ニートは巻き込まれてもニートである。
今日は部屋につく前から騒がしかった。
いつも通りの時間に学園についたが、なにやら騒がしい。
いつもはまばらにしかいない生徒がそこらにいるのがとても珍しかった。人数からして、学校行事というわけではなさそうだけど。
「ハル、なにかわかるかしら」
「護衛が知るはずないでしょう」
当り前だろうと言いたげな目を向けてくるが、護衛対象にそんな態度をとること自体が当たり前ではないからね?君が当たり前を説くのはどうなんだ。
結局、その理由を知ったのは案内の教師からの説明だった。
「生徒会、ねえ」
こんなに生徒会が多いのか、とも思ったがそういうわけではなく手伝いも含むらしい。
休暇明けの試験はお祭りのように賑やかなものになるのだそうだ。その準備は生徒会に任せられている。
この生徒会、ほとんどを貴族階級が占めているそうな。まあ、彼らは人の上に立ちたがるからね。それに文字が読み書きできるから。
その生徒会が自分たちだけで準備するはずもなく、その取り巻きやらなにやらも引き連れているからそれなりの人数になってしまっているのだそうな。
そういった派閥に参加していない生徒や参加していても下っ端過ぎる生徒は呼ばれていないため欠席している。
本来はこの倍以上の生徒がいるのだと、教えてくれた。
だからドンナー君も遅れているのだろうか、派閥とは縁がなさそうだったけど。
「道で絡まれているのかもしれませんね」
苦々し気に呟くこの教師はいわゆる一般市民階層の出身で、貴族にはいい思い出がないのだそうだ。
私もあまり関わりたくないだろうにと思うのだけれど私レベルにまでなると下々に興味を持たないから逆に楽だとざっくばらんに打ち明けられた。こんな口が軽くていいのか教師。
「からむ、ですか?」
「ええ。貴族階級の生徒の中には自分が他の生徒よりも偉いのだと考えて難癖をつけてくる子がいるんです。それは生徒だけじゃなくて、教師にもしてくるんですけどね。そんな子も生徒会にいますから、その誰かに絡まれているのかも」
少々私怨が混じった説明だったがなるほど納得でもある。
どうしても貴族生活には身分の差というものが関わってくる。それの延長戦上として生徒たちと接しているのならばわがまま放題にもなるだろう。学園に通うレベルの魔法使いは卒業後の身分が結構いい感じになるんだけどね。だからそれほど下に見ていい相手じゃないんだけどね。
「では、私が見てまいりますわ。私でしたら絡んでくる方もいないでしょうし」
「まあ、そうだといいのですけれど」
少し心配そうにしながらもまだ仕事があるからついていけないというその教師に見送られながら、私は入り口に向けて歩を進めた。
その後、顔を真っ赤にしながら制御のできていない攻撃魔法を相手に掛けようとしている男子生徒と出会ったわけだ。




