刀鍛冶
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親方が炉に火をくべて、勇者が採掘してきた鉄鉱石を熱し始める。
赤く熱された鉱石を、手に持ったハンマーで叩きのばし、約二センチ四方に小分けし始めた。
「刀を作るには、まず材料の選別からはじめにゃならん。それ、この辺りがよさそうだ。」
小割りした中から、より品質の良い部分を選び出し、再び炉の中へ積み上げていく。
熱された鉄鉱石は、再び赤く熱されると、やがて一つの塊となった。
「ここからが鍛練じゃ。よく見ておれ。」
親方は赤く熱された鉄鉱石を、大きなハンマーで叩いて平たく延ばし始める。
十分に延ばしきった鉄鉱石を折り返して、再び平たくなるまで叩き続ける。
全身の力を使って叩き続ける親方の額には、滝のような汗が流れていた。
そうして、折り返しながら叩き続けること都合十五回、ようやく親方の手が止まった。
「良し、皮鉄はこれで問題なかろう。次は心鉄じゃな。」
端によけてあった材料を熱し始め、再びハンマーで形を整えていく。
先ほど折り返してたたき上げていた物よりも、若干だがやわらかそうに見受けられた。
「このやわらかい心鉄を、先の硬い皮鉄で包むのよ。これが、『折れず、曲がらず。よく切れる』刀の真髄ってわけだ。」
心鉄と皮鉄の組み合わせが終わると、再び平らになるまで叩き出す。
今度は、やや小さめのハンマーを使用して、形を整えながら叩いているようだ。
我々が見慣れた、刃物らしい形が姿を現してきた。
次に、粘土のような物を取り出した親方が、刃にそれを塗りだし、再び炉の中で熱し始める。
頃合いを見て引き出すと、刃全体を水の中に沈めて急冷する。
ジュワーーーッ!!
水が蒸発する音があたりに響く。
親方は、真剣な顔つきで刀身に傷がないかを確認し、目釘孔を入れると、砥石でその刀身を丁寧に研ぎ始める。
「・・・これで完成だ。」
いくつも砥石の種類を替え、磨き上がるころには、刀身には美しい波紋が彩られていた。




