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wellcome episodo 002 火災のあと
「現場はこちらです」
記者の春乃は案内されるままA区工場裏の路地に足を踏み入れた。まだ焦げ臭い匂いが残る現場は無数のペットボトルが散乱し、黒焦げの壁が火災の熱をモノ語っていた。
「誰も通報していなかったら、数分遅れていたら、怖かったですね」
警備員の言葉に春乃は無言で頷いた。
その時彼女の目に映ったものは、小さなビニール袋で、中には手帳のようなものが入っていた。焦げ跡ではなく、まるで、誰かが守ったような、避難させたように空気から伝わった。
袋から出し、それを開くと、
"6月18日 午後2時27分頃、A区工場裏、ポイ捨て、火災延焼、死傷者有り"と綴られていた。
日付、時刻は、火災発生の報道とほぼ一致していた。
「これ・・・予告?予言?」と呟いていた。
春乃の頭上に一人の男の顔が浮かんでいた。それは数週間前世間を騒がせたほら吹き預言者"鮫代 和"。奇妙な一致に背中をぞくっとさせた。
風が止み、音が消え、街の看板が変わっていった。その文字は"スシタス・オメホ"で意味不明な文字列に、春乃はその場に立ち尽くしてしまう。
一瞬、世界が変わった?何、これ・・・
そして、手帳の最後には、『これはまだ終わりではない、終われない』と。




