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最強転生少女はニートを希望する。  作者: 三毛林実卦
学園編

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90/119

ニート、犯人を捜す。

ついに90話です。


 エルマンのところでちょいちょいとやることをやって、魔法を使う準備が整った。

 決戦は今日。とはいっても私がやるのは犯人の特定までだけどね。

 対象となるのは学園の教師たち。

 生徒でも手に入れられないことはないけれど、一番鍵を持っていても怪しまれず、さらに一か所に集めやすかったのが理由だ。

 教師陣は今回のことで話があると会議室に集められている。話をしているのは今回協力してくれる全体のまとめ役の先生。この人は犯人ではないと確認済みだ。

 私と宮廷魔術師長、それに理事長はその様子を隣にある準備室の小窓からこっそり覗いているんだけど、見つからないか少しドキドキする。

 部屋の向こうの人と目が合うんじゃないかとか、物音立ててしまうのではとか。

 うわー、ドキドキする。こんな場所から覗いてるとか絶対見つかるって!

 え?じゃあ魔法を使えばいいって?≪第三の目≫使って遠くから見てろよって?

 それはだめだ。だってロマンがない。

 こうして壁一枚だけで隔てられた場所から、見つからないかドキドキしているのがいいんじゃあないか。

 あ、でも理事長たちには「魔法を多用・併用すると犯人に気づかれる恐れがある」とかなんとかそれっぽいことを言っておいた。

 なるほどって顔を理事長がしていたけどたぶんなるほどでもないよ?

 まあ、敏感な人は気づくかもしれないの、かなあ?言った本人がわかってないんだけどね。

「では、始めますわ」

 気分を変えて、そろそろ本題に入ろう。

 私の言葉に神妙な面持ちで頷く理事長たち二人。

 あ、ちゃんと今回もハルはいます。われ関せずと興味を示してくれてないけど。まあいいけどさ。

 さて、今度こそポインターの見せ場だぞ。

 目の前、そこにいる人を視界に入れて選別対象とするのがこの魔法。

 ≪第三の目≫で代用は効くが、今回は自分の視界を使うので小窓をちょっと占領させていただく。

 じっと小窓の向こうを見ながらポインター(それ)を起動すると、教師たちの頭上に矢印が浮かぶ。これは色を付ける前、選別する前の状態だ。

 ここに『エルマン』と『禁書』という条件を入れ、頭の中の実行ボタンを押すと私の視界に変化が訪れる。

 色のない矢印は次々に消えていき、たった一つ、真っ赤に染まった矢印だけが残った。

 その人物を見て、私は少し戸惑う。

「え」

「どうされましたか?」

「何かあったのかね」

 私の漏らした声にハルと宮廷魔術師長が声をかけてくる。

 それに対して、どう答えればよいものか。

 言葉を選ぼうとすると霧散するし、だからといって選ばずに口を開いても何もそこから出てこない。

「――エルヴィーラ嬢、我々にも見えるようにしていただけますかな」

「え、ええ。――ええ、そうね。そうだったわ」

 見かねた宮廷魔術師長の言葉にそういえばそうだったと頭を軽く振り、魔法の続きを行う。

 もう一度ポインターに集中し、魔法に追加条件を加えていく。

 設定を個人用から人数指定に変えて、さらに対象を選ぶを選択。

 対象はハルと宮廷魔術師長、理事長の三人。

 ハルは自分には必要ないからと辞退していたが道連れだ。

 一人だけ蚊帳の外には出してやらないんだからね。


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