EP7 銀狼の少女
明けましておめでとうございます!!
今年もよろしくお願いしますね!!
ではどうぞ!!!
「へぇ――。つまり・・・・お母さんが病気になって、栄養のある物を探していたら俺に出会ったって事でいいのかな?」
「うん・・・・・ごめんなさい・・」
「いや。もう気にしてないからいいよ。」
謝ってくる少女に、俺は苦笑しつつもそう返した。
あの後、どうにか彼女から何故、俺を襲ったのかの理由を聞くと以下のようになった。
彼女は、今俺達がいる所から東にあるモリサの森と呼ばれる場所に母親と共に住んでいるらしい。
彼女の母親はモリサの森の番人と呼ばれてるほどの実力者らしく、付近一帯の森の番人の兼任しているそうだ。
親子関係も上々で、とても平和に暮らしていたらしいのだが
変化が起きたのが三日前、彼女の母親が森にやってきた大蛇と戦った時に起きた。
その大蛇はかなりの実力者で、流石に苦戦はしたものの母親は辛くも勝利した。
だが、大蛇が最後の苦し紛れにした噛みつきが母親の脚に当たり、そこから母親は体調を崩し、今は静養しているらしい。
「でも・・・日が経つにつれてお母さんの体調は酷くなるばっかで・・・」
少女は泣きそうな眼で語り続ける。
で、三日間何も食べずに母親は徐々に衰えていくのを耐えられなくなった少女は、森を出て何処か栄養のある食べ物を探している最中に、たまたま俺に出会い襲いかかってきたというわけだった。
「とまぁ・・・よく俺なんかに襲うもんだな。」
動物なら別に俺じゃなくて、誰でも良いと思うのだが・・・
「うぅ・・・・」
「わかったわかった。とりあえず泣くのをやめてくれ。こっちが悪者みたいになるから。」
少女が泣きそうになるので、俺は少女を慰める。
(しっかし、こいつは親に恵まれているんだな・・・)
少女を見ながら、俺は過去の自分と少女を見比べる。
親に愛された少女とそうでなかった自分を・・・
いや、確かに俺は親に愛されてたとは思う。
でも、少女とは違う。
親は俺という存在を愛していたのではなく、俺が持つ幻想創造を愛していたのだと思う。
違うと思いたかった・・・
でも心を見れば、親の心は欲望だけしかなかった。
俺や妹ではなくてだ。
だから俺は、それに耐えられなくなって家族を捨てたのだ・・・
己の意思で・・・
「でも・・・・・だからか・・・・・」
だから俺は、この子を放ってはおけないんだな。
なら、することは一つだよな・・・・
「じゃあ・・・・行くか。」
「え・・・?」
キョトンとしている少女を見ながら、俺はそう切り出した。
「お前の親がいる森にだよ。お前の母親は・・・・・俺が・・・・・俺が何とかしてやるから・・・」
それにしても、この提案を少女がきいてくれるのだろうか?
唯でさえ、自分はこの子を正当防衛とはいえ傷つけたのだから・・・
信じてはもらえなくてもいい・・・
ただ、今回は・・・・今回だけはと・・・
そう言おうとした時だった。
「・・・・・ホントに?」
「えっ?」
少女から返ってきたのは、驚いたような声だった。
「ホントに・・・・・・・お母さんを助けてくれるの?」
「あぁ・・・」
少女の問いに俺はゆっくりと頷く。
「う・・・・・うっ・・」
少女の目から、また涙が溢れ出す。
「おいおい・・・」
俺は苦笑しながらも涙が落ちないように、少女の目元を右手で軽くすくった。
泣かないでと伝わるように・・・
「心配すんな。必ず助けてあるから。」
「うん・・・・・うん!」
少女は、必死に涙をこらえて笑顔を作った。
その顔をとても綺麗で
とても明るい笑顔だった。
『幻想創造で誰かを泣かせることは絶対にしないでね。それが譬え、自分を傷つける結果になったとしてもね・・・』
頭の中であいつの言葉がよみがえる
あぁ・・・・わかってるよ・・・・・・
だってこれは、お前との約束でもあるんだからな・・・・
少女の顔を見ながら、俺はそう心に決めていた事を、今一度深く心に刻んだ。




