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同接3人スタート! 制服姿で異世界配信を始めたら、飯テロで大バズりしました 〜異世界ごはん配信部〜  作者: 原島航平


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第29話:クリスマススペシャル! 氷雪地帯で巨大怪鳥(メガ・ターキー)の丸焼き

「みなさん、メリークリスマース! 『異世界ごはん配信部』です!」


雪景色が眩しく輝く銀世界の中で、あおいが弾けるような笑顔で手を振った。


背景に広がるのは、白銀の結晶が舞い散る幻想的な『氷雪ダンジョン』の中層エリア。氷の結晶が木々に花咲き、まるでクリスマスツリーのようにキラキラと輝いている。


そして視聴者の目を惹きつけたのは、三人の装いだ。


「今日の衣装はクリスマス特別仕様! 耐寒魔法がしっかり付与された『サンタ風コート改』だよ〜!」


いつもの制服ジャージをベースにしつつ、赤と白のサンタカラーでアレンジされた防寒コート。フードには白いモコモコが付いており、あおいは可愛らしくサンタ帽を被っている。


あおいの肩の上では、小さなサンタ帽を被ったツノっちが「きゅ〜♪」と短い手足をパタパタさせていた。


>スライムニキ:サンタ衣装助かるううううう!!

>名無しの冒険者:あおいちゃんたち可愛すぎる! サンタコート改最高か!?

>ペンギン太郎:ツノっちのサンタ帽で無事死亡。可愛さオーバーキルだろ!

>ソロキャンパー:メリクリ! 氷雪ダンジョン寒そうだけど防寒装備完備なら安心だな!


「ふふ、衣装の紹介もバッチリね。それじゃああおい、今日のメインイベント……『最高のクリスマスチキン』の調達に取りかかるわよ!」

「おーっ! 今日のメインディッシュは獲りたて新鮮な現地調達! ターゲットは……あそこにいるよーっ!」


あおいが指さした先、吹雪がやんだ雪原の奥から、ドスン……ドスン……と地鳴りのような足音が響いてきた。


現れたのは、体長三メートルを超える巨大な巨鳥――氷雪ダンジョンの名物モンスター『メガ・ターキー(巨大怪鳥)』だ! 堂々たる体躯に、まるまると実った肉厚な巨体。


>スライムニキ:でかあああああああい!?

>名無しの冒険者:まさにメガターキー! つーかこれを今から狩るのかよww

>ソロキャンパー:あおいちゃん、サンタ衣装でガチ狩りする気満々で草


「アイテムドロップしないように、失神させる方向で行くわよ!」


「了解っ!」


「あおいちゃん、狙いは首だよ〜!」


「OK! 『サンタ流・一撃離脱』で行くよーっ!」


あおいは雪の上を滑るように素早く駆け出すと、メガ・ターキーの懐へと一気に潜り込んだ。

メガ・ターキーが「クエエエッ!」と鋭いクチバシを振り下ろすが、あおいは身軽なステップで軽々と回避!


「まひろ、足元をお願い!」

「任せなさい! 『バインド・アイス』!」


まひろが魔法を放つと、メガ・ターキーの両足が瞬時に氷付けになり、体勢を崩す。


「凛ちゃん、足場お願い!」

「まかせて〜!」


 凛が大盾を上に向けて構えるとそれを踏み台にして、あおいが高く跳躍! サンタ帽をなびかせながら、刀の柄でメガ・ターキーの急所(頭部)へ的確な一撃を叩き込んだ!


――『ドスッ!……バタン!!』


見事な連携プレイにより、アイテムドロップすることなく、メガ・ターキーは崩れ落ちた。


>スライムニキ:こんなデカいの一撃で捕獲するとかセンスありすぎww

>名無しの冒険者:マジで一瞬だったwwあおいちゃんの身軽さヤバい!

>名無しの冒険者:アイテムドロップしてないってことは今から解体するんか??

>ペンギン太郎:サンタ衣装で軽やかに跳ぶあおいちゃん美しすぎる……!

>腹ペコ通りすがり:食材調達完了! さあ飯テロの時間だ!!


◆


 凛の手際良い解体作業により、メガ・ターキーは綺麗に部位ごとに切り分けられていく。


「ふぅ! 今日食べるローストチキン用に一番状態の良いところを切り出したら、残りの大部分のお肉や希少な素材は冒険者ギルドへ下ろすわよ」

「うん! クリスマス時期はギルドでもメガ・ターキーの需要がすごくて高値で買い取ってもらえるから、他の冒険者さんたちのパーティー用にも喜ばれるんだよね〜」


まひろと凛の説明に、コメント欄も納得の声を上げる。


>スライムニキ:たしかに3m超えを3人で完食は無理www

>名無しの冒険者:そうかアイテムドロップなしだと収入増えるのか

>名無しの冒険者:残りはギルド納品助かる! 街の冒険者たちも美味い肉食えてwin-winだな!

>ソロキャンパー:ギルドへの還元&臨時収入ガッポリで賢い!


◆


調理スペースへ戻ると、丸焼き用に綺麗に整えられたロースト用の特大チキンへ、凛が特製の仕込みに入った。


肉の隙間やお腹のポケットに、特製バターライス、ハーブ、ニンニク、そしてみじん切りにした甘みのある異世界根菜をギッシリと詰めていく。


「具材をしっかり詰めることで、お肉の旨味がご飯に染み込んで、内側からもしっとり火が通るんだよ〜」


さらに表面には、たっぷりの塩胡椒、砕いたローズマリーやタイムなどの新鮮なハーブ、そしてオリーブオイルと蜂蜜を混ぜ合わせた特製ソースを黄金色に塗りたくる。


それをセッティングしたのが、凛が持ち込んだ特注の『高火力魔導オーブン』だ。


「それじゃあ、魔法陣起動……じっくり焼き上げていくね!」


魔法陣がブワッと赤く発光し、オーブン内部の温度が一気に均一に上昇していく。


ガラス窓越しに見えるメガ・ターキーの表面が、ジュワジュワと脂を跳ねさせながら、少しずつ美しい黄金色、そして香ばしいキツネ色へと変わっていく。


――『ジュワァァァ……パチパチパチ……』


オーブンの蒸気口から漂い出すのは、ハフハフと息を呑むようなハーブと香ばしいお肉、そしてガーリックバターの芳醇な香り!


「〜〜〜っ! 匂いだけでお腹が鳴っちゃうよ〜っ!」

「ふふ、皮がパリッとして最高に良い色になってきたね。……よし、焼き上がり!」


凛がオーブンの扉を開けると、一面にぶわっと温かい湯気と黄金色の香りが溢れ出した!


◆


「完成! 『メガ・ターキーの特製ハーブローストチキン』だよ〜!」


大きなお皿の上にドンと鎮座したローストチキンは、どこから見ても完璧なクリスマスのご馳走だ。


「それじゃあ……切り分けちゃいます!」


あおいがポータブルナイフを握り締め、黄金色に輝く皮の表面にナイフを滑らせた。


――『パリッ……ジュワァァァァ……!』


ナイフが入った瞬間、弾けるような快音とともに、皮の下から閉じ込められていた透明な肉汁が一気に溢れ出してきた!


>スライムニキ:音ぉぉぉぉぉぉぉぉ!!

>名無しの冒険者:ナイフ入れた瞬間のパリッと感と肉汁ヤバすぎる!!

>ペンギン太郎:うわあああああ肉汁のナイアガラの滝だあああ!

>ソロキャンパー:画面越しなのにヨダレが止まらん! 最高のクリスマスプレゼントだ!


「うわあああ、美味しそうっ! いただきまーす!」


あおいは切り分けられた大きな骨付きもも肉を、両手で豪快に掴んで口いっぱいにぶりついた!


――『ガブリ……パリッ……ジュワァァ……!』


「〜〜〜〜〜っっっ!!!!」


あおいは目を輝かせ、足をバタバタとさせた。


「皮がっ! 皮が信じられないくらいパリッパリで香ばしいの! なのに、中のお肉は驚くほど柔らかくてジューシー! 噛むたびにお肉の溢れる旨味と、爽やかなハーブの香りがお口の中で爆発してるよ〜っ!」


「私もいただくわ……んっ!」


まひろも胸肉の部分を口へ運ぶ。


「美味しい……! 胸肉なのに全然パサついてなくて、しっとり柔らかい! お腹の中に詰まったバターライスがお肉の旨味を吸ってて、これもたまらないわ……!」


「ふふ、大成功だね〜」


凛も嬉しそうに微笑みながら、小さくカットしたささみ肉を「ツノっちもどうぞ」とプレゼントする。

ツノっちもサンタ帽を揺らしながら「きゅ〜っ♪」と大喜びでハグハグと頬張った。


>スライムニキ:みんなが幸せそうに食べてる姿だけで白米いける!

>名無しの冒険者:パリパリの音とジューシーな肉汁、最高の飯テロだわ!

>腹ペコ通りすがり:今年のクリスマスチキン、これを超えるものないだろww


極上のチキンを前に、あおい、まひろ、凛、探してツノっちは、夢中でローストチキンを味わい尽くした。


◆


「はぁぁぁぁ……! お腹いっぱい! 最高のクリスマスパーティーだったよ〜!」


すっかり骨だけになったお皿を前に、あおいは大満足の吐息を漏らした。


「本当に美味しかったね。自分たちで獲った新鮮なお肉だから余計に美味しく感じたわ。残りのメガ・ターキーもギルドに納品すれば、街の冒険者さんたちも楽しいクリスマスを過ごせるわね」

「うん! 納品作業もがんばろうね! 視聴者のみんなも、素敵なクリスマスを過ごしてね!」


あおいがカメラに向かってとびきりの笑顔で手を振ると、コメント欄にはたくさんの「メリークリスマス!」「おつー!」「最高の配信だった!」という温かいメッセージが溢れ返った。


「それじゃあみんな、高評価とチャンネル登録よろしくね! 次回の配信もお楽しみに!」

「「「メリークリスマース!!」」」


あおいがポムドローンにウィンクを送り、まひろが配信管理端末のボタンを素早くタップする。


――『ピッ(配信終了)』


白銀の雪が舞い散る氷雪ダンジョンに、温かな余韻とみんなの幸せそうな笑い声が、いつまでも心地よく響き渡っていたのだった。

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