる力をもってすれば、帝国を退けることくらい、簡単ですよね?」


「貴様、我らを体のいい戦力として使うつもりか?」


「その通り。腐っても神の護衛なのですから、それくらいは簡単でしょう?」


 本来、守りながらの戦闘は分が悪いが、俺達という戦力がいるなら、それでも勝率は高い。

 特に、巫女にとって、アーリヤは絶対的な存在っぽいし、味方についてくれるなら、負けはありえないと思っていることだろう。

 帝国の兵器がどんなもんかはわからないけど、普通の兵士達なら、まあ、何とかはなると思う。

 というか、倒すだけなら、遠距離からブレスで薙ぎ払ってもいいくらいだしね。

 もちろん、そんなことしたら兵士達がただじゃすまないから、絶対にやらないけど。


「むら、まもりたい、おなじ。なら、きょうりょく、する」


「流石はアーリヤ様! 頭の固い護衛とは違いますね!」


「こんな奴らと肩を並べるなど死んでもごめんだが……まあ、要は兵士を無力化し、兵器を奪取すればいいのだろう? それくらいなら、簡単だ」


 リトは心底嫌そうな顔をしていたが、村を守るためにも、兵器となってしまっているかもしれない幻獣を助け出すためにも、無駄な敵を作るべきではない。

 さて、そうなってくると、もう少し情報が欲しいな。

 巫女は兵器について、何か知らないだろうか?


「では、ひとまず、帝国の動きについて情報共有しておきましょうか」


 そう言って、巫女はかく乱部隊からの情報を俺達に伝えてくれた。

 まず、規模としてはおおよそ二百人程度らしい。ほとんどは歩兵部隊みたいだけど、その後ろに兵器を運ぶ輜重部隊がいるみたいだね。

 運んでいる兵器は、かなりの大きさで、部隊の半数以上がその運搬に割かれているようだ。

 兵器自体はコンテナの中にしまわれて運ばれているらしく、中身はわかっていない。

 強引に見ようとすることはできるが、今回は村人に対し、村を救ったということを見せつけ、信者となってもらうことも含まれているらしいので、村人が残っている今、到着されないのも困るから、あえて見ていないらしい。

 村人の避難が完了していれば、お得意のかく乱戦法でどうとでもなったらしいんだけどね。村人に見られていると、それが難しいようだ。

 だったら村人に幻術をかけて避難させてしまえば、とも思ったけど、そういうことはしないんだろうか?

 基準がよくわからない。


「このままのペースなら、恐らくあと三日もすればここに到着するでしょう。それまでに、村人の説得ができればいいんですけどね」


「ああなった人間に何を言っても無駄だ。人は理屈では動かん。合理的でなくても、命を賭してでも動く時がある。神殿なら、それくらいはわかっているだろう?」


「ええ、まあ、そう言う感情を利用してきましたからね。今回は、ちょっと焚きつけ方が悪かったかもしれません」


「ならば、避難させることはもう諦めよ。今の戦力だけで、迎え撃つしかない」


「仕事が増えるのは嫌ですが、アーリヤ様と共闘できると考えれば、これ以上ない誉れですね。なら、さっさと陣地作成に入ってしまいましょうか」


 そう言って、巫女はなにやらトランシーバーのようなものを取り出し、どこかに連絡を取った。

 すると、どこからともなく黒いフードを被った集団が現れ、てきぱきとなにやら準備を始めていく。

 いるとは思っていたけど、本当にどこにいるんだよ。気配を感じないんだけど?

 とても人間とは思えない技に驚愕しつつ、とりあえず様子を見ることにした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。