EP8 モリサの森
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ではどうぞ!!
「へぇ―――・・・・此処がモリサの森かぁ・・」
「うん」
目の前に広がる広大な森を前に俺は感嘆の声を漏らした。
隣には銀狼の姿に戻った少女が頷きながら俺を見る。
あの後、俺達は一夜を過ごした後、少女の案内でモリサの森にやってきた。
少女は一夜を過ごした後、元の銀狼の姿に戻り、俺を背中に乗せて一気に高原を走り抜けた。
その時、あまりの速さに何回か俺は落ちそうになったが、銀狼の身体にしがみつく事で何とかこらえた。
しかし、しがみついたのが余程きつかったのか、森に着いた時に少女が
「出来れば・・・・しがみつくなら事前に言って!!」
顔を真っ赤にしながら、言われたので俺は黙って頷くしか出来なかった。
「しっかし・・・・これはどう見ても森っていうよりダンションだよな。」
もう一回森を見ながら、俺はそう呟いた。
モリサの森は、俺の言った通り、森と言うよりも一種のダンションに近かった。
樹齢何千年超えるであろうという巨大な樹が幾重にも立ち、その樹の根が地面から盛り上がっており、その根がほかの根と合わさって1つの道を作っている。
地面も土などが全く見えず、腰まで見えないぐらいの深い草が辺りに生い茂り、進むのも骨が折れそうだ。
「此処から少し行ったところに、私達の住んでいる巣があるの。そこにお母さんがいる。」
「わかった。じゃあ行くか。」
そう言って俺達は、森の中に入って行った。
が
「はぁはぁ・・・・何なんだこのトラップの数は?」
俺はぜぇぜぇと呼吸しながら、近くにあった幹に腰をおろして一息つく。
「これぐらい、大したことないのに・・・」
「これぐらいって、俺とすればこのレベルは軽く人は殺せるぞ・・」
銀狼の発言に俺は苦笑するしかなかった。
いざ森に入ってみたのは良かったのだが、そこから待っていたのは一つ一つが、殺人級のトラップのオンパレードだった。
あるときは頭上から食虫植物が降ってきたり、またあるときは歩いていた所が急になくなって、空中遊泳を味わったりと散々だった。
その度に、俺は幻想創造を使ってなんとかしてきたが、それはそれで一苦労だった。
「でも・・・・あなたはすごいね。」
「は?」
考えに耽っていたら、銀狼がそう切り出した。
「私でも使えるのは変身魔法だけなのに、あなたは何でも出来るのがすごいなぁって・・・」
「あ・・・あぁそういう事か。別に大したことじゃないさ。」
俺がそう言うと、銀狼は首を横に振る。
「ううん。あなたの魔法は、私が知っている中でも最上級のレベルに値するから。」
銀狼は、まるで見抜くかのように俺を見る。
確かに幻想創造は、この銀狼がいう魔法の中では最高の物なのかもしれない。
というよりも、俺は気になったのは・・・
「この世界って、魔法があるのか?」
俺の問いに銀狼の目がテンになった。
「へ?う・・・うん。あなたのって魔法じゃないの?」
銀狼は唖然とした顔で俺を見る。
その途端、銀狼は光放ち、少女の姿に戻る。
同時に俺はしまったと思った。
あのまま何も言わなきゃ、面倒にならずにすんだのにな・・・
「まぁ、俺のはちょっと特殊でな。普通の魔法なんて知らなくてさ。」
「そうなんだ・・・」
俺の返事に、少女は未だに信じられないといった表情だった。
「まぁ・・・・細かい事は聞かないでくれ。俺自身もこいつ(幻想創造)は未だによく分かっていないからな。」
俺がそう言うと、少女は渋々了承してくれた。
俺は内心ホッとするも、幻想創造については迂闊には言わないようにしないと決めた。
「じゃあ、行くか。急がないとな。」
俺はゆっくりと立ち上がる。
少女も、頷きながら立ちあがり、森の奥へと歩いていく。
(とにかく、今は目の前の事をするだけだ。)
俺は、少女について行くように、奥へと入って行った。
そして、幾つかのトラップを抜けて、奥を歩いて行く事30分が過ぎたあたりだった。
「ここ・・・」
先頭を歩いていた少女が立ち止まる。
「此処って・・・」
後ろにいた俺は、その場所を見て驚いた。
そこは、今まで見てきた樹の中で最も大きな樹だった。
まるで、この森の主かのような位に幹があちらこちらに長く伸び、その根も一軒の家の大きさ並みで、土深く根付いているみたいで普通に抜くのは不可能に近そうだった。
「此処を入って、少し降りたところにお母さんはいるんだけど・・・・」
「いるんだけど?どうした?」
少女の言葉に、俺は違和感を感じた。
聞き返すと、少女も不思議そうな顔をしている。
「いつもなら、此処の辺りは、いろんな動物達がいるのに、今日はまだ一度も見ていないから気になって・・・」
少女の言葉を聞きながら、俺は道中を振り返る。
確かに、この場所まで来る間に、俺は彼女以外の動物には逢っていない。
食虫植物などはいたが、それらは基本そこからは動かない者達だから当然だが・・・
(ならなんで・・・・)
そこまで考えて、俺は疑問を感じた。
待て・・・・・何か俺は忘れてないか?
何を?
そうだ、彼女の母親は大蛇に辛うじて勝ったと言っていた。
なら・・・・・・その大蛇はどうなった?
俺は少女にゆっくりと問いかける。
「なぁ・・・・その時に戦った大蛇って、どうなったんだ?」
「え?・・・それは、お母さんに一傷負わせた後、逃げたけど・・・・・!!!」
そこまで言って、少女の表情が一気に青くなった。
「お母さん!!!」
叫ぶや否や少女は、樹にできていた穴の中に飛び込んで行った。
「おい!!!」
慌てて俺も、少女がくぐった穴に飛び込んだ。
根をつたいながら、俺は奥へ奥へと進んでいく。
既に少女の姿はなく、奥から声が聞こえてくるだけだ。
「・・・・・・・・!・・・・・!・・・」
何かが聞こえてくるが、遠い所為か内容までは聞こえない。
「ん?」
進む内に、奥から小さい光が見えた。
しかも進むにつれて、声もしっかりと聞こえてくる。
「よくも・・・・・よくもお母さんを!!!」
間違えなく、あの子の声だった。
進むスピードが速くなる。
進むにつれ、光が大きくなってくるのを感じながら、俺は幻想創造をいつでも使える状態にする。
やがて、光が消え現れたのは・・・・
銀狼になった少女が大蛇の尾によって、壁に叩きつけられる光景だった。
「・・・・・あう・・」
叩きつけられた銀狼は倒れこみ、少女の姿に戻る。
「シャアアアアアアアアアアアア・・・・・・・」
大蛇はゆっくりと少女に近づいて行く。
鱗の色は銅でその大きさは、銀狼になった少女よりも大きかった。
大蛇の近くには、辛うじて息をしている少女の母親らしき銀狼が傷だらけの姿で倒れている。
「う・・・・・」
少女は辛うじて立ちあがろうとするも、すぐに地面にたおれてしまう。
「シャアアアアアアアアアアアアア・・・・」
大蛇が狂気に満ちた笑みを浮かべながら、少女に止めを刺そうと長い尾を振り上げる。
そしてその尾が振り下ろそうとした。
その瞬間だった。
辺りを、猛烈な殺気が覆い尽くした。
「おいてめぇ・・・・」
「!!!!!」
史から這い上がったかのような、声に大蛇は慌てて周囲を探る。
「此処だって・・・・わかんねえのか?」
大蛇はゆっくりと自分の真下に青年がいるのを発見する。
「まぁいいか。別にそんな事を気にする必要はないしな。」
そう言うと、青年は大蛇の尾を掴むと、ゆっくりと持ち上げる。
「!!!」
驚く大蛇に、青年はさして気にもせずに
「とりあえず・・・・・あっちに行ってろ。」
大蛇を少女のいる反対の方向に投げ飛ばした。
「ふぅ・・・・・」
俺は少女に近づき、容体を確認する。
「・・・・・う・・・・・・・・うう。」
「喋るな。傷に響くぞ。」
幻想創造で傷を治す中、少女の口が微かに動く。
「お・・・・・・・・おね・・・・がい」
「あ?」
「あ・・・いつを・・・・・・・・・・倒して・・・」
それだけ言うと、少女は気を失った。
「任せろ。」
俺はそう言うと、少女を安全な所に移して大蛇を見る。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・」
大蛇は既に戦闘態勢に入っているが、俺には関係ない。
「シャアアアアアアアアアアアア!!」
威嚇の為に、大蛇は叫んでいるが、俺には関係ない。
そう関係ないのだ・・・・
今俺がすべきは、唯一つ
「お前を・・・・・・・」
「殺す!!」
俺は大蛇向かって駆け出した。




