兄弟としてどうなのでしょう
大変遅くなりました。本日から更新を再開させていただきます。
今回も短めです。
「それにしても」
二人が落ち着いたようなので話題を振ることにしてカップを置く。
「第二王子ってどんな方なんですか?」
実は第二王子のことをよく知らない私の質問に二人が困ったような顔をする。
兄はともかく殿下はそれでいいのか。あんたの弟だろ。
「あまり口数は多くないのだが、優秀ではあるな」
「エルも夜会で何度か挨拶はしたことがあるんだけど、覚えてないかい?」
「あまり。それに見た目でなく性格について知りたいのです」
そもそも年に数回の夜会で、会話もしない相手を覚えているかと言われると割と自信がないぞ。
そう思いながら少し脳内の記憶を探してみれば、確かに殿下と同じように国王と二人の妃の隣にもう一人、男がいた気がする。
キラキラ系爽やかイケメンの殿下と違い不愛想で口も開かなかったから顔すらぼんやりとしている。
「中身ねえ。学園での成績は優秀だね。成人後に頼りになるだろう友人も作っているようだ」
殿下、それは中身ではあるけれどなんか違う。性格を知りたいって言ってるんですけど。
「アル兄さんは何かないですか?」
「僕はヴェスと親しいからね、アルミロ殿下とは顔を合わせないんだ」
アルミロというのは第二王子の名前らしい。割と初耳。本当は初耳じゃないだろうけど初耳。
「城内で仕事をしていているのですから、顔を合わせることくらいあるのではないですか?」
「そうだねえ。彼の友人に第一騎士団の団長のご子息がいるから、彼と会う用事があるときにたまに見かけることはあるかな。まあ、いくら殿下とはいえ、仕事中だからね、挨拶くらいしか交わさないよ」
兄の言葉にそれもそうか、とひとまず納得する。たしかに同僚の息子とその友人に会ったからといって仕事を放り出して親しい会話をすることはないだろう。日本でもそうそうないと思う。
おお、久しぶりだなあ。とか、元気だったか?くらいはあってもいいかなとは思うけれど、家の外ではあんまりしゃべらないからな、兄は。
「しかし、どうしてまたそんなことを知りたいんだい?」
不思議そうな顔の兄に尋ねられ、そうですねえ、と一度紅茶を飲む。
あまり深い意味などはないのだが、自分と婚約関係にあった、らしい人物がどんな人なのか気になったのだ。
別にいい人だろうと悪い人だろうと今の私には関係ないのだが、良い人だったらいいなあという思いはある。
せっかくこうして知る機会が出来たのだからちょうどいいと思ったのだが、思った以上に兄も殿下もポンコツだった。
あ、ポンコツは失礼か。
「どんな方だったのか、気になっただけですわ。顔を合わせたことがありますのに、何も知らないのは失礼だと思いましたの」
「そんなこと、エルが気にする必要はないさ」
兄はにこにこと笑っているが兄の言葉に殿下は苦笑している。
さすがに王子に対する言葉としてはいかがなものか、さすがの私も苦笑いだ。
「まあ、今度顔を合わせたときに声をかけてみるよ。なにかわかったら教えてあげよう」
「まあ、ありがとうございます殿下」
私のためなのか、さすがに弟のことを何も知らないのはまずいと思ったのか、殿下は声をかけてみると言ってくれる。
兄とは違い頼りになる殿下に私も笑みを返した。




