閑話 二葉、従弟と出会う の巻
『お、お邪魔します。今日からお世話になります大和です。
事情は既に両親から聞いているとは思いますが、この春からこちらの高校に通うことになりました。
いくら従弟とはいえ突然のことで皆さん困惑されたでしょうが、こんな僕を受け入れてくれてありがとうございます』
3月も半ばに差し掛かった良く晴れた日にその男の子はやってきた。
父と母が最寄りの駅までに迎えに行き、家まで連れてきたのだ。
リビングまで案内され、緊張しながらもしっかりとした挨拶をするその姿は非常に真面目な少年といった印象を受ける。
身長は170後半といったところだろうか、4月から高校生になるとはいえ比較的高い背丈がより大人びた雰囲気を醸し出していた。
ふーん、あれが大和君か…
なんかすごいしっかりしてそうであんま弟って感じがしなさそやな
『なんやそれ、かったくるしいなぁ、もっとリラックスしぃや。
私は長女の一花。4月から大和が通う高校の3年生や』
大和君の様子を伺っているとその肩を叩きながらお姉ちゃんが自己紹介をし始める。
私もこの流れに合わせて話そう。
「もうお姉ちゃんは乱暴なんやから。
私は妹の二葉。こちらこそよろしゅうなぁ、大和君。私も同じ高校の2年生やからよろしくね」
『はい、一花さんと二葉さんですね。こちらこそよろしくお願いします』
『ブブーーー!
私と二葉のことは“ちゃん“づけで呼ばない限り宍道家の一員とは認めませーーーん!!』
『え……??』
困惑した大和君は先ほどまでの真面目な表情とは一変して急に照れたようにもじもじしだした。
な、なにあの小動物的な感じ…!?
ふふふ、ちょっとかわいいかも
『今日から宍道家の一員になるんやからそんな他人行儀ではあかんで!
私達のことをお姉ちゃんやと思って敬語とかもなしや』
『はいはーい、私のことは蜆さんって呼ぶこと!これ重要よ!!』
『おい、蜆、一花、そんな急に詰め寄ったら大和君が困っているだろう。
ったく、騒がしくてすまんな、大和君。
だが一花の言う通り、僕たちことは本当の家族だと思って接してくれて構わないよ。
それに君は武術が大好きなんだってな。
この出雲の地はまた変わった武術が多いから君も楽しめると思う。
僕たちも協力するから知りたいことがあったら何でも聞いてくれ』
お母さんとお姉ちゃんの怒涛のような攻勢にたじたじになりかけていた大和君やったけどお父さんが上手くまとめてくれておかげでちょっと落ち着いたみたい。
こちらに向き直った大和君からはにかんだ笑顔とともに改めて挨拶された。
『ありがとう、伯父さん、おば…蜆さん、それに一花ちゃ…ちゃん、二葉ちゃ…ちゃん…これからよ、よろしくね』
『『「こちらこそよろしく、大和君!!!」』』
宍道家の一員として認められた真面目でちょっぴり照れ屋な大和君、
そんな彼と過ごすこれからの高校生活に期待に胸を膨らませながら歓迎する二葉であった。
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