表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
▼"一次通過"アイスマジック  作者: 薬屋がいる限り1位無理!tanakatakusi
第2章 4女ディヴィアの誓い 学園ラブコメカードバトル編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

48/55

第28話エムニッタ

 号令。


 空が。


 大地が答える。


「両者、準備が整ったようですッーーーー!★」


「それではッ!第5試合開始ッ!!!★」


「フルール様の為にも、勝利して見せますわっ!」


「フン、言ってろ。」



・・・・→



バリンッ……


「アァーーーーッと!!!両者とも目の前に2枚のパネルが残ったァ!!!!★」


クソがッ!!モーモモの最初に赤を持ってくる、奇策でここまで0Pだぜ


「変な手を使う、名前の通りだ―――」


「失礼ですわねっ!ほえ面かくがいいですわッーーー!!」


セット、オープンッ!!!


「これは珍しい、黒と黒が残ったーーー★」


黒は通常、相手に-1Pだが、お互いに出し合うと0Pになる。


「どうしましたの?固まってますわよ。」

「うるさい。考えてる。」

「フフ……」

(笑いやがった。余裕があるのか。それとも――)


1戦目は互角、引き分けだった。


2戦目、開始


モーモモ

0 0 0 

黒 黄 青 


黄 金 黒 

-1 -1 -1

ロット


最初に、黒!さっきと逆の展開に持ち込む気だッ!


「……今度こそですわ。」


声のトーンが落ちた。さっきまでのわーわーが、嘘みたいに消えている。


(こいつ……本気の顔がある。)


「かかってこい。相手をしてやる。」


「……ロットさん。」


「なんだ。」

「フルール様のこと、どう思いますの。」


(急になんだ。)


「試合中に聞くことか。」


「だって気になりますもの。」


タイミングがおかしい。試合の佳境で、わざわざフルールの話を出してくる。


(揺さぶりか。)

(それとも本気で聞いてるのか。)


「‥‥答えてくださらないんですね。」


モーモモは静かに言った。


「フルール様はね、ずっと一人で抱えてきたんですの。」


「お父様のこと。ヴィア姉様のこと。この酒場のこと。」


「…………」


「だから私は、勝ちたいんですわ。」


「あの人に、少しだけ、楽をさせてあげたいから。」


(こいつ。)


「試合中に本音を言う奴があるか。」


「だって、負けたくないから本当のことを言うんですわ。」


「フン。」


モーモモ

0 0 -1 -1 -1 -1

黒 黄 青 金 赤 銀


黄 金 黒 赤 青 銀

-1 -1 -1 -1 +1 +1

ロット



3ターン目、赤を出していたら、赤<青で失点していた。

5ターン目、やり返して赤<青で俺が得点だ。


「試合終了ッーーーーーーー!!!!★」


カン、カン、カンカーンッ!!!


いつの間に用意していたのか。場違いなくらい立派なゴングが、闘技場に甲高く響き渡る。


準備が良すぎるな。


というか絶対前から置いてあっただろこれ。観客席がざわめく中、司会だけが満面の笑みだった。


「いやァ〜〜〜!!実に素晴らしい試合でしたねェー!!!★」


「嘘ですわーーーッ!!!」


甲高い悲鳴が飛ぶ。


「きっとイカサマしてますことよーーーッ!!!」


令嬢らしく、ハンカチを噛み締めながら、ぷるぷる震えていた。

口元が完全にタコみたいになっている。


さっきまで漂っていた死闘の空気が、一瞬で崩壊した。


ロットはリングの上で息を吐く。


なんなんだ、この温度差。


つい数分前まで、人が死ぬみたいな目をして戦っていたはずなのに。


「ちょっと、審判ッ!!!再試合を要求し……」


「却下です★」


「早いですわーーーッ!!?」


司会のエムニッタは爽やかに笑う。


「なお抗議料はセロコイン三十枚からとなっております★」


「ぼったくりですわよ!!!」


観客席から笑いが漏れる。


その空気の軽さが、逆にロットには不気味だった。


この会場はいつもそうだ。血と歓声が近すぎる。


「フルール様を大切にすることですわ!私たちが常に見張っていますので!あしからず!」


「言われなくてもそのつもりだ」



エムニッタはくるりとマイクを回した。


「さてさてェ〜!!それではいよいよ!!Cブロック代表決定戦へ参りましょう!!!」


照明が落ちる。


闘技場の熱が、一瞬で冷える。


ロットは目を細めた。


来る。


「選ばれし最後の二名はァ――――」


モニターへ名前が映る。


【ロット】


そして。


【エムニッタ】


「……………………は?」


ざわめきが嘘のようだ。会場が静まり返る。


一秒遅れて、爆発みたいなどよめきが起きた。


「司会ィ!?」

「お前出んのかよ!!」

「ズルだろ!!!」

「八百長だーーー!!」


エムニッタは深々と一礼する。


「ご安心ください★」


顔を上げた瞬間。


眼が笑っていなかった。


「私は常に、公平ですから」


ぞくり、と。


ロットの背中を冷たいものが走る。その瞬間だけ。


こいつは只の司会者じゃないと全身が怖気を放っていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ