ニートはフラグを立てまくる。
今回は短めです。
ちらりと声のする方に視線をやれば、やはり昨日の縦ロールお嬢様だった。
それをなだめているのは昨日の髭面さん。周囲はうるさそうな顔をしていたり、縦ロールというあんまりみない髪型を二度見していたりとそれぞれの反応をしている。
彼女たちに見つかると巻き込まれる可能性もあるし、覚えていない可能性もあるが、果たしてどうなるのか。
幸いなことに私は人の波が来る前に列に並んでいたため、彼らとは距離が離れている。
中に入り、記録を使って昨日訪れた場所に行く。
その間に彼らに見つかる可能性はほとんどないし、彼らが昨日であった牛頭を倒せるとは思えない。
もちろん、彼女を除くメンバーであれば十分戦えるのだろうけれど彼女の存在は0ではなくマイナスなのだ。
たとえば、毒にも薬にもならない人物であれば彼らの戦闘能力に関係しないだろう。彼らは牛頭と戦うことができる。
しかし、重荷でしかない彼女を、それも守りながらという制約付きで傍において戦うのは考える以上に難しいことだ――とよくハルが言っている。
私が助けたあの金の槌とかいうパーティーもけして弱いパーティーではない……とハルが言っていた。私もそう思う。
お荷物を抱えた彼らが金の槌より強いのかといえば、それはないだろう。
つまり、ここを乗り越えれば私たちは平和にダンジョンを冒険できるわけだ。
これはいけるな。
「あ、ちょっとそこのあんた!」
……これからは不用意にフラグを立てるのはやめよう。
こちらを睨みつける縦ロールと、その後ろで驚いた顔をしている髭面さんをみて心からそう思った。




