第21話地獄絵図
「――二人の時でも名前は控えてもらいたい、誰が聞いてるか分かったもんじゃない‥。」
アンタのリスクにもなる、スタンは身を竦める。
「不老薬が手に入るのだ、浮かれて何が悪い!カハハッハ・・!!」
図に乗り続けるウサは、カタログを手にこの後に控えている女の選別にウキウキしている様子だ。
「次に会うのは大会本番だ。」
フードを被る必要がないのか、スタンはそのまま出ていく。
「まだまだ、青いの。」
◇ヴァロン酒場
時はロットがきてしばらく経った頃。
「――なんだと?」
イルテが言うには、俺の女装が女子の間で悪目立ちして受けたらしく。酒場でやって欲しいという‥‥
「だ・か・ら!!わたくしの美貌には及びませんが一瞬だけでも、人気になれるのですから、やって見て下さいまし!」
おーっほほほ!と高らかに笑いあげる。
「やるか!2度とゴメンじゃ!」
そういえば・・・、とフルールがガサゴソと何かを探し始める。
「・・・??」
「あ、ありました・・・」
ロットのつけ
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「い、いらっしゃいませぇー!お客さまー!!」
地獄に俺は居た。
「繁忙期だから、とっても助かります・・・。」
語尾が小さいから伝わりづらいが、フルールはキッチンでニコニコしている。悪意は無さそうだから、天然なんだろうな‥。
「あら、そこの冴えない貴方。ロッテさんでしたかしら?笑顔が引きつってますわよ!おーっほほほ!」
ロッテは今回限定の俺の源氏名な!
ついでに、イルテがニィーと俺の口に手を当ててくる!おいっ!やめろバカ!!
「お客様っ!!申し訳ありませんですわー!!今日入ったばかりの新人の子ですの、わたくしがよーく教育しておきますの・で!おーっほほほ!」
ヴィアと別の意味で厄介だな。おっと今は笑顔、笑顔!
「ケイ、何を寝ていますの!美しいわたくしを見習いなさいな!」
「……ん。 イルテ、うるさい。……声、響く。あっちいって.....」
めっちゃ邪険にされてる!ざまぁないな!イルテめっ!
「なんですって!? わたくしがわざわざ声をかけて差し上げているんですわよ! ほら、ロッテさん! 貴方もこの根暗な妹さんに何か言って差し上げたらどうかしら? ずっと隅っこにいるせいで、そこだけ空気が淀んでいますわ!」
けっこう失礼なこと言うな!ケイが傷つくだろうが!!
「まあまあ、イルテ。ケイはいつも通りだろ。ケイ、チョコ食べるか?」
持っているダークチョコを颯爽と手渡す。
「……ロット。 ……チョコ、出すの遅い。ニガイ.....(モグモグ……)
そういいながら、ちゃんと食ってるじゃねえか!
「……イルテ。 ロッテの顔、じっと見すぎ。 ……きもい。」
「な、ななな何を言っていますの!? わたくしはただ、この方の服が余りにも安っぽくて、わたくしの高い美意識に障るから見ていただけですわ! おーっほほほ! 勘違いしないでくださる?」
「……ふん。 ……嘘つき。 ロット、逃げて。 この人、目が笑ってない。 ……おやすみ。」
「ちょっと、寝るんじゃありませんわよ! ロッテさんも、ニヤニヤしていないでさっさと料理を取ってきなさいな!」
「へいへーい。」
俺はキッチンへ緊急避難する。
なんなんですのー!その返事は!と、かなりご立腹なようだ。
「フルールいけるか?」
食器を下げ新たな配膳の為にキッチンへ戻ってきた。せかせかと働く銀髪の影が見える。
簡単な冷凍メニューと思いきや、手作りか。
「かなり体力勝負だと思うが」
無言で作る姿に、普段の穏やかさはどこへやら、職人のような手さばきだ。ギャップに驚かされる。
「お待ちどうさま、3番ね・・・。」
「サンキュー」
この賑わいなら、今月いっぱいは大繁盛だろう。10月いっぱいは本業の仕事休んでるから、酒場を手伝いに来るか。
――ディヴィが抜けた分の負担もあるだろう。
「おーほっほっほ! 見なさいケイ、この溢れんばかりの貴族の輝きを! さあ、この『豊穣の女神イルテ』の前に跪きなさいな!」
「......イルこれ邪魔......。」
イルテのプロポーションは完璧なものだった。店内人気No.1は伊達ではない。自分の頭の上に乗っかる2つの弾力をむぎゅっとケイは押し返す。
「おーほっほっほ! 見なさいな、この圧倒的な発育の差を! この豊かな曲線美こそ、わたくしの余裕と気品の証ですわ! それに引き換え、あなたときたら……どこを見ても真っ平ら。まるで冬の凍ったアリビオ湖のようですわね!」
「……うるさい。……それ、ただの、脂肪。……無駄な、質量。……歩く、肉の塊。……重そう、肩こればいい」
ケイにしては、よく喋ってるな、普段よりムカついてるのか言い返してる。
あっ
ケイがイルテのメイド服を引っ張る、真ん中のボタンが、母性が弾け飛ぶ。
「ケイー!!??このお馬ぁ鹿さんーーー!!」
パン生地のように、双貌を振り回しドタバタとケイを追いかける。客は大うけだ。
忙しさのあまり、深夜まで知っちゃかめっちゃか名前は控えてもらいたい、誰が聞いてるか分かったもんじゃない‥。」
アンタのリスクにもなる、スタンは身を竦める。
「不老薬が手に入るのだ、浮かれて何が悪い!カハハッハ・・!!」
図に乗り続けるウサは、カタログを手にこの後に控えている女の選別にウキウキしている様子だ。
「次に会うのは大会本番だ。」
フードを被る必要がないのか、スタンはそのまま出ていく。
「まだまだ、青いの。」
◇ヴァロン酒場
時はロットがきてしばらく経った頃。
「――なんだと?」
イルテが言うには、俺の女装が女子の間で悪目立ちして受けたらしく。酒場でやって欲しいという‥‥
「だ・か・ら!!わたくしの美貌には及びませんが一瞬だけでも、人気になれるのですから、やって見て下さいまし!」
おーっほほほ!と高らかに笑いあげる。
「やるか!2度とゴメンじゃ!」
そういえば・・・、とフルールがガサゴソと何かを探し始める。
「・・・??」
「あ、ありました・・・」
ロットのつけ
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「い、いらっしゃいませぇー!お客さまー!!」
地獄に俺は居た。
「繁忙期だから、とっても助かります・・・。」
語尾が小さいから伝わりづらいが、フルールはキッチンでニコニコしている。悪意は無さそうだから、天然なんだろうな‥。
「あら、そこの冴えない貴方。ロッテさんでしたかしら?笑顔が引きつってますわよ!おーっほほほ!」
ロッテは今回限定の俺の源氏名な!
ついでに、イルテがニィーと俺の口に手を当ててくる!おいっ!やめろバカ!!
「お客様っ!!申し訳ありませんですわー!!今日入ったばかりの新人の子ですの、わたくしがよーく教育しておきますの・で!おーっほほほ!」
ヴィアと別の意味で厄介だな。おっと今は笑顔、笑顔!
「ケイ、何を寝ていますの!美しいわたくしを見習いなさいな!」
「……ん。 イルテ、うるさい。……声、響く。あっちいって.....」
めっちゃ邪険にされてる!ざまぁないな!イルテめっ!
「なんですって!? わたくしがわざわざ声をかけて差し上げているんですわよ! ほら、ロッテさん! 貴方もこの根暗な妹さんに何か言って差し上げたらどうかしら? ずっと隅っこにいるせいで、そこだけ空気が淀んでいますわ!」
けっこう失礼なこと言うな!ケイが傷つくだろうが!!
「まあまあ、イルテ。ケイはいつも通りだろ。ケイ、チョコ食べるか?」
持っているダークチョコを颯爽と手渡す。
「……ロット。 ……チョコ、出すの遅い。ニガイ.....(モグモグ……)
そういいながら、ちゃんと食ってるじゃねえか!
「……イルテ。 ロッテの顔、じっと見すぎ。 ……きもい。」
「な、ななな何を言っていますの!? わたくしはただ、この方の服が余りにも安っぽくて、わたくしの高い美意識に障るから見ていただけですわ! おーっほほほ! 勘違いしないでくださる?」
「……ふん。 ……嘘つき。 ロット、逃げて。 この人、目が笑ってない。 ……おやすみ。」
「ちょっと、寝るんじゃありませんわよ! ロッテさんも、ニヤニヤしていないでさっさと料理を取ってきなさいな!」
「へいへーい。」
俺はキッチンへ緊急避難する。
なんなんですのー!その返事は!と、かなりご立腹なようだ。
「フルールいけるか?」
食器を下げ新たな配膳の為にキッチンへ戻ってきた。せかせかと働く銀髪の影が見える。
簡単な冷凍メニューと思いきや、手作りか。
「かなり体力勝負だと思うが」
無言で作る姿に、普段の穏やかさはどこへやら、職人のような手さばきだ。ギャップに驚かされる。
「お待ちどうさま、3番ね・・・。」
「サンキュー」
この賑わいなら、今月いっぱいは大繁盛だろう。10月いっぱいは本業の仕事休んでるから、酒場を手伝いに来るか。
――ディヴィが抜けた分の負担もあるだろう。
「おーほっほっほ! 見なさいケイ、この溢れんばかりの貴族の輝きを! さあ、この『豊穣の女神イルテ』の前に跪きなさいな!」
「......イルこれ邪魔......。」
イルテのプロポーションは完璧なものだった。店内人気No.1は伊達ではない。自分の頭の上に乗っかる2つの弾力をむぎゅっとケイは押し返す。
「おーほっほっほ! 見なさいな、この圧倒的な発育の差を! この豊かな曲線美こそ、わたくしの余裕と気品の証ですわ! それに引き換え、あなたときたら……どこを見ても真っ平ら。まるで冬の凍ったアリビオ湖のようですわね!」
「……うるさい。……それ、ただの、脂肪。……無駄な、質量。……歩く、肉の塊。……重そう、肩こればいい」
ケイにしては、よく喋ってるな、普段よりムカついてるのか言い返してる。
あっ
ケイがイルテのメイド服を引っ張る、真ん中のボタンが、母性が弾け飛ぶ。
「ケイー!!??このお馬ぁ鹿さんーーー!!」
焼きあがったパン生地のように、双貌を振り回しドタバタとケイを追いかける。
「いいぞー!姉ちゃん―!!!」「ケイ、よくやったぞ!!!」
客は大うけだ。
忙しさのあまり、深夜までしっちゃかめっちゃかで、一時期の惨劇を忘れるかのようだった。




