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人は第一印象が8割、即ちめちゃくちゃ大事なものである

 予定よりも遅れました

 気が重くなるくらい黒く、厚い雲に覆われた曇天。昼にも関わらず薄暗い王都には既に雨が降っている。

 探索者が殆どいない、則ち珍しく閑散とした王都の中心部にある探索者ギルドの中で永遠の花(エターナルフラワー)の面々と初めて顔を合わせる。

 集合時間よりも幾分早めにギルドに着き、案内された部屋には既に永遠の花(エターナルフラワー)の人達ら到着していた。

 永遠の花(エターナルフラワー)の男4人、女2人の計6人はギルドマスターや悪魔の聖騎士パラディンオブフィーンドの方々と違い、良い意味で威圧感がまるで無い為、非常に助かる。しかし、人見知りなきらいがある僕にとって6人の中に溶け込むのは高いハードルである事に変わりない。


 部屋に入ると、6人の中で唯一話した事があるジェーンが紫の長髪を靡かせて駆け寄ってくる。


「エド!おはよう、これからよろしくね」


 この曇り空を吹き飛ばすような明るさで挨拶したジェーンと自分の気分とのギャップに呆気に取られる。


「おはよう…。こちらこそよろしく」


 人見知りの影響でぎこちない返事をするといつの間にか手をガッチリ握られていた。

 ジェーンに手を引かれるがまま、部屋の中心部へ連れて行かれる。


 ジェーンを除いた5人と向かい合うと身長が一番高く、ガッチリとした体型。緑っぽい長袖に準決勝で当たったジョーンまでとはいかないが重めも鎧を纏った男が一歩前に出る。


「俺はローガン・ビュー。盾役(タンク)に近い前衛で永遠の花(エターナルフラワー)のリーダーをしている。よろしく、エドワード」


「よろしくお願いします、ローガン。僕のことはエドと呼んでください」


 ローガンの差し出された手を握る。


「堅くならなくて良いよエド」


 ローガンは優しく笑って言葉をかけてくれる。


「分かり…分かった」


 ああそっか。僕敬語に近い言葉遣いが染み付いているのか。知り合いが師匠(じっちゃん)悪魔の聖騎士(みんな)だけど言っても過言じゃないからな…。ランディ達ならラフな言葉でも特に気にしなさそうだけど。


 ローガンとしっかり握手を交わした次は女の魔術師が前に出た。


「私はアイラ・モーン。強化(ブースト)魔法が得意の魔術師。よろしくね」


 エンリカを彷彿とさせる元気、明るさ。その勢いに少し気圧される。


「よ、よろしく」


 アイラと名乗った魔術師は僕やジェーンとはほんの一回りだけ大きい身長、肩に乗る程度の桃色の髪に赤と白を基調とした魔術師の格好。ジェーンの服と負けず劣らずおしゃれでジェーンよりも肌の露出が少し多い。


 僕が元々目を合わせにくい上に肌の露出も相まって接しにくい。エンリカみたいに慣れるのかな?不安だ。

 苦笑いを浮かべながら軽く握手を交わす。

 次は金髪に青と白を基調とした動きやすい服装で2番目に身長が高い、標準的な体型の人が話し始めた。


「僕はマシル・ライアン。実力はまだまだ足元にも及んで無いが《嵐刀》カイル・アキリーを目指した戦闘スタイルを取っている」


 その言葉と表情には期待と憧れ、僕がランディ達に向けるような尊敬の念が込められていた。


 おおー、堂々と悪魔の聖騎士(カイルたち)が憧れの人初めて会った。軽く聞いた感じ、実力は認めるけどちょっと…って立ち位置だったからなぁ。僕は強さには微塵も関係がないけど誇らしい。


「よろしくマシル」


 驚きと誇らしさを感じながら照れ臭い顔で握手をする。


 握手をしたあと、小さな深呼吸をする。


 残りは茶髪に黒と白の服装でマシルと同じくらいの身長の剣士(多分)と探索者大会前に宣戦布告してきた…ケ、…k君。

 あと2人かつ依頼前だと言うのにもう疲れてベッドにダイブしたい気分だ。人見知りに6人は多いかも。こんな事ならジェーンに頼んで予め会っておくべきだったな。

 と考えても後悔先に立たず、k君では無いほうが手を差し出してきた。


「俺はエリック・リチャードソン。剣士だ。よろしく」


「よろしく、エリック」


 これまでの4人とは違い堅い雰囲気を纏わせたエリック相手は逆に人見知りを発動せずに返事ができた。なんでだろ。


 残りのk君は僕と目を合わせずらそうに他のメンバーより半歩遠い。


 良かった。気まずいのが僕だけじゃなくて。


「ほらケール、気まずいのは分かるけど挨拶はしなきゃだよ。言葉を交わすのは初めてでしょ」


 そう!ケール君だった。ごめんね。あの後色々ありすぎて。

 それよりローガン達はあの事知ってるんだ。


 ローガンに引っ張られるように僕の前までやってきた。

 黒と茶の間の短髪のケール君の格好は良く言えば僕と同じ盗賊(シーフ)らしく動きやすさ重視、悪く言えばめちゃくちゃ地味な格好をしている。


「ケール・マクソ、よろしく」


 ぶっきらぼうに言い放った言葉と態度はやはり気まずさが全面に出ている。


「よろしく」


 僕は何も悪く無いがなんだか話しづらく、素っ気ない返事をしてしまう。






 それから暫く全員話しづらい空気が漂った。


 この何とも言えない時間を打ち破ったのは何も知らない人物である。


「お!みんなちゃんと来てるね。少し早いけど出発しよっか」


 何も知らないアレックスはこれまで会った時と同じ明るい顔で言った。


 やっぱり元リーダー!めちゃくちゃナイスです!

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