第12話酒場のマスター
「頭がいてえ」
路地裏に戻って、土管の中で寝たらこの始末。
ついでに、体中も筋肉痛だ。あそこは、関わってはいけない世界だった。
「アーサーとヴィアを見つけるまでは...」
頬を叩き、さらにもう一度気合を入れなおす。
グーと腹が鳴る。
昨日から何も食べてない。
「雑草と花でも探すか...」
枕替わりにしていた、レンガを蹴とばす
「足りねえが、ないよりマシだ」
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ドイル視点
昨晩はまったく寝れなかった。
車で寝ることはよくあったが、防寒具なしで外で一夜を開けるのは初めての経験だった。
「私は....まだ生きてる...!」
「よし、いこう」
せめて、アーサーさんの仇を。
現在地は、ナタール警察署からは北、この後中央のゲーム会場を通って、東にあるアーサーさんの家を目指す。
「これが最短かつ安全なルート。」
(ロットさんの言う通り、人にまったく会わなかった。)
地図をよく確認しよう。
「アーサーさんの家が見える。」
見たところ、周囲に人はいない。
「ドアは開いてるのかな」
「うん、いける!」
(ピッキングのスキルに心得はあったけど必要なかった。)
「手早く追手が来る前に済まそう」
ゴソッ
「うーん。至って普通の部屋ですが、物がなさすぎる。ほんとうに生活してるのかな。」
3人が写った写真があるのみでベッドも机もない。不思議な部屋。
アーサーさん、ロットさん、たぶんもう一人は...
「服はありますね。」
「ここは、ベタに時計の裏とか」
「...ほんとうにあった。」
「...手紙に封が、してある。」
「最近書かれたものじゃないな....計画的?」
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ロットへ
君がこれを読んでいることを願う
僕はヴァイス家に狙われている。ヴィアを頼む。
僕を殺したのは
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「なんだこれ、肝心なところが書いてないじゃないか」
「ほかに何か、缶詰とアイスがありますね」
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トゥルル・・・ガチャ
割とすぐケータイにでた。
「俺だ」
「見つけましたよ、手紙です」
「よし、よくやった。なんて書いてある!?」
「アーサーさんを殺した犯人についてですが....空欄になっています。偽物でしょうか。」
「いや、ヒントがあるはずだ。予定通り、合流だ」
◇
「....なんだその恰好」
「変装ですよ。」
「アーサーさんは同じ種類の服しか持ってなかったので、缶詰の汁とアイスで着色しました。」
「・・・・」
こんな奴だったのか。
「さぁ、ロットさんの分もありますよ。」
「遠慮しておく。それより見せてみろ」
「これか、たしかに空欄だが」
「アーサーならこうする!」
「ちょっ!・・・何するんですかっ!!」
「服に染み付いたアイスならまだ蒸発してない!絞って紙にかけるぞ」
「イタタタタっ・・・引っ張らないで!」
「見ろ、犯人は酒場のマスター。ルガンだ」




