シルフィーナという町
ご感想やブックマーク、評価等をありがとうございます!
大変励みになります!
「そういうわけで、シルフィーナには私とラビー、ビット、トレモロ、勇者殿の5人で調査に向かう。」
小隊のメンバーから不満の声が漏れる。
シルフィーナは理外の獣の被害がない影響で、騎士団が派遣されることはめったにない。
そのため、稀に発生するシルフィーナ行の任務は人気が高いのだ。
「決定事項だ。他のメンバーは普段通り警備に当たれ。」
ブーブーと文句を言う小隊メンバーを一掃した後、昼間から酒を飲んでいるジャックに目を向けた。
「ジャック殿は、今回はついてこないのですね。」
「あぁん?俺様はパスだ。南の方じゃ、理外の獣は出てこねぇだろう?」
そういいながら酒の入った盃をあおるジャック。
彼の行動指針は健在のようだ。
次に、遠征の準備を終えた勇者とラビーに声をかける。
「勇者殿、ラビー、シルフィーナの町はどのような場所だ?」
「「どのような場所?」」
勇者とラビーが顔を見合わせた。
「うーん、そう聞かれると何と言えば良いか・・・。のどかな港町を思い浮かべれば、それが近いんじゃないかな?町の人たちも皆おおらかで優しいぜ?」
勇者がうんうんと頭を捻りながら説明をしてくれる。
すると、ラビーが補足するように口を開いた。
「私が聞いた限りでは、シルフィーナで理外の獣の被害が出たことはないって話よ。他に付け加えるなら、新鮮なお魚!魚介類がとっても美味しいの!ぜひ小隊長達にも食べてもらいたいわ!」
ラビーは地元人らしく、シルフィーナの良いところをおすすめしてくる。
彼女の言葉で、以前遠征で携帯食料をかじっていた時に、勇者が言っていたことを思い出した。
平和になったら、魚を食べに行くという約束だったが、思ったよりも早くその時が訪れたようだ。
まだ平和にはほど遠いというのに、そう自嘲しながら私はシルフィーナの町に思いをはせた。




