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モブのアニオタJKだったわたし、ヤンデレ先輩と幼馴染に愛されすぎて困ってます ~逃げても離してくれない百合な彼女たち~  作者: あさなゆうなぎ
第3章 一年の二学期

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お風呂回!!

 優花里さんに促されて、部屋の隣にある浴室へ。 てっきりまた宮殿のような大浴場かと思いきや、ここは意外にも、わたしの家とそれほど変わらない……いや、少し広いくらいの「普通」のサイズだった。なんだか、ここだけは妙に落ち着く。


 ほっと胸をなでおろした、その時だった。


「サキ……一緒に入る?」


「ひゃ、ひゃいっ!?」


 心臓が跳ね上がった。 別荘でも一緒に入ったけれど、あそこは大浴場だったから「温泉気分」で誤魔化せた。でも、この家庭的なサイズの浴室で二人きり、至近距離で……というのは、あまりにも生々しくて緊張の度合いが違う。


「え、ええっと、それは……その……」


「あら、嫌かしら? リリーと一緒に入るのは」


 優花里さんはまだリリーのコスプレ姿のままで、いたずらっぽく首を傾げる。 推しの姿でそんな風に誘われて、断れるはずがない。


「サキ、別にこれが初めて一緒に入るわけじゃないでしょ?」


 優花里さんは、リリーの衣装のパニエをふわりと揺らしながら、事もなげに言った。


「確かにそうですけど! あの時は大浴場だったじゃないですか。でも、こういう普通サイズの浴室って、なんか一人で入るものっていうか……」


「サキは、わたしと一緒じゃ嫌なの?」


 で、出たよ……! この必殺の上目遣い。 普段の凛とした「高嶺の華」な優花里さんとのギャップが大きすぎて、何も言い返せなくなる。絶対この人、こうすればわたしが断れないって分かってやってる確信犯だ。

 超絶お嬢様が、いつの間にこんなあざといテクニックまで身につけてしまったのか……。ってかわたしのせいか……


「……分かりました。入ります、入りますよ!」


 結局、優花里さんの可愛さに押し切られる形で、一緒に入ることになった。


「わ、わたしが先に入りますね! サ、サキだけに……」


「ええ、ゆっくり入ってね」


(スルーされたよ……。わたしのダジャレ、冷気と共に浴室に消え去ったよ……。もうこんな悲しいダジャレ、二度と言わない、心に誓うよ……)心の中で血の涙を流すわたし。


 わたしは逃げるように服を脱ぎ、先に浴室へ滑り込んで浴槽に浸かった。

 後から入ってきて、わたしのこの……なんというか、「慎ましすぎる(ひんぬー)」な身体をマジマジと見られるのは、オタクの繊細な心が持たないからだ。


 お湯に肩まで浸かって数分。ガラッと扉が開いて、優花里さんが入ってきた。


「お待たせ、サキ」


「Ohh!……目が、目が〜〜! 」


 湯気の中に現れた彼女は、まさに神様が全力を注いで作り上げた最高傑作だった。 顔が良くて、頭も良くて、とんでもないお金持ち。その上、身体のラインまでモデル顔負けの完璧さ。世の中の不平等さを痛感して、思わず遠い目をしてしまう。


(まあ、それでも……この奇跡みたいな人を、今はわたしが独占できているんだ。よしとしよう、うん)


 そんなことを考えながら、ぼーっと彼女の姿を視界に入れていると――。


「サキ……? あんまりジロジロ見られると、流石に恥ずかしいのだけれど……」


 優花里さんが頬をバラ色に染め、両手で身体を隠しながら、少し困ったように微笑んだ。


「あ、すみません……! 尊すぎて、つい……!」


 浴室の温度は、お湯のせいだけじゃなく、わたしの顔の熱のせいでさらに上昇していくのを感じた。


「サキ、わたしも入らせてね」


 優花里さんが、ゆらりと湯船に足を踏み入れてきた。


「わ、わたし出ますね!」


 心臓が保ちそうになくて慌てて立ち上がろうとすると、彼女は悲しげに眉を下げた。


「……サキは、わたしと一緒にお湯に浸かりたくないの?」


「うぅ……は、入りたいです……」


  結局、わたしは抗えずに定位置(?)へと横にずれる。


 広めの浴槽とはいえ、二人で入れば当然のように肌が触れ合う距離になる。 これまでも別荘の湯煙越しや、わたしの部屋での暗闇の中、彼女の裸に触れたことはあったけれど……。こんなに明るい場所で、隅々まで網膜に焼き付けてしまうのは初めてだ。


(う〜ん……この光景だけで、白飯三杯はいける……。いや、オタク的に言えば限定円盤の特典映像レベルだよこれ……!)


 優花里さんは、ふぅと吐息を漏らし、わたしの肩に頭を預けてきた。


「サキ、あなたと知り合えて本当に良かったわ。あなたのおかげで、メイドたちとも仲良くなれたし」


「いえいえ……それは、これまで優花里さんがみんなに慕われていたからですよ」


「サキ。あなたはやっぱり、わたしになくてはならない存在だわ」


「そ、そんな畏れ多い……」


「ううん。わたしはもう、あなたを離さないわ」


 そう呟くなり、優花里さんはわたしの体をふわりと浮かせ、自分の膝の上に座らせるようにして後ろから抱きしめてきた。 正面から、そして背中から。


 逃げ場のない密着に、わたしの緊張はピークに達する。


「ゆ、優花里さん?!」

題名通りのお風呂回です。

美人に密着されると、同性でもドキドキしてしまいますね。

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