知らない方が良かった事など溢れている
「はぁ?飛んだの!?エドと一緒に!?」
それなりに人が多い通りのど真ん中でランディが声を上げる。
「い、いや、だって…道分からないなら飛ぶしか無いじゃん」
「エドが複雑骨折とかの大怪我したらどうすんの!?エドはまだ弱いんだよ!」
複雑骨折!?考えただけで身体が震えてきた。
「じゃあどうすれば良かった?」
「……………花火あげるとか?」
「小火騒ぎでギルマスと騎士団にこっぴどく叱られた」
「ああ、そんな事あったね。噴水は?」
「洗濯物濡らしたってその辺のおばちゃんに怒られた」
「ああ…」
目を逸らし、バツが悪そうなカイルの言葉にランディも申し訳無さそうに苦笑いした。
周りの人達の視線はランディ、カイルとおまけにロープで繋がれている僕に釘付けになっている。もうやめてください。恥ずかしいです。
ランディは髪を触った後諦めたようにため息をついた。
「エドが王都に慣れるまでエドとカイルで出歩かない事、良いね?」
僕とカイルは大きく頷いた。
「因みにですが、最後に怪我したのはいつですか?」
聞いては行けないことは分かる。しかし、探索者というものは好奇心に抗えないものだ。
「3ヶ月くらい前かな?そん時は肋何本かと背骨位だったぞ」
サラッと怖いことを言われて顔が引き攣る。
聞かなきゃ良かった。数秒前の僕を叱りたい。
「それでも良くなってる方だよ。前は定期的に全身複雑骨折してたからね」
マ、マジか………
側から見れば逃げ出してしまうほど顔が強張る。
「1時間半で治したけどな!」
マ、マジで!?よく分からないけどすごいのは分かる。
誇らしげに胸を張るカイル。しかし、周りの人達はザワザワと距離を置き始めた。
もしかしたらあの悪名高い悪魔の聖騎士とバレ始めたのかもしれない。
胃がキリキリしてきた。
最近こんなことばっかりだな。
なんかさ、探索者ってもっとこう華々して楽しいもんじゃないの?少なくとも師匠のじっちゃんはそう言ってたよ。




