第10話近づく、心音
。「やっほー!!おはようっ!ロット!」
眩い朝日の中、ディヴィのさらに明るい話し声が背後から聞こえる。
いよいよ明日は校内対抗戦らしい。
昨日、一緒に帰りながらディヴィ本人に聞いたから間違いない。
中1代表がケイ、ヴィア
中2代表イルテ、アーサー
中3代表がディヴィア、俺ことロット。
が予想メンバーだった。
って……
「なんで今日に限って大所帯なんだ。」
現在は学院に向け4人でゆっくり歩を進める。しかしだ。
いつもは1人で職場に行ってたのに、学生は友達と登校が当たり前なのだろうか。
「ええい!離したまえ!」
スタンとケイがケンカしてる。そんで
「もうすぐ着くんだから、静かにしなさいっ!」
ディヴィがお守りだ。そりゃしっかり者になるだろうけど、損な役回りだなーと思う。
放課後や実行委員の活動を見ると、誰にでも元気にいける所が魅力なんだと気付いた。
ディヴィもこっちをチラチラ見てるようにも感じた。 ――これは考えすぎかも?
「放課後、決着をつけようじゃないかケイ」
「……いいけど、ケイには100%勝てないから……」
「ふん、覚悟しておけ。ケイ、ロット」
スタンは言動とは裏腹にタタタタッと颯爽と走り去って行った。
――って、なんで俺も入ってるんだ!
「……いつも姉サマと二人だったのに……」
なんかブツブツ言ってる奴もいるし。まったくやれやれだ。
「ケイ、ヴィア姉さまと練習はいいの?」
ディヴィが尋ねる。
「……ヴィア姉サマは私じゃ相手にならないから……」
すでに、1年生の代表者をストレートで倒したとか。あいつそんな強かったのか。
「……ヴィア姉サマとケイがいる限り、無敵……」
……フフと笑いながら、こっちに一瞥をくれる。
あん?
俺たちだって負けないぐらいに強い。対抗戦だろうがなんだろうが全員ぶっ倒す。
それじゃお姉サマ。とゆっくり去っていく。
――同じ方向なんだけどな。
「楽しくなってきたわ!」
あぁ、経験が少ない俺は練習量だけじゃ足りない。相手の思考や癖を会話から引き出す戦術を作る。そこへピンポイントで刺しに行く。
「着いたわ、私は用があるからまたあとで!」
と言い元気よく去っていく。
アーサーやヴィアも優勝に向け取り組んでいるだろう。
なぜなら俺たちは命を狙われてる可能性があること、その為に不老薬を手に入れること。
優勝しなければ死ぬ。
そんな絶望的な状態で勝ちに行く。そう改めて心に刻んだ。
――なんだ校門が騒がしいな。
レッドカーペット?
高級車が複数台並び、中から年配のおじいちゃんがでてきた。
「ホホホ、よりどりみどりですな!」
「飼い犬もおる。今回は我々の優勝ですかな。アハハッ」
なんか研究所のやつらと同じような笑い方だな。学院のえらいさんとアイスゲームの関係者ってところか。などと適当に思考を巡らす。
――じじいが今更、不老薬を欲しがるか?不死になる訳じゃない。何か別の目的がありそうだな。
「なぜこんな所に!?」
ん?急に窓を閉めたぞ。俺を見るなり慌てた様子で、行っちまった。




