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ただのアニオタだったわたし、ヤンデレ先輩と幼馴染に愛されすぎて困ってます ~逃げても離してくれない彼女たち~ ―雲乃伊戸女子高校の美山サキの場合―  作者: あさなゆうなぎ
第3章 一年の二学期

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共有回避?!

 鏡子ちゃんは再びわたしに向き直り、一歩、距離を詰めてきた。


「じゃあ、共有してくれるの? サキちゃん」


「ごめん、それだけは勘弁して」


「わたしに見られて、嫌なことがあるの?」


(いや、普通、スマホの中身とか、他人に見られたくないだろ!)


「だ、大好きな相手だからこそ……す、全てを知るんじゃなくて、ミステリアスな、ところがある方が、あ、愛もふふ、深まるんじゃ、ななないかな!?」


 わたしの必死の弁明も、鏡子ちゃんには届かない。

 彼女の瞳から光が消えてきた。怖い……


「わたしは、サキちゃんの全ては何でも知りたいから……」


「いや、やだよ! 怖いよ、絶対位置情報もバレバレにする気だろ! 束縛が強すぎるよ!やめてよ!」


 追い詰められたわたしは、瞬時に頭をフル回転させた。正面突破は無理だ。なら、情に訴えるしか!


「き、鏡子ちゃんは、わ、わたしの事、信じられないのかな……?」

 わたしはあえて少し俯き、潤んだ瞳で鏡子ちゃんを見上げた。


「大切な友達にそう思われていたなんて……わたし、悲しいよ……ぐす」


 嘘泣きの仕草を見せると、鏡子ちゃんの「ヤンデレモード」に綻びが生じた。

 瞳の光も徐々に戻ってきた。よし!


「あ……ごめん、サキちゃん。あなたを信用してるんだけど、わたしはいつも心配で……」


「いつもわたしを心配してくれてありがとう。鏡子ちゃんは大切な親友だよ。大好きだよ!」


 わたしがにこっと、とっておきの微笑みを向けると、鏡子ちゃんの表情がパッと明るくなった。


「サキちゃん……ありがとう、わたしも大好きだよ!」


 勢いよく抱きついてくる鏡子ちゃんを、わたしは苦笑しながら受け止めた。

(……ふぅ、なんとかスマホ共有は回避できたかな。でもここ、教室なんだけど……みんな見てるよ……)


 そんなわたし達を茜は遠くから見守りながら、(サキちゃんの人心掌握術、もはや神業に近いよ……)と、心の中で拍手を送っている様子だった。


 何一人でうんうん頷いてるんだよ。


 その日の始業式は午前中で終わり、校内には開放的な空気が流れていた。

 けれど、わたしの隣には蛇のように絡みつく鏡子ちゃん。


 相変わらずの彼女に苦笑いしていると、救世主(?)が現れた。


 茜がやってきて、「絵麻先輩から、鏡子ちゃんを体育館に連れてきてほしいって頼まれちゃった」と告げたのだ。


 鏡子ちゃんは「えーっ! サキちゃんと帰るのに〜!も〜!なんで〜?」と地団駄を踏んでいたけれど、親友の部活の先輩の頼みとあっては断れず、昇降口からダッシュ!絶対寄り道禁止!帰宅即連絡!を連呼しながら連行されていった。ふう。


 一人になったわたしが昇降口で靴を履き替えていると、目立たないように佇む優花里さんの姿があった。


「あれ?優花里さん?」


「サキ、待っていたわ」


「え?」

ヤンデレ鏡子の扱い方が上手くなってきたサキ。

優花里が彼女を待っていた理由は?

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