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ただのアニオタだったわたし、ヤンデレ先輩と幼馴染に愛されすぎて困ってます ~逃げても離してくれない彼女たち~ ―雲乃伊戸女子高校の美山サキの場合―  作者: あさなゆうなぎ
第3章 一年の二学期

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新しい食卓!

 サキが楽しそうに、はるみたちとアニメの新番組について語り合っている。

 まだ二度目の訪問だというのに、彼女はすっかりこの屋敷に馴染み、堅苦しいはずのメイドたちと、まるで昔からの友人のように打ち解けていた。


 サキと知り合えて、本当によかった。


 人付き合いが苦手だったわたしは、週に一度の家族との夕食以外、いつもこの広い食堂で一人、食事をしていた。

 メイドたちが後ろに控え、完璧な給仕をしてくれる。


 それが当たり前で、何の疑問も抱いていなかった。

 私は彼女達に給仕の希望以外はほとんど話もしていなかった。


 けれどサキは、当然のように「みんなで食べませんか?」と提案してくれた。

 主人と使用人という間柄はあるけれど、彼女たちと一緒にテーブルを囲むという発想自体、わたしには全くなかった。

 サキのおかげで、私は彼女達の事を知った。


 さなが裁縫の腕を活かしてコスプレ衣装を作ってくれること、あやが実はミステリー小説の愛読者だったこと。


 サキのおかげで、無機質だった食事の時間が、こんなにも鮮やかな色彩を帯び始めた。


(これからは、サキがいない時でも彼女たちと食事をしよう。お互い今日起こったことや、アニメの話をしながら、賑やかに……)


 サキは、私の世界のモノクロだった部分に、次々と新しい色を塗ってくれる。

 彼女がいなければ、私は一生、この温かさを知らずに過ごしていたのかもしれない。


 賑やかな笑い声のなかで、私は隣に座るサキの横顔を見つめた。

 夢中で熱弁を振るい、時折照れたように笑う彼女。


(やっぱり、この子は私の手元からは絶対に手放せない……)


 許されるのなら。 この先、一生彼女と一緒に人生を歩んでいきたい。

 この色彩豊かな世界を、ずっと二人で見続けていたい。


「……優花里さん? 何か、わたしの顔についてます?」

 サキが不思議そうにこちらを覗き込んできた。


「いいえ。……ただ、サキと食べるご飯は、今までで一番美味しいと思っただけよ」

 私の言葉に、サキはまた顔を真っ赤にしてフリーズしてしまった。 本当に、愛おしくて堪らない。


 賑やかで温かい夕食の時間が終わり、わたしは自然な流れでメイドさんたちの片付けを手伝い始めた。


 驚いたことに優花里さんまで「わたしもやるわ」と袖を捲り、さなさんたちは「お嬢様、とんでもございません!」と激しく恐縮していたけれど、最後には五人でわちゃわちゃとお皿を洗ったり、テーブルを拭いたりと、その作業すらも楽しいイベントのようになっていた。


 片付けの最中、はるみさんがこっそりわたしの隣に来て、耳打ちしてくれた。


「サキ様……ありがとうございます。お嬢様のあんなに楽しそうな笑顔、わたしたち、初めて拝見しました。お嬢様をより身近に感じられて、本当に嬉しいです」


 感謝されて、なんだか照れくさくなってしまう。人付き合いが苦手な優花里さんだから、きっと、大切に思っているはずのメイドさんたちに対しても、どう距離を詰めていいのか分からなかったのかもしれない。


(……提案して良かった。まあ、わたしだって綺麗なリアルメイドさんたちとお喋りしたかったっていう下心もあったんだけどね、結果オーライ、かな?)


 その後、デザートとお茶を楽しみながら、1時間ほどガールズトークに花を咲かせた。 彼女たちが1階の自室へ戻るのを見送り、わたしたちは3階の「優花里サキ部屋」へと戻ってきた。


「さあ、サキ。……お風呂にしましょうか」

しばらくぶりの更新です。

間が空いてすみませんでした。

サキを改めて惚れ直した優花里。

彼女にとって夢の様な時間はまだ続きます。

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