第26話盤上のロット
領域戦は4つのエリアごとに分かれる。
「むっ……」
時計塔が巨大モニターになっており、中継で他の場所も分かるのか。
俺に与えられたカードは『C』時計塔のエリアだ。このまま動かなくていいわけだ。
「にーちゃん、俺とやろうぜ。」
大斧を背負った男。毛皮のポンチョに広い鍔のサボテンみたいな帽子。
野生のゴリラを彷彿とさせる大柄な筋肉ダルマがいた。
「バトルと聞いてたんだが、拍子抜けだ。」
「弱そうなお前から片づけてやる。」
いかにもなセリフだなぁ。スタンを思い出すぜ。
「そっくり、そのまま返してやらァ!筋肉ダルマ!!!」
キャッー!
黄色い地響きが沸き立つ。
「あーっと!?★さっそく始まるようです!!!第一試合開始ッ!!!!」
『アストレイアのゴキブリ王ロット』VS『紅蓮腕ゴライアス』
ブーンと俺の頭上と目の前に、突然名前と6つの青いカードが現れる。
これは驚いた。
カードをテーブルに伏せなくてもいいとは……
っておい!待て。なんだこのふざけた表示は!!!!
「なんじゃこりゃあ!?」
デカブツが大げさに喚く。
「それは俺のセリフだっ!ややこしいから黙ってろ、デカブツ!!!」
「おい、審判!俺の名前はロットだ!変なもんつけんな!」
「あやや?★こちらに表示されているのは正式な登録デスヨ★」
手続きをしたのはたぶん、アーサーだろう。
だが、こんなふざけた名前を登録しそうな奴に……心当たりは一人しかいない。
「ヴィアアアアアアアッッッーーーーーーーー!!!!!」
死んでもなお、舐め腐ってるとは根っからだったよ。あいつは。墓場にピ―――してやるからな!
「ゴキブリ王ロットさんっ★余計なことを言うと殺しますヨ!」
「ぶっそうだな!おい。」
さっきの静けさが嘘のようだ。客もムードも最高潮ってわけか
「よしっ、なら話がはえー!全戦ストレートで勝ってやるッ!」
ゴライアス
1 1 1
黄 銀 赤
青 銀 黄
1 1 1
ロット
意外にも同点かよ。
「かかっー!!俺を舐めんじゃねえ!!」
筋肉が調子に乗りやがって
「田舎から出てきた俺ァ…。病気の娘に、薬を充てるのさ」
なんか言ってるぞ。
「あっーと!★ゴライアス選手!得意技の泣き落としだっー!!!」
嘘をつけ!嘘を!司会も変な煽りをすんじゃねぇ!
ゴライアス
1 1 1 1 2 1
黄 銀 赤 黒 青 金
青 銀 黄 赤 金 黒
1 1 1 2 2 2
ロット
「ワーッ★なんと勝者はロット選手ッ!!!」
「ゴライアス選手、無念の敗退ですッ!!!★」
気が早い奴だと思ったが、相手は慎重で初手をミスった。
青の+1を黄で消されてしまった。
ブーブー!
なんだあ?
「あーっと★観客からは盛大なブーイングですッ!!!★」
「場内に物を投げないでください!★」
正当に戦っただろうが!ったく
「いい勝負だった。俺の分も頑張ってくれ。」
男らしく最後はニィと笑顔を見せるゴライアス。
「あぁ、娘は良いのか」
「これからの事は、まだわからねぇ」
グッっと涙を拭う。ったく、どいつもこいつも。
「俺は優勝するから、娘1人の治療代くらい余裕で払える。」
「なんだと」
「じゃあな、あとは応援よろしく」
「ここで★キザったらしいロット選手ッー!痛い!これは恥ずかしい!」
実況はどっちの味方してんだ!!
「さぁ続いてはぁー?★CMのあとだ!!!」




