人生は一期一会の連続である②
最近、最低3日毎に更新+1200文字程度を目標に頑張ろうと思っています。あくまで目標ですからね。
「カイル、僕、大会優勝した事で王様と謁見するのですが…」
「ああ、前アレックスが会ったって言ってたな」
「そうです、それで王様ってどんな人か知っていますか?」
カイルは横に長いカウンターのテーブルに肘をつき顎を撫でながら考え始めた。
「うーん、俺会った事ないし新人大会出たの悪魔の聖騎士に入る前だったからな…。」
カイルは丸型の椅子に手を引っ掛けながら後ろに上半身を倒して回転しする。
「あ!「王様、威厳があった」って言ってた」
威厳、威厳かぁ…。
まずい、ちょっと胃が重くなってきた。吐きそう。
「へいお待ち!味噌ラーメンちょい薄め脂多め普通を2つ!」
目の前に置かれた濃厚なスープにちぢれ麺、そして山のように盛られた野菜炒め。普段ならば垂涎もののはずだが今の僕には重いパンチをもらった気分だ。
「美味そう。早く食べようぜ」
「そうですね」
僕とカイルは手を合わせる。
「「いただきます」」
僕達はレンゲを手に取り、スープを掬った。
ガツンと鼻に来る肉…豚肉の香り。そして芳醇な味噌の匂い。もし体調が普通ならばもう腹の虫が鳴り始めただろう。くっ、悔しい…なんで僕の心はこんなに弱いんだ!いや、弱くはないけど。
香りを素早く十分堪能した後、レンゲのスープを口に運び始める。
「熱っ、舌火傷した」
危ない、このままだと僕も火傷するところだった。
すぐ隣にいる反面教師を参考に、良く吹き冷ましてから口に入れた。
「美味い!」「おいしい!」
豚と味噌と脂の旨みが口いっぱいに広がる。そして強い香りが抜ける。濃厚な味にもかかわらず後味はすっきり。ラーメンってこんなに美味しいの!?
僕達の反応を見たおじさんは他の人の分を作りながら頷いた。
「ありがとうございます。おいしかったです」
カイルにお礼を言った。
ラーメンはすごく美味しかった。欲を言うならばもっと身体の調子が良い時に食べたかった。
「なあエド…」
「何ですか?」
「帰り道知らない?」
「えっ?」
「えっ?」
2人共間の抜けた声を出す。
帰り道分からないの?じゃあここどこ?えっ?普通帰り道くらい知らない?
「因みに俺は知らないぞ」
「えっ、じゃあどうしますか?」
カイルは手を頭にやった。
本当に分からないんだ…。
カイルってソロでやってた頃もあるって聞いたけどどうしてたんだろう。
「エド、生存する腕輪持ってる?」
「いえ、持ってませんけど」
「こっから魔術学校まで飛ぶぞ。舌噛まないようにな。噛んでも治せるけど」
へ?飛ぶ?
カイルは唖然とする僕を圧倒間に俵担ぎして魔法を発動した。
身体に激しい風を受ける。一瞬で身体が浮いた。
「っっっっっっっ!」
突風に飛ばされて自然と叫んでしまうも息が出来ないのと風の音にかき消されて声が出せない。
やばいやばいやばい。人生で一番怖い。カイルがミスったり落としたりしたら死ぬ。あっ、さっき食べたラーメンが空に置いていかれそう。
突然、横方向の移動が止まった。
え?何?
その直後、地面に急激に引っ張られる。
「うううううううう」
更に下から上にも重力がかかり初めた。
両方からの圧力でぺちゃんこになりそう。
死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ!
落下の衝撃が全身に走る。
「着いた。今回も成功だな」
ああ、死ぬかと思った。これ本当に地面だよね。
良かった。生きてて。
あと今回”も”って…失敗もあるのか…。
尻もちをつきながら視線を上げる。
ここが。王都凄い。
伝統を感じさせる大きい校舎に立派な高い塔が何本も建つ魔術学校。
僕はその雄大さに圧倒されていた。
「多分ここにランディ居るから一緒に帰ろう」
「分かりました」
カイルが校舎の方へ歩き出す。
地面に手をつき、立ち上が…立ち上が…立ち上がれない。
全身疲労に加えてさっきのやつで力が入らない。
「ま、待って。待って下さいカイル!」




