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ep21.悪女は価値を証明する(1-2)

 この1ヶ月間、第二皇子には私の指示に従ってもらった。


 第二皇子は正直に家族に自分のしたいことを話し、あの家族は仲がいいからだろう。当たり前のように受け入れられた。


 第二皇子曰く、『やりたいことをやりなさい』『やりたいと思えることが見つかって良かったな』『応援していますわ、マーク兄様!』『好きなことなら、全力を尽くすのよ』と、みんな温かい言葉をくれたそうだ。


 後はスムーズに進んだ。


 第一皇子や皇女殿下、皇帝陛下に皇后陛下にも事前に話していたので私と第二皇子との仲を誤解するものはいなかった。


 第二皇子は甘いものが好きだそうで、貴族がよく行く有名なカフェに連れて行かれた。


『遠慮なく好きなものを食べてね』という言葉に圧を感じたので言う通りにした。


 帰り際、『君は不思議な子だね』と言われたけど、私は妖艶な笑みを浮かべるだけだった。


 パーティーにも参加してもらった。


 当然だが1回や2回ではない。


 特定のパーティーにしか現れない貴族もいるし完璧に炙り出すにはかなりのパーティーに参加してもらうしかなかった。


 第二皇子は単体で行き、私も1人で参加し、第一皇子にも単身で行ってもらおうと思っていたのだが、そうさせてもらえなかった。


 何故か必ず第一皇子が『私はエヴァのパートナーとして行こう』と言って聞かなかったのだ。


 私は全力で大丈夫ですと言った。


 それでも第一皇子は『貴方を1人にはさせられない』『マークがやりたいことを見つけたなら、それを見届ける義務がある』と言い続けて、最終的に私は根負けした。


 パーティーには必ず着いてきた。誰にも伝えず行こうとしてもバレてしまうのだ。何か追跡されているのではと疑ったりもした。


 作戦を実行して2週間が経った頃、私は月一のお茶を第一皇子としているときに聞いた。


「殿下は、私の監視に来ているのですよね?私が第二皇子殿下を唆さないようにと、弟を心配していらっしゃるなんて、とても素敵な家族愛ですね」

「…貴女は自分がどれだけ他の男に見られているか知ってるか?」


 何を言っているんです?と聞き返してしまうところだった。


「皆、私を好奇の目で見てるんですよ。他意はありません」

「貴方という人は本当に…、いや、気づいていないなら尚更だ。私が着いて行かなければ貴方には危機感がなさすぎる」


 もう何を言ってるか理解出来なかったので強制的にこの会話は終わらせた。

 

「では、殿下もまだまだ多くの貴族に話しかけられると思いますので、引き続きよろしくお願いしますね」

「…理解するのをやめたな?」


 バレたが気にしない。もうそういうスタンスで行かなければやっていけないことが分かっている。


 そんなこんなでもう2週間を過ごし、ティラノ帝国にいる大体の貴族からの報告を確認した。


 第二皇子の方へ報告した貴族は反逆罪となり、爵位を剥奪し、辺境の地へ左遷となった。

 逆に、第一皇子へと報告した貴族は、上位の貴族の席が開いた分を埋めるように爵位が上がった。


 そしてもう1つ、中立派の貴族がいることも分かった。この中立派と言うのは、流した噂をどちらにも報告しなかった貴族たちのことだ。

 この貴族たちは爵位を剥奪もせず爵位を上げることもせず、現状を維持した。


 第二皇子派の貴族が殆どいなくなったことにより、第一皇子への暗殺がグッと減った。第二皇子は、事前に自分は皇帝の座を狙っていないことを明確にしているため今も前も暗殺は滅多にないのだそう。


 これでも、まだある唯一の懸念点は、中立派だった。そもそもの話、国や皇族全体に対して恨みを持っている貴族からの邪魔や暗殺が来るかもしれないのだ。


 しかしこれも、私はあっという間に解決させた。


 第二皇子の時と同様に、こちらも噂を流すのだ。

『皇后陛下が病気にかかったため、療養を兼ねて皇宮から場所を移す』という噂。


 当たり前だが皇后陛下は今もとても元気である。


 流石に人の、それも皇后陛下の嘘の噂を流すのだから失礼に値することだ。


 怒られる、何なら罰を受ける覚悟で私は皇后陛下に話をした。


 皇后陛下と2人で話をするのは、飲み物に毒を混ぜられたあの日以来だ。警戒を解かずに聞いてみた。


「皇后陛下、失礼なのは承知の上で、皇后陛下が弱っているという噂を流す許可をください。これは第一皇子殿下と第二皇子殿下のためになることです」

「ええ、良いわよ」

「…へっ?良いのですか?」


 あまりに普通に許可を貰えたので流石に驚いてしまった。


 だが、許可を貰ったからにはあとは私が行動するだけだった。


 療養する地へ行くのは皇后陛下ではない。

 私だ。


 私を囮に、この国をよく思っていない人間を見つけ出す。


 そうすれば、第二皇子は完全に自由になれるし、

第一皇子は暗殺を警戒することなく、日常を過ごせる。


「皇后陛下はこれまで通り、皇宮でお過ごしください。私がその療養の地へ行き、反逆者を捉えますので」


 私は、これほどに素晴らしい計画がどこにあると息巻いていたのだが…



 

 


 












最後まで読んで頂きありがとうございました!

次話も見てくださると嬉しいですm(_ _)m








最後まで読んで頂きありがとうございました!

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