第27話モモモーモ・モーモモ
「恩に着るぜ、ありがとう」
と言い筋肉ダルマは客席の方へ下がる。セロコインの譲渡も終わったし、これで2枚だ。
ほーっ?見た目は透明のガラス細工にしか見えねえ。これが千億か。アイス家にとっては、はした金なんだろうがな。
「さぁこれで4試合が終わりましたー★」
「ここでAブロックの紹介ですっ!!!」
キャー、フッー!!
「黄色い髪の青年、スタン選手が圧勝でAブロックを制しました!!!」
もう?そうか参加者が少ないと思ったら予め、集合場所が違うのか。
スタンだと?それに青年?
「おーい、審判!そいつ青年じゃねーぞ」
「個人情報ですのでお答えできません★」
「代わりにワタシのプライベートは.....こちらも個人情報デスッ★」
にかっ
なんだこいつ。なめてんのか。杖へし折るぞ。でも今の言い方だと含みがあるな。直接戦えば分かる。
◇ヴァロン酒場1階
一年で一番忙しい日。
酒場はてんてこ舞いだ。そのワケが……。ディヴィアは、入院中。
スタンもイルテも休み。ケイは逃亡。普段酒場にいる姉妹はフルール一人だ。
仕方ないので、アストレイア女学院高等部の友人に手伝ってもらい、ギリギリ手が回っていた。
「フルー、だいじょぶそ?」
「えぇ、心配ないわ……レース」
「そのテンションじゃ、心配っしょ↑」
お嬢様学院にも変わった子はいる。レースは中等部からの友人だ。性格は私と正反対だけど……
「親衛隊なんだから、あの子も来ればいいのになぁー☆なんか大事な用があるっんだって↑」
ガバッとスキンシップ
「そおりゃぁー↑↑↑」
フルールのスタイルが激しく変わる。
「ちょっ……」
「エネルギー補給☆てへぺろっ↑」
「もうっ、仕方ないんだから……」
「フルー遊んでないで、こっちもお願い!」
「うん……」
バイト初日でこれだけ対応できるのは、普段から彼女たちの人当たりがいいからかも。
「きっと遊んでるんだよ↑あ奴め↑アイスゲーム会場にちげぇねぇっ↑↑」
歌舞伎のポーズをしているが当のフルールは考え事をしており、伝わってないようだ。
「まさか……」
TV中継に目をやる。モニターに映る『Cブロック第二試合』の文字。
見知った顔に言葉を失った。
◇Cブロック時計塔前
次はどいつにしようかなー。勝った奴は、学生か。
「次はお前だ、そこの桃髪ツインテちゃん」
こちらを見ていた高校生くらいのお嬢様に話しかける。
「望むところですわ、ゴキブリさん」
「ロットだ」
「あなたが肉と戯れている間に、ゆるりと観戦してましてよ」
「私はヘリス、フルール親衛隊隊長」
は?
「そして、私専用フルールの館館長でもある」
またヤバい奴だった。
「さぁ!いざ尋常に勝負しなさい!!!」
バサッと特攻服だろうか。↑フルール命↑と書かれている。
「盛り上がってまいりましたっー★それではセロコイン2枚を賭けた第2試合ッ!」
「紅蓮腕ロットVSモモモーモ・モーモモ」
「「なんだと!?ですって!?」」
なんでさっきの筋肉ダルマの肩書きが俺についてるんだよ。
いらねえよ!……いやいるよ!!!
「お待ちなさい!私も先ほど勝ってますのよ!」
「お二方とも、お静かにっ!★」
「勝利したロットさんは相手の肩書きを奪えます!★」
「ヘリスさんは登録申請がありませんでしたので、ネット投票です!★」
おかしいじゃありませんのっ!と桃髪が顔を真っ赤にして怒っている。調子が狂ったが、モーモモだろうが、誰だろうが叩き潰して桃の缶詰にしてやる。
「モモじゃありませんわーーーー!!!」




