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一番強くなるために必要な○○なこと  作者: ○○やろう
閑章 挨拶
30/34

閑話 二葉、従弟について聞く の巻


『―――いー加減にしなさいッッッ!!!

あんたたちは自分の子供を何だと思っているんよッッッ!!!!

―――もういいわ、こっちで大和は責任もってちゃんと育てる。

ただし十和子―――

あんたたちはもう私達の家の門をくぐれるとは思わんといて。

そう、もうあんたたちと大和を会わせるつもりはないわ。

それだけのことをあんたたちはしていることを自覚しんさい。

ええ、それじゃ―――』


一体何が起こったんだろうか…

それが学校から帰ってきた玄関で母の怒鳴り声を聞いてしまった二葉の感想であった。


確かに怖いところもある母ではあったが基本的には人当りも良く、柔和な人格の持ち主である。

その母があそこまでの怒りをあらわにするなんて……


「た、ただいまー」


かといっていつまでの玄関にいるわけにもいかず、かといって今の母に会って八つ当たりされるのもごめんである。

小声で帰宅を告げる言葉を発し、足早に自分の部屋に向かうのであった。


―――

――


先ほどの母の怒りの理由が分かったのは家族そろって夕食を食べている最中であった。


『みんな、聞いてちょうだいな。

覚えてるかしら、駿河の富士山家に嫁いだ私の妹の十和子とその子供たちのこと』


『おー大和君と撫子ちゃんのことだろ。

もちろん覚えているさ。

一花と二葉はどうだ?

最後に会ったのが確か5、6歳くらいの時だったからもしかしたら覚えてないかもな』


大和君と撫子ちゃんか…

正直あまりはっきりとは覚えていない。


『私は覚えてんでー

撫子ちゃんがまぁ大和のことが大好きで、大和の後ろに引っついていっつも一緒におったわ』


へぇーお姉ちゃんすごい、そんなはっきり覚えてるんだ。

やっぱり頭の良さと関係してるのかな


『その大和君やけど4月から一花と二葉と同じ出雲高校に通うことになるわ

ちなみに彼をうちで育てることになったから』


「「「―――は???」」」


突然の発表に私を含めてお父さん、お姉ちゃんも呆けた様な声をそろってだしていた。


『―――あーうん、蜆。

すまないが、もう少し詳しく説明してもらってもいいかな…」


いち早く立ち直ったお父さんが当然の疑問をお母さんに聞いた。


『富士山家の次期当主に大和君から撫子ちゃんに変更したっていう話はお父さんは知っているわね。

その時から大和君は富士山の姓ではなくて宍道の姓を名乗るようにさせられていたんやけど、今年の4月から二人が高校に上がるにあたって撫子ちゃんの教育を第1優先にすることが決まったそうやわ。

そこで大和君の面倒を見ている余裕が無くなるからこっちの出雲で育ててくれっていうこと』


想像以上に衝撃的な内容だった。

その言葉の意味を理解できた頃に姉の一花の怒声が響いた。


『んな、あほなッ!そんなら大和君は富士山家から見捨てられたようなもんやんかッ!!

そんな横暴が許されんのッ!?』


確かに横暴だ。まだ中学生の子供に対してそんなことが普通は許されるはずがない。


『……確かにこんなことは許されるべきではないわ。

ただ富士山家の人たちは撫子ちゃんの才能に目がくらんでまともな判断ができなくなっている。

話を聞いていても撫子ちゃんが万が一にでもその才能を曇らせるようなことがあるとそれはもはや神罰に値する行為だと。

だからといって実の子を見放すなんてまともな思考じゃないわ。

……ただ大和君はこの話を了承したそうよ。

出雲に来れば武術を学ぶことが続けれるなら喜んで行きますって……』



『……そうか……

大和君はその話をもう聞かされているのか。

気丈な子だな、次期当主からは外され、家を追放されてもなお恨み言をいうことなく受け入れているなんて…

よし、蜆ッ!そんな事情ならもちろん僕は歓迎しよう!一花も二葉もそれでいいな?』


『もちろん!私はええで!!』


「わ、私もいいよ……」


『それでこそ宍道家の人間の答えよ!

一花と二葉は年が近いからちょっと恥ずかしいかもしれんけど弟ができたと思って気楽に接してあげなさい』


『「はーい」』


『新しい弟やって。楽しみやな~二葉』


そうか新しい弟か……

大和君、一体どんな男の子なんやろ……

まだ見ぬ従弟に対し、同情と淡い期待をこめながら会う日を楽しみにする宍道ファミリーであった。



―――

――



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