第24話愛のカケラ
「……姉サマ、警察きてる……」
ケイだった。
「すぐに行くわ……、下でイルテを手伝って頂戴……。」
そういえば、酒場に来る時にケイとすれ違っていないから、隠れといて正解だったな。
バタン....と扉がしまる。
「2階から飛び降りる所はあるか?」
今、箱を持ってるから妙な疑いは掛けられたくない。
「大丈夫、トイレの前の部屋から1階に下りられます……。」
裏口に繋がっているらしい。分かった。ありがとう。
短く別れを済ませて、それぞれが移動する――。しかし、変な部屋だな、作りは豪華だが隠し通路とは。
さて、いったん頭の中を整理しようか。
ルガンはアイス家と関りがあり、娘たちを守ろうとしていた。ヴィアが会おうとしていた人物もアイス家と関りがあるかもしれない。
ディヴィや酒場を守るには、明日のアイスゲームで勝つ。そうすれば全てが分かるッ!待ってろ、ディヴィ――!
俺は、自宅へ駆け抜ける。今だけは全てを取り払って、集中力を高めるとしよう。
「なぁ、白」
白とじゃれる俺。
「にゃあ」
アーサーの家以来、見ていなかった白を酒場の裏で拾い、家に連れ帰ってきた。きっと無性にさみしかったんだ。白と話しているうち、明日勝てるんだろうか、俺も殺されるんじゃないか。いろいろな不安が浮かんできた。
自然と涙が零れ落ちてきた。今日だけは、白を抱いてゆっくり休もう――。
◇ディヴィアの病室
「………………」
冷たい静寂の中、ディヴィアは意識が未だ戻らず昏睡状態にあった――。時折り、呼吸が止まることもあった。本人の生きたいと言う気持ちだけがディヴィアを現実に繋ぎとめていた。
私はどこでロットを好きになったんだろう。酒場で初めて会った時?学園でアイスゲームをしてる時!?
私が戻らなきゃ、ロットは死んでしまうッ!!!
お願い、私。目覚めて……どこか遠い場所。
こことは違う世界にいる私は、ヴァロン酒場のステージでロットを殺してしまった。
何度も何度も繰り返し見えた有り得ない出来事。
違う。これは、私じゃないッ……!!!気づいて、犯人は__!!!
神様どうか……。女神アストレイア様、貴方様が逆転の神だと言うのなら、一度だけ!どうか私に力を貸して下さい――。
今、生き返って見せる力を。ロットは決して殺させたりしないわッ……!
私の心の在り処を、好きな人を守るだけの、たったそれだけ気持ちを踏みにじらせはしない!!!
眠っている自分を、必死に叩き起こそうとする。泣きながら、顔もぐちゃぐちゃになりながら――しかし、奇跡は起きなかった。
ついに力を使い果たした私は、自分自身の肉体に永遠に戻れないと、神はこの世に居ないと悟って、死んだ。




