第19話狂乱のステージ
「えっ……?」
ギリギリ……
「ちょ、何をロットさん……!?」
俺はドイルの首を絞める。あとは酒場に戻ってフルールを殺さないとな。
「ぐぁっ……」
再び長々と沈黙が訪れた。
スタスタ……
「あっ!やっぱり戻ってきたわ!!!!」
長い黒髪を盛大にかき上げながら、店の中央でくるくると踊っている。
ケイが立っている……?
それにやけにテンションが高い。
「アーサーも硬かったけど、あなたも中々よっ!」
さっきからこいつは何を言ってるんだ……?頭がクラクラしてよく聞こえない。
「ロットさんはフルールを疑ってるんでしょっ!」
「上にいるわっ!」
「う・え・っ!」
ケイが ぴょんぴょんと跳ねながら、2階を指さしている。
あぁ、そうだったな。思い出したように歩き出す。
「ばいばーいっ!!!」
笑顔で見送るケイに、俺は違和感を覚えなかった。
ギシッギシッ……
階段を上ろうとして、盛大に後ろから落ち意識が闇の中へ沈む。
なんだ?さっきから頭が痛い……。おい、なんだこれ!
部屋が真っ黒だ。
違う——これは俺の血かッ!!それに身体どころか、指一本動かせない。
「くそっ!!!離せっ!!!」
「俺は捕まったのか!?——ドイルはどうした!!!」
「ドイルって、盗聴器をしかけた人?」
暗闇に紛れ、フードを被った女がポツンと立っている。
目の前にいるのに声が遠い。
雲の中にいるように、周囲の感覚がまるで掴めない。
しくじったか——せめてこいつの顔だけでも……!!
「取引だ、俺を助けてくれ」
「この状況でそれが言えるの?あははっ!!!やっぱりロットさんは面白いわっ!!!」
「こんな所で死ぬわけにはいかない、情報をやる」
「だーっめっ!!!」
「一目見た時から、殺すと決めていたのっ!!!」
わずかに照らされた月明かりから、ここが1階のステージだと分かった。
ギシッギシッ——ゆっくりと踏みしめ近づいてくる。フードの奥からのぞく顔は、黒髪の少女ケイだった。
(ケイが犯人……)
「あぁ、アイスゲームに出たかったのだけれど」
ギラッ——反射するノコギリを構えるケイ。
「今度こそっ!!ばいばーいっ!!!」
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目から横に、線が入ったように見えた。




