第24話死後の残花
―――ヴィアの指輪だ。直観的に俺はそう思った。死体には、いつも嵌めていた指輪がなくなっていた。
あれ、おかしい。高速で脳内を逡巡する。俺は校内戦の日、息のあったディヴィに付き添いながら、保健室に向かった。――急いでいたから死体は確認していない。だからヴィアの死体に指輪があるかどうかは見ていない。
なのになぜ、ヴィアの死体に指輪がないと思ったんだ。
前にもあった、アーサーの家にいた時だ!ドアを引っ掻く猫を、なぜ見たことのない猫を"白"と名付けたのか。時々で浮かび上がる記憶がある。
ケイ・・・?
指輪は?犯人が持ち去ったとしたら......試しに箱を振ってみる、中からカチャカチャと擦れあう音が鳴る。まだ中身は取り出されていないようだ。
「まだ、指輪で開けてない可能性がある」
―――こいつは、預かっておく。アイス家との交渉で使える。
情報収集をするつもりが謎が深まってしまった。本棚を戻し、元あった位置にすべて整える。
あとは大人しく、客間で本でも読んでるか。
ガタガタ、ドタドタ
ソファで横になって、くつろいで居たせいか、空気が振動するのが直に伝わる。
おや、そろそろか。本をパタンと閉じると、ちょうどフルールが1階から急いできたようだ。
「お待たせしました、・・・。」
姉妹に聞こえるかもしれない。という事で、急遽フルールの部屋へお邪魔することになった。
「へぇ、さすがきれいだな・・・」
思わず口に出た。廊下の豪華すぎる内装と装飾に比べて、質素倹約というか―――。最低限のものしかなく、銀剣が一振り壁に立てかけてある。
そういや、アーサーの家にも剣があったな。流行ってんのか?
「あら・・・。散らかっているから、あまり見ないでくださいね。ふふ・・・、そうやってジロジロ見られると、困ってしまいます・・・。」
天然か?ギャグで言ってるのか?ベッドと机しかないぞ‥‥料理の時はおっとりしながらも、迫真さを感じたが、どうやらこっちが素のフルールのようだ。
コホン・・・と頬染めながら
ヴィア姉様は―――。私が小さい頃、どこからか義父ルガンが連れてきた女の子です―――。




