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ある転移者の人生~王国から見捨てられた俺は地道に最強目指します~  作者: ナイトさん
第一章 赤鬼の悪魔

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第20話決意

物語はいまから動き出す

ミノタロウスの巨体が、地面に崩れ落ちる。

――ズシン。

遅れて静寂が訪れた。

「……はぁ……終わった、か」

息を吐く。

全身が熱い。だが、それ以上に――

「……おかしくない?」

エリナが周囲を見回す。

「何がだ?」

「静かすぎるのよ」

言われて気づく。

(……確かに)

さっきまで感じていた“魔物の気配”が、完全に消えていた。

逃げたのか?

いや――

『違う』

リードの声が低く響く。

『“消えている”のではない。“避けている”』

「……は?」

その瞬間。

――ゾワリ

背筋を、冷たい何かが撫でた。

「……ッ!」

思わず振り返る。

だが、そこには何もない。

ただ暗闇が広がっているだけ。

「……今の、何?」

エリナの声にも、わずかな緊張が混じる。

『……視られているな』

「……誰にだよ」

答えは、ない。

だが――

(いる)

確信だけが、残る。

その時。

「……ここは、長居しない方がいい」

レインの声。

いつもより、わずかに低い。

「珍しいな、お前がそんなこと言うの」

「……気のせいならいいけどね」

だがその目は、奥を見ていた。

まるで――

“何か”を知っているかのように。

「……帰るぞ」

それ以上踏み込むのは危険だと、本能が告げていた。

俺たちは、ダンジョンを後にした。

帰還〜

その後レインに治癒魔法をかけてもらい。すかっりよくなった。やっぱりレインはすごいやつだ。だけどあいつじぶんのこと何もしゃべらないんだよな。

そう考えながらおれは

「ふぅ~」そうため息をついた

夜の風が、やけに軽く感じる。

だが――

胸の奥は、重いままだった。

(……あれは何だ)

ミノタロウスよりも強い。

そう直感していた。

「……どうしたの?」

エリナが覗き込む。

「いや……」

言葉にできない。

だが――

拳を握る。

(今のままじゃ、足りない)

あの“何か”に対して。

「……強くなる」

小さく、呟いた。

『いい判断だ』

リードの声が静かに響く。

『貴様は、まだ入口に立っただけだ』

■~数日後~

夜の町は静かだった。

アナシュは拳を握る。

(あの時の気配……)

(まだ完全には直ってない)

だが――

「……前よりは、マシだな」

確実に強くなっている。

それでも。

「……まだ足りねぇ気がする」

その違和感だけは、消えなかった。

次の日

ギルド内は、いつもと違う空気に包まれていた。

ざわめきが止まらない。

視線が、一点に集まっている。

掲示板――その中央。

「……なんだ、これ」

アナシュは目を細めた。

そこに貼られていたのは、明らかに“異質”な依頼だった。

『特別討伐任務

対象:赤鬼の悪魔

出現地点:旧王都跡地・地下遺跡

参加条件:Cランク以上

※本任務は王国直轄』

「……旧王都跡地?」

エリナが小さく呟く。

「ダンジョンじゃないの?」

「違うな」

低い声が、横から割って入った。

振り向く。

そこにいたのは――

長身の男。

鍛えられた体。無骨な装備。

そして、場の空気を変えるほどの存在感。

「……遺跡だ」

その男は、ゆっくりと掲示板を見上げる。

「昔、王都が滅んだ場所……その地下に広がる“未調査領域”」

「……あんたは?」

アナシュが問いかける。

男は一瞬だけこちらを見て――

ニヤリと笑った。

「Bランクのガルドだ。」

その一言で、周囲の空気がわずかに張り詰める。

(……強い)

直感で分かる。

エリナも、同じことを感じたのか、わずかに視線を鋭くした。

「で、何が言いたい?」

エリナが腕を組む。

ガルドは肩をすくめる。

「簡単な話だ。この任務――」

一歩、前に出る。

「普通の討伐じゃねぇ」

静かに言い切る。

その時。

『……感じるな』

リードの声が、低く響いた。

(何をだ?)

『“あれ”に近いものだ』

(……!)

脳裏に浮かぶ。

赤鬼の悪魔。

あの、理解不能な存在。

「なあ、ガルド」

アナシュが口を開く。

「この任務、何人で行く?」

「10人以上は確定だな」

「……大規模だな」

「当たり前だろ」

ガルドは鼻で笑う。

「相手は“国が動くレベル”だ」

その時、後ろから静かな声。

「……編成は任せていいのか?」

振り向くと――

レインがいた。

いつの間にか、そこに立っている。

気配が薄すぎる。

「……あんたも来るのか」

ガルドが目を細める。

「そのつもりだ」

レインは淡々と答える。

「戦力としても、解析役としても役に立つ」

「ほぉ……」

ガルドが興味深そうに笑う。

「見た感じ、ただの魔法使いじゃねぇな」

「ただではないよ」

静かな一言。

だが、その裏にある“圧”は明らかだった。

「……で、どうするの?」

エリナがアナシュを見る。

「行くの?」

迷いはなかった。

「行く」

即答。

「……だと思った」

エリナが笑う。

その瞬間。

アナシュの中で、“戦場の記憶”が蘇る。

(大人数戦……)

(前衛、中衛、後衛……連携……)

自然と、思考が回り始める。

「なあ、ガルド」

「ん?」

「編成、適当にやるなよ」

空気が変わる。

「……は?」

「この人数なら、配置で生存率が変わる」

淡々と続ける。

「前衛は耐久と近接火力、中衛は遊撃とサポート、後衛は魔法と索敵」

「さらに――逃げ道の確保」

ギルドのざわめきが止まる。

「一方向に固まるな。包囲されたら終わりだ」

「……」

ガルドが黙る。

そして――

ニヤッと笑った。

「面白ぇじゃねぇか」

「お前、ただの新人じゃねぇな」

「……まぁな」

ごまかす。

だが――

(戦争で嫌ってほどやったからな)

レインが小さく頷く。

「理にかなっている」

「……だろ?」

「君が指揮を取るのも悪くない」

「は?」

思わず声が出る。

ガルドが肩を鳴らす。

「決まりだな」

「は!?ちょっと待て!」

「いいだろ」

ニヤリと笑う。

「どうせ普通にやっても死ぬ任務だ」

「だったら――」

アナシュを指差す。

「面白い方に賭ける」

ギルドの空気が、一気に変わる。

期待と、不安と、興奮。

全部が混ざる。

『……始まるな』

リードが静かに呟く。

『これが、“本番”だ』

アナシュは掲示板を見る。

赤鬼の悪魔。

そして――

旧王都の地下遺跡。

(ただの討伐じゃねぇな……)

直感が告げていた。

これは――

“物語の核心”に繋がる戦いだと。

「……やるしかねぇか」

小さく呟く。

拳を握る。

エリナが隣で笑う。

レインは静かに目を細める。

ガルドは楽しそうに笑っている。

こうして――

赤鬼の悪魔討伐隊は、結成された。

その行き先は、

ダンジョンではない。

過去が眠る場所。

“古代遺跡”。

そしてそこには――

まだ誰も知らない“真実”が待っている。

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