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来るところ間違えました。〜新人探索者、最きょうパーティに入る〜  作者: 海万満
第一章《新人探索者》エドワード・クレイ
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面接

 ギルドから徒歩10分程の大通りにある黒い壁に赤い屋根の2階建ての建物。メンバー募集の張り紙に記載してあった住所の家の扉の前僕は来ていた。


 緊張で頭が真っ白だ。こういう時は素数を数えれば良いんだっけ?

 2、3、5、………


「何か用?」


 明るく、柔らかい女性の声に全身が震え上がる。

 振り返ると剣を引き下げた、燃えるような赤髪を後頭部で纏めている女性が立っていた。赤を基調とした動きやすい且つ急所は鎧で包まれた格好。


「あ、パーティメンバー募集の張り紙を見て来ました」


「ああ、なるほどね。うち、パーティがパーティだから来ないと思ってたわ」


 ?????


 僕はこの違和感に従うべきだった。

 探索者は嫌な予感がしたら引け。という言葉がある。しかしこの時の僕はその言葉を忘れていた。


「ちょっと中の廊下で待ってて。メンバー呼んで面接の準備するから」


「分かりました。お、お邪魔します…」




――――――――――――――――――――






「入って来て!」


 恐る恐る扉の中に入って10分程待っただろうか。先程と同じ明るい女性の声で建物の中の面接部屋に呼ばれる。


 人は第一印象が大事だ。明るく、ハキハキとした声で挨拶をする。


「よろしくお願いします!」


 (えっ!?なにこの人達!?)


 心の声を漏らす直前で何とか止める。



 もう一度言おう。人は第一印象が大事だ。


 ソファに座る人が二人、床で寝ている人が一人、ソファに身を預け、座りながらうたた寝している人が一人。


 はっきり言う。面接に来るパーティ間違えたかも。


「これから見る事に引いて帰るとかしないでね?」


 今にも帰りたくなる言葉を緑のローブ、動きやすい黒色のズボンを履いた金髪で整った顔立ちの(多分)魔術師が話す。


 ………もう十分引いているんですけど。


 魔術師が人差し指を軽く動かす。

 指から放たれた威力、範囲は抑えめながら決して簡単ではない雷魔法が2人に命中する。



 両者身体を震え上げて起きる。

 ソファの側で眠っていた女性は伸びている。

 床で寝ていた男はあくびを交えながら魔術師に文句を言い始めた。


「ランディ、何するんだよ」


「パーティメンバーの面接だ、流石にカイルもいないとまずいからな」


 あれ?準備出来たんじゃないの?


 僕は、今大声で突っ込みたい事が複数ある。


 まず一つ目、準備出来たから入って来たのに面接を始められる状況じゃないこと。

 二つ目、凡そ10分前までランク及び経験不問ならば駆け出しパーティ、つまりランクGかFの募集だと思ってた。だがここの4人は明らかにDランク以上だ。なんでそんな人がランク、経験不問で募集しているのか?

 三つ目、これが最も大きい。

 早くここを切り抜けて何もかも忘れて眠りたい!




「取り敢えず座って。面接を始めるよ」


 ランディと呼ばれた魔術師があまりの情報量に立ち尽くしてしまっていた僕を座らせる。


「分かりました。お願いします」





 ランディが「こほん」とわざとらしく咳払いをして面接が始まった。


「では、まずはじめに名前、年齢、ランクをお願いします」


「はい。えーとエドワード・クレイです。親しい人達にはエドと呼ばれています。年齢は15、ランクはG、実践経験はありません」


「エドって盗賊(シーフ)で良いんだよな?アピールポイントは?」


 カイルと呼ばれる男に聞かれる。


 いきなり距離近いな。ていうか経験なしならサッサと不採用にして欲しい。今は採用されるよりここから帰りたい。行く宛ないけど。


「一応村での幼少期からの元探索者の師匠からはスピードだけならEランクの平均的な盗賊(シーフ)並だと…」


 眠たそうな目をした水色の髪のうたた寝していた女性が僕の黒い短髪からつま先迄を隈なく観察して呟く。


「15歳、成長、まだ」


「そ、そうですね...」


 因みに僕の身長は成人男性よりちょい下位である。




 それから15分は矢継ぎ早に質問が飛んできて答えるのに精神が疲れた。寝床に飛び込んで寝たい。


「みんな、エドワード君が疲れてきているからからそろそろどうするか決めようか。それで良い?」


 ランディの言葉に三人が賛同して退出し、僕が面接部屋に残される。


 多分落ちた!絶対落ちた!こんな新人取るわけないよね?パーティに加入したらL-L(ルーズルーズ)になっちゃうからね。今日の事は忘れて便利屋依頼をこなしつつ訓練をしていずれパーティを組んで英雄を目指すぞ!


 これからの事を考えていると四人が戻って来た。


 神妙な面持ちに僕は歓喜し、心の中で叫んだ。


 (よし、やっと帰れる!)




 ゆっくりとソファに腰をかけてランディが口を開く。


「エドワード、悪魔の聖騎士パラディンオブフィーンドへようこそ!これからよろしくね!」


「えっ???」

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