表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ある転移者の人生~王国から見捨てられた俺は地道に最強目指します~  作者: ナイトさん
第一章 赤鬼の悪魔

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

20/29

第19話英雄

ミノタウロスが吠える。

「グォォォォォォォ!!」

その瞬間――

空気が、変わった。

「……来るわよ!」

エリナが叫ぶ。

ミノタウロスの筋肉が膨れ上がる。血管が浮き出し、目が赤く染まる。

『怒り状態を確認』

『攻撃力上昇――危険度増大』

「チッ……本気モードかよ……!」

次の瞬間。

――消えた。「は……?」

視界から消失。

直後。

「後ろ!!」

エリナの叫び。

「――ッ!!」

振り向く。

もう目の前。

斧が振り下ろされる。ドォンッッッ!!!

「ぐっ……!!」

受けた瞬間、腕が軋む。

地面が砕ける。

「クライン離れて!!」

エリナが踏み込む。

「剣の舞い!!」

連撃――連撃――連撃!!

高速の斬撃がミノタウロスを包む。

ガガガガガガッ!!

だが――

「硬い……!」致命傷にならない。

むしろ――

ミノタウロスが笑う。

「グルァ……!」

腕を振る。

「っ!!」

エリナが弾き飛ばされる。「エリナ!!」

「……平気よ……!」

立ち上がる。

だが口元から血。

(今のでもダメージ入ってる……)『正面から削るのは非効率だ』

リードが冷静に告げる。

『狙え。“一点”だ』

(一点……)視線を向ける。

心臓。

首。

関節。

その時。

ミノタウロスが突進してくる。

「グォォォ!!」避ける。

だが追いつかれる。

「ぐっ……!!」

掠る。

それだけで体が吹き飛ぶ。

地面を転がる。

(クソ……強すぎる……!)

立ち上がる。だが――

足が震える。

『限界が近いな』

リードの声。

ドクン。

ドクン。心臓が、強く鳴る。

視界が赤く染まる。

「……まだだ」

ミノタウロスが迫る。

ミノタウロスの斧が振り下ろされる。

――ドォン!!!

「ぐっ……!!」

アナシュが吹き飛ぶ。

地面を転がり、血を吐く。

「クライン!!」

エリナが叫ぶ。

だが――距離がある。

間に合わない。

その瞬間。

「――間に合ったな」

低い声。

空気が、揺らぐ。

バチッ――!!

雷が走る。

ミノタウロスの腕に直撃。

「グルァッ!?」

動きが一瞬止まる。

「……誰だ」

アナシュが顔を上げる。

そこにいたのは――

ローブの男。

レイン。

「レイン……!」

エリナが息を吐く。

「遅いわよ」

「すまない。観察していた」

さらっと言う。

「手伝うぞ。ただし――」

レインの目が細くなる。

「主役は君たちだ」

ミノタウロスが咆哮する。

「グォォォォ!!」

怒り状態、継続。

「来るぞ!」

レインが杖を構える。

水雷すいらい

――バチィッ!!

水と雷の複合魔法。

足元に炸裂。

ミノタウロスの動きが鈍る。

『いい補助だ』

リードが呟く。

『動きが読みやすくなる』

「クライン!」

エリナが叫ぶ。

「今ならいける!」

(……助かる)

体を起こす。

まだ痛みはある。

だが――

動ける。

踏み込む。

ミノタウロスが振り向く。

だが遅い。

「はあっ!!」

拳を叩き込む。

――ドンッ!!

「グルァッ!!」

確実に効いている。

だが――

怒り状態。

止まらない。

斧が振り上げられる。

「避けろ!」

レインが叫ぶ。

(間に合わねぇ――!)

その瞬間。

水壁ウォータースクリーン

目の前に水の壁。

ドォン!!!

衝撃が分散される。

「ぐっ……!」

完全には防げないが――

直撃は回避。

「……助かった」

「礼は後だ」

レインは冷静に言う。

「次で決めろ」

「エリナ!」

「任せなさい!」

エリナが走る。

「剣の舞い!!」

無数の斬撃。

視界を奪う。

「今よ!!」

(ここだ……!!)

だが――

(まだ足りねぇ……)

ミノタウロスが反撃。

拳が迫る。

「クライン!!」

(……来いよ)

あえて、受ける。

ドォォン!!!

血が舞う。

膝が崩れる。

「なっ……!?」

エリナが目を見開く。

「なんで……!」

レインの目が細くなる。

「……なるほど」

ドクン――

『条件達成』

『スキル【勇者】レベル2』

『〔英雄の一撃〕解放』

「……来たか」

レインが小さく呟く。

アナシュが立ち上がる。

ゆらり、と。

「……行ける」

空気が変わる。

「今のは……」

エリナが息を呑む。

『今だ』

踏み込む。

消える。

「――英雄の一撃」

ドォォォォォン!!!!!

衝撃。

空間が揺れる。

ミノタウロスの動きが止まる。

崩壊。

ズシン……

静寂。

「……終わったか」

レインが杖を下ろす。

「今の……何……?」

エリナが呟く。

レインは少しだけ笑う。

「“切り札”だろうな」

アナシュは膝をつく。

「はぁ……はぁ……」

レインが近づく。

手をかざす。

「少しだけ回復する」

淡い光。

疲労が和らぐ。

「……サンキュー」

「無茶はするな」

少しだけ厳しい声。

「……でも、よくやった」

その一言に、重みがあった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ