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ある転移者の人生~王国から見捨てられた俺は地道に最強目指します~  作者: ナイトさん
第一章 赤鬼の悪魔

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11/29

11話初めてのダンジョン②

静寂の中、ゴブリンを倒した直後――

「……はぁ……はぁ……」

息が荒い。

(思ったよりキツい……)

エリナは平然としている。

その差が悔しい。

(どれくらい差があるんだ……)

「……鑑定」

小さく呟く。

視界に情報が浮かび上がる。

『エリナ・ブルーム LV7

 ステータス

 HP:520/520(緑)

 MP:0/0(青)

 SP:480/480(黄)

平均攻撃力:800(赤)

【サブスキル】『戦闘技術』『瞬発強化』『直感』

【魔法】なし

【技】斬撃、連撃、踏み込み強化』

(……やっぱりか)

「どうしたの?」

エリナが振り返る。

「いや……やっぱお前強いな」

「当然でしょ」

即答だった。

「私はスキルなんて持ってない分、全部積み上げてきたんだから」

その言葉に、少しだけ重みを感じた。

この世界の人間は――スキルを持たない。

だからこそ、サブスキルと技を極める。

「お前らって全員そうなのか?」

「そうよ。スキルなんて使えるのは“転移者”だけ」

「……そうか」

改めて実感する。

(俺は……特別なんだな)

だが同時に――

(それでも負けた)

赤鬼の悪魔。

ゴルド。

強い奴らはみんな、スキルなんて使っていなかった。

『勘違いするな』

リードの声が割り込む。

『スキルがあるだけで強いわけではない』

(……分かってる)

拳を握る。

その時。

奥から気配。

「まだ来るわよ!」

再びゴブリンが現れる。

今度は三体。

「……来いよ」

構える。

その瞬間――

『鑑定』

リードが促す。

視界に表示。

『ゴブリン(ダンジョン個体)LV3

 ステータス

 HP:120/120(緑)

 MP:20/20(青)

 SP:90/90(黄)

ATK:65/65(赤)

【サブスキル】『群体行動』『奇襲』

【技】連携攻撃』

(やっぱり連携してくる……!)

左右、そして後ろ。

囲む気だ。

「チッ……!」

だが――

『落ち着け』

リードの声。

『数を見ろ。動きを読むのだ』

視界を広げる。

呼吸を整える。

(右、左、後ろ……)

(先に動くのは――)

「そこだッ!」

踏み込む。

「疾風脚!!」

一体を吹き飛ばす。

エリナがすぐに追撃。

「はぁっ!」

斬り伏せる。

「連携、悪くないじゃない」

「たまたまだ!」

だが――

悪くない。

今まで一人で戦ってきた俺にはなかった感覚。

(これが……パーティか)

戦いが終わる。

静寂。

そしてまた――

体の奥に流れ込む感覚。

「……また来た」

『魔素の取り込みだ』

少しずつ。

確実に。

強くなっている。

エリナが剣を肩に担ぐ。

「で?どう?」

「……正直、舐めてた」

「でしょ?」

ニヤリと笑う。

「でも」

顔を上げる。

「悪くない」

エリナが満足そうに笑う。

『いい兆しだ』

リードの声。

『貴様は今、“戦いながら成長する段階”に入った』

(……ああ)

ダンジョンの奥を見る。

暗い。

深い。

まだまだ先がある。

『ここからが本番だ』

『スキルを持つ者と、持たざる者』

『その差を――どう埋めるか』

拳を握る。

「……行くぞ」

「当然」

エリナが前に出る。

二人で進む。

ダンジョンの奥へ。

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