第23話空と海と大地と女
「写真だ」
1枚の写真が挟まっていた。なんだろう?気になって、よーく目を凝らしてみた。金髪の青年と青髪の少女が写っている。
知らない場所、それに男の方はアーサーに似てる。女の方はヴィアとは別人だ。
写真のくすみ具合から古びたものだと推測できる。アーサーの父親の若い頃か?いや我ながら暴論すぎるな
一応、預かっておく事にする。他に目ぼしいものはないな。
――あとは正面の執務室か。イルテ達の気配は既にない。給仕に行ったみたいだが、念には念を入れよう。
ガチン....
案の定カギがかかっている。しゃーない出番だ。靴ベラの下に隠した、自作ピッキングツールだ。
ガチャガチャ.......カチャッ
「一発か、思ったより簡単だったな。」
10分もかからなかった。さて、監視カメラや盗聴器の類は.....また探しながらやるしかないな。
とにかく本が多い、ここの主は読書家のようだ。机の上の資料や本を片っ端から漁る。引き出しも棚の奥も全部だ。
――完全に盗人だが、これも手がかりを得るためだ。
「!!!!!!」
ビンゴだ!!!
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▼アイスゲームの優勝者贈呈品リスト▼
・不老薬アイス
・北極海洋及び、南極海洋
・ブランカ村領土移譲権利書
・及びアストレイア女学院含む女生徒
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―――背筋が凍る、ヤバすぎる内容だ。これで俺もアイス家の秘密を知った人間。もう戻れないが望むところだ!!!
謎はまだある、10月23日に見た酒場のマスターの男がいない。たしかルガンと言った。
仮にルガンが、この、執務室を利用していたとしよう――。
アイス家と関りがあって、酒場のマスターの立場を悪用して、金と引き換えに義理の娘たちを売るつもりだったのか?
封筒だ、目をやる。~アストレイア大学院同窓会のお知らせ~
卒業生か、教授でもやっていたのか。中身は入ってなかった。
本の方はどうだ・・・・・・・
「アイスの製法と歴史」、「商業法・契約書の基礎」、「ブランカの地理と気候」、「薬草と薬効の辞典」
書店でならんでるようなものだが、きな臭い。まるで、わざと置いている様に感じた。
やはり、スライド式の本棚だ。――裏にもう一段ある。
アクマ学。人体組成学。波動力学。なんだこりゃ、学者でもやってるようなリストだ。
「ただのマスターってわけでは、なさそうだ・・・」
アストレイア女学院の卒業アルバムが出てきた、なんでこんな所に――
1ページ目、名前と写真が消されている生徒が、2人いる。ルガンが娘の情報を抜いたのだろうか?
さらに、奥の本棚を調べるとオルゴールのサイズの箱がでてきた。見ると、鍵穴の代わりに何か小さなものをはめる様だ。
俺の心臓が大きく脈打った――
初めて見たはずの謎の箱、開け方を――俺は知っている。




