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四半期3位!!アイスマジック 死んだ少年が母の肉体で蘇り真相を追う!?  作者: 薬屋がいる限り1位無理!tanakatakusi
第2章 4女ディヴィアの誓い 学園ラブコメカードバトル編

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第9話燃やせ!放課後バトル!


「アイスゲーム練習試合、スタンVSロット――開始するわ!」


 ディヴィの軽快な掛け声が室内に響く。

 窓の外はすっかり茜色に染まり、放課後の静けさが学院を包み始めていた。場所は3-Aの教室から離れた、アイスゲーム実行委員会兼生徒会室。


「今日こそ、オレたちの長きに渡る因縁の戦いに決着をつける時だ! 雑魚め叩きのめしてやる!」


「…………」


 ……いや、お前とは初対戦なんだが。

 スタンが鼻息荒く吠えているが、適当に聞き流す。ただ、こいつの単細胞さはゲームの読み合いのロジックを組み立てる上で、格好の実験材料かもしれない。

 昨晩ヴィアに徹底的に叩き込まれた基本さえ押さえておけば、十分に勝てる相手だ。


 バサリ、と互いの手札が机に並べられる。


【スタン】

 青、銀、黄、金、赤、黒

 累計+1P


【ロット】

 黄、青、銀、金、黒、赤

 累計+3P


「うわぁああああっっ!!!!」


 スタンが頭を抱えて絶叫している。最後の二択なんてただの運ゲーだ。

 というか序盤のカードの出し方を見て、こいつが何も考えていないことなど完全にお見通しだ。


「ええい、もう一回だ! もう一回!!」


 結局そこから5戦やって、結果はスタンの5戦全敗――つまり俺の5連勝だった。


「ふぅ、こんなもんか」

「イカサマだっ! 確実にイカサマだ!」


 スタンが机を叩いて立ち上がり、俺を指さす。


「この天才のオレにイカサマを仕掛けるとは、なんて卑劣な奴だ!」

「何言ってんだこいつ」


 シュッ!


 呆れる俺の顔面にスタンの拳が飛んできて、そのまま無し崩し的に不毛な殴り合いに発展した。


「はーい、ストップ! 二人ともストップよ!」


 見かねたディヴィが、ため息混じりに二人の間に割って入る。


「……ふん! 今日は、この辺にしといてやる!」


 お手本のような三下ムーブをかまして鼻血を拭うスタン。


「明日も来るからな! 次こそは絶対に勝つ!」


 それだけを捨て台詞に言い残し、あいつは嵐のように部屋を飛び出していった。本当に忙しい奴だな……。


「ふふ、いいライバルになりそうね!」

「どこがだよ」


 ディヴィの呑気な言葉に、俺は痛む頬を押さえながらツッコんだ。


 ◇


 下校時。薄暗くなった通学路をディヴィと並んで歩く。


「今日もこれから酒場のバイトか?」

「ええ、そうよ」

「……姉サマ一緒に帰りましょう……」


 うおっ。俺の心臓が跳ね上がった。どこから湧いて出たんだこいつ。

 いつの間にか俺たちの背後にあの漆黒の髪の妹――ケイが音もなくへばりついていた。


「あらケイ! 今日はちゃんと学校に来たのね!」

「……ずっと保健室で寝てた……」


 保健室登校だった。普段は家に引きこもっていそうだもんな。


「……今回のアイスゲームで勝つのはこのケイ……フフッ」

「……たとえディヴィ姉サマであっても敵……」

「いい勝負をしましょう! いつもそれくらいやる気を出してくれると、お姉ちゃん助かるんだけど!」

「あー……うー……」


 ディヴィに無邪気に頭を撫でられ、ケイは途端に幼児退行したような声を漏らす。

 ――が。

 ディヴィが前を向いて歩き出した瞬間、ケイは彼女から見えない角度で、俺に向かって明確に中指を立ててみせた。そして「べーっ」と挑発的な笑みを浮かべ、さっさと先に行ってしまう。


 とんだクソガキだった。

 よし決めた。明後日の本番あのひねくれ黒チビをアイスゲームで徹底的にボコボコにして、泣かしてやるからな……!


 真っ赤な夕日に照らされながら、中等部1年生の女子相手に本気の意気込みを燃やす。

 潜入捜査としての目的はどこへやら、二十歳の俺の心は大人気なくも真っ赤に燃え上がっていた。


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