第18話 「なんともダサい男」
“ビスマルク”発動より三週間ーー
少し、肌に寒さを感じはじめた朝。
ロッカールームで、ヒロシとシュウヘイは話していた。
「寒くなってきましたね加藤さん」
「うん...」
「どーしたんです?」
「いや…今日だなって思って」
「ん?あーヤシーですか」
「そう」
「あんだけサボったんすから、少しは申し訳なさそうにしてんじゃないすか?」
その瞬間だったーー
バンッ。
突然ドアが勢いよく開く。
「オイース!久しぶりやなカトゥ、ゾノ!!」
ーー大甘だった
何も変わってないし、まったく悪びれる様子もない…
変わったといえば心なしか太った気がする。
「あぁ…久しぶりですね林さん」
ヒロシが返す。
「オザース」
シュウヘイも返す。
二人は自分たちの認識の甘さを痛感した…
この男に欠落しているのは、
“感謝”
の二文字だということを…。
朝礼後ーー現場にて。
「いやー参ったわ目眩が酷くてまともに生活できんかったわ」
(元々まともな生活してないだろアンタ…)
「悪いけど当分まともに仕事できんけ宜しく頼むわ」
(はぁ?あれだけサボっておいて、さらに仕事しないつもりかコイツ…)
皆それぞれに思惑はあるのだろうが口にはしない…
“豚の耳に念仏”
だからだ。
そこから怒涛のユージShowが幕を開けるーー
「いやー女と過ごした三日間楽しかったわ♪」
「おっ、トモヤちゃんサービスありがとな」
「今頃すか…」
「うちのエリちゃんええ女やろ」
「エロい妄想すんなよ!」
「絶対ないすわ!!」
即答。
「ムキになんなや、嫉妬かオイ」
「まぁあれだけの女やしトモヤには荷が重いわな」
(いたらいたでムカつくなコイツは……)
その時だったーー
課長がユージを呼ぶ。
「おーい林!書いてもらう書類あるけちょっと帰ってこい」
「せっかく盛り上がってきたのに…ちょい行ってくるわ」
ユージの姿が見えなくなった途端皆が一斉に喋りだす!
「ありゃ完全に調子に乗ってんな…」
「せっかくの三連休、殆どラ○ホで過ごしたとかって……筋金入りのバカっすねアイツ」
「何が荷が重いだ!重いのはお前のブ○彼女だっつーの!!あー腹立つ」
そのトモヤの一言に皆の視線が集まる。
「え?ブ○なん?」
「マジ!?」
「しかも…デ○?」
「そーっすよ!俺も待受画面と別人すぎて分かんなかったすもん」
「じゃあ…あの待受って加工?」
「…になるっすね結果、全然似てなかったし体型も全然太かったすよ」
「挨拶しても愛想ないし、感じ悪いし……最悪の女でしたね」
全員が顔を見合わせタメ息を吐く…
(ダサい……ダサすぎる)
ユージが色々ハードルを上げてはいるが、結局その程度の女性と聞き皆が納得の表情で笑い合う。
ふと、思い出した様にヒロシが口を開くーー
「あっ!?そーいえば…」
皆がヒロシを見る。
「元カノも永野○郁にそっくりだって息巻いてたな以前……」
「あれも…同じなのかな?」
「なんともダサい奴ですねヤシー」
シュウヘイが呆れる…
トモヤも呆れ顔で...
「自分が一番だって、思ってんのがそもそもおこがましいっすよね」
全員首を縦に振る。
その時向こうからユージが帰ってきた。
「いやぁやれんわ、面倒な書類何枚も書かせやがって」
(そりゃアンタが休むからだろ...)
その後もユージの自慢話は続いたが…
その場の空気は完全に変わっていた。
(超ダッセー奴…)
全員のーー
“ 目 ” が “ 口 ” ほどに、
ものを語っていたらしい。
今回も最後まで読んでいただき感謝いたします。




