試し切り
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出来上がった刀を見ていると、親方が広場へ案内してくれた。
そこには、様々な大きさの藁人形が設置されていた。
「そら、試し切りをしてみろ。合わなかったら調整してやる。」
勇者は頷くと、刀を正面に構え、藁人形を切り飛ばした。
サクッ!
小気味よい音とともに、両断された藁人形が地面に落ちる。
素晴らしい切れ味だ。これなら、勇者の武器として遜色ないだろう。
「すげぇ!面白れぇ!」
刀の切れ味が気に入ったのか、勇者は藁人形を次々と切り飛ばしていった。
どの断面も、きれいに切断されている。
剣の切れ味だけでなく、剣をふるう勇者の腕前もあってこそだ。
きちんと修練を積んでいるようだ。
「勇者殿、本題はここからだろう?」
私の言葉に、勇者が女神様の加護を刀に注ぎ始める。
勇者の全身を纏っていた青白い光が、やがて刀を覆い始め、その美しい波紋がきらめいて見えた。
「行くぞ!」
シュッ・・・!
藁人形を横一閃したが、一見すると何も変わっていないように見受けられる。
首をひねった勇者が、藁人形を触ってみると、上半身に当たる部分が地面にパサリと落ちた。
あまりの違いに、私と勇者は目を見開く。
「やばい・・・。切った感触がなかった。これ使いこなせるかな?」
「そうでなければ困る。」
泣き言を言う勇者に対して、私はぴしゃりと返答する。
間違いなく、名刀と呼ばれる一品だろう。
女神様の加護を併用すると、ここまでに至るのか。
「勇者殿、刀の様子は?」
一番の問題点を指摘する。
勇者は、数度刀を振った後、笑顔で答える。
「問題なさそうだ。砕けそうな様子はない!」
ついに、女神様の加護に耐えうる、勇者の武器が完成した。
その事実に喜びながら、人の言葉を操る理外の獣について考えていた。
果たして、奴らや魔王に通用するのだろうか。
そんな不安を払拭するように、次々と藁人形を切り飛ばす勇者を見て、苦笑する私であった。




